あいホールディングスは2024年9月に、同じくビジネスホンを主力製品とする岩崎通信機(東京都杉並区。東証スタンダード市場への上場廃止)を子会社化した。

ビジネスホン市場はサテライトオフィス化や在宅勤務の進展を背景に縮小に向かっており、ナカヨをグループに取り込むことでビジネスホン開発の一体化による効率化を推し進めるとともに、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を活用した新製品・サービスの育成を加速する狙い。

ビジネスホンはオフィスで使う業務用電話機のこと。ナカヨは専門メーカーとして実績を積み重ねてきたが、市場の成熟化に直面していた。あいホールディングスはナカヨの筆頭株主で、同社株式の8.38%所有する。ナカヨ株の買付価格は1株につき2550円で、TOB(株式公開買い付け)公表前日の終値1073円に137.65%のプレミアムを加えた。

買付予定数は410万3686株。下限は所有割合58.29%にあたる261万700株。買付代金は最大104億6439万9300円。第3位株主の光通信(所有割合7.4%)など大株主3者は所有する18.06%の株式についてTOBに応募を決めている。

買付期間は2月17日~4月2日の31営業日。決済の開始日は4月9日。公開買付代理人は大和証券。

ナカヨはTOBに賛同し、株主に応募を推奨することを決めた。TOBが成立すれば、同社の東証スタンダード市場への上場は廃止となる。

ナカヨは1926年に中村与一郎商店を前身として創業し、1944年に中与通信機製作所となった。ナカヨ通信機への商号変更を経て、2014年に現社名に改めた。1974年に東証2部に上場し、2005年に東証1部に昇格(2022年4月に東証スタンダード市場に移行)。

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