【7月アクティビストサマリー】オリコ、カシオ、マネーフォワードなどで「5%」超の新規保有

「トランプ関税」をめぐる日米交渉がようやく合意した7月。焦点の税率が25%から10%に引き下げられたことなどが好感され、同24日の日経平均株価の終値は4万1826円と1年ぶりの高値をつけた。

他方、参院選での与党大敗で政局は不透明感が増した。こうした中、アクティビスト(物言う株主)の動静はどうだったのか?

SC、オリコとノリタケを新規保有

国内勢で目立ったのがストラテジックキャピタル(SC、東京都渋谷区)だ。7月中、5%を超える株式の新規保有がオリエントコーポレーションとノリタケの2銘柄で確認された。いずれも「純投資及び状況に応じて重要提案行為等を行うこと」を保有目的とする。

SCはオリコの株式5.23%を新規保有した後、1.03%を買い増して保有割合を6.26%まで高めた。ノリタケについては5.1%を新規保有した。過去10年の大量保有報告書を調べたところ、オリコ、ノリタケの両社ともアクティビストによる5%超の新規保有はなく、今回が初めてと見られる。

SCは国内を代表するアクティビストファンドの一つ。7月23日付の日本経済新聞朝刊には投資先企業のうち日本製鉄、大阪製鉄、日産自動車、ガンホー・オンライン・エンターテインメントなど8社に絞った形で「株主価値向上に向けて」と題する全面広告を掲載し、話題を集めた。

フジHD、買収防衛策を導入

「フジテレビ問題」からの出直しを図るフジ・メディア・ホールディングス(HD)をめぐっては、旧村上ファンド系の投資会社のレノ(東京都渋谷区)が株式の買い増しを進め、保有割合を16.32%に高めた。その半数以上(8.96%)を共同保有者の野村絢氏(旧村上ファンドを率いた村上世彰氏の長女)を保有する。

こうした状況を受け、フジ・メディアHDは7月10日、新株予約権の無償割り当てを内容とする買収防衛策の導入を発表。野村氏らの存在を念頭に特定株主による議決権比率が20%を超えるような買い付けがあった場合、取締役会でその是非を検討したうえで、臨時株主総会で対抗措置の発動を諮る。

旧村上系の別の投資会社、シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)は三井松島ホールディングス株式を買い増し、保有割合を38.18%に高めた。

このうち8.84%を保有する共同保有者の南青山不動産(同)は三井松島が実施した自社株買いに応じて株式を8月8日付で売却することになっている。

香港オアシスはカシオを新規保有

カシオ計算機の株式5.19%を新規保有したのは香港投資ファンドのオアシス・マネジメント。「株主価値を守るため、重要提案行為等を行うことがある」としている。

オアシスは日本企業が最も警戒するファンドとして名をはせる。化学品メーカーの太陽ホールディングスが6月に開いた株主総会では佐藤英志社長(当時)の取締役再任議案が否決される異例の事態となったが、大株主のオアシスも佐藤社長の取締役解任議案を独自に提案し、賛成票を可決寸前の49.9%まで集めた。

太陽HD株式に関して、オアシスによる5%超の新規保有が判明したのは2月。急ピッチで買い増しを進め、6月までに保有割合を14.89%まで高めた。カシオ株式についても今後買い増しを進めることになるのか要ウオッチとなりそうだ。

米バリューアクト、マネーフォワードに照準

米投資ファンドのバリューアクト・キャピタル・マネジメントは、マネーフォワードの株式5.62%を新規取得した。バリューアクトはセブン&アイ・ホールディングスの大株主としてコンビニ事業への集中を迫ったことで知られる。

フジ・メディアHDの大株主でもある米ダルトン・インベストメンツは6月、センコーホールディングスとトーセイの2銘柄で新規保有が明らかになったが、7月中は買い増しを含めて特段の動きはなかった。

シンガポール投資ファンドのアクシウム・キャピタルは東京コスモス電機の株式26.5%、日邦産業の株式16.09%を新規保有した。いずれもアクティビストのスイスアジア・フィナンシャル・サービシズ(シンガポール)が保有していたが、そっくり引き取った形となる。

東京コスモスでは6月の株主総会で、社長を含む経営陣が退任し、スイスアジアが提案した経営陣と入れ替わった。新社長に就任した門田泰人氏はスイスアジアの最高投資責任者(CIO)でアクシウムの代表を務める。

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文:M&A Online

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