
不動産中堅のコロンビア・ワークス<146A>は、M&Aによる事業拡大に乗り出した。
2025年2月に沖縄県の有力デベロッパーを傘下に収めたのを機に、今後は賃貸管理会社のM&Aを進める。
こうした取り組みで、2027年12月期は2024年12月期比約3倍の増収と約2倍の営業増益を目指す計画だ。
エクイティ調達も検討
コロンビア・ワークスは沖縄県での事業規模の拡大を狙いに、沖縄県内でマンションや戸建住宅の開発や分譲を行っているサンクス沖縄(那覇市)を傘下に持つACSホールディングス(同)を子会社化した。
サンクス沖縄は、自社マンションや新築戸建住宅の開発と分譲を中心に、外国人向け賃貸アパートの開発、運営、不動産仲介など幅広く事業を展開しており、2024年6月期の売上高は13億8000万円だった。
コロンビア・ワークスは、サンクス沖縄の子会社化を機に、M&Aによる事業規模拡大に注力する計画で、今後は、賃貸管理会社をM&Aの対象として候補企業を探索する。
賃貸管理サービスを手がける子会社のロンビア・コミュニティが、コロンビア・ワークスの開発物件に加え、外部案件を受託することで成⾧を加速させる計画で、この取り組みの中でM&Aを活用する。
コロンビア・ワークスの2024年12月期の売上総利益(売上高から売上原価を引いた利益)は、不動産開発が80%ほど、不動産運営(賃貸管理、ホテル運営)が20%ほどだったが、2027年12月期にはM&Aなどにより不動産運営を拡充し、不動産開発70%、不動産運営30%の構成を目指す。
M&Aなどに必要な資金については、エクイティ調達(株式発行による資金調達)を実施しない方針だが、企業価値向上につながる投資機会がある場合には、エクイティ調達を検討し、成⾧スピードを加速するとしている。
テーマを設定した開発に強み
不動産業界は、住宅を中心とした賃料の上昇や円安、欧米と比較して相対的な低金利環境を背景に、国内、海外投資家による国内不動産への投資需要は堅調に推移している。
コロンビア・ワークスは2013年に不動産開発を行うことを目的に、 東京都内で設立。2014年にJACコミュニティ(現 コロンビア・コミュニティ)を設立し、不動産賃貸管理サービスを開始し、2018年にはコロンビアホテル&リゾーツを設立し、ホテル運営サービスを始めた。
2023年にはアセットマネジメントサービスの提供を目的に、コロンビア・アセットマネジメントを設立したあと、2024年に合同会社RC1号を営業者とする匿名組合に出資し、子会社化。
現在は不動産開発サービスを主な事業とし、レジデンス(賃貸マンション)や、オフィスの開発を行っている。
賃貸マンションでは、テラスなどにテーブルを設置した「食事を楽しめるマンション」や、ギャラリー付きの「車を飾れるマンション」、人気コーヒーショップのコーヒーが、毎朝、無料で楽しめる「早起きしたくなるマンション」などのテーマを設定した物件の開発に強みを持つ。
3年で売り上げ3倍に
こうした取り組みが成果につながり、2024年12月期は売上高209億8100万円(前年度比45.0%増)、営業利益38億9200万円(同43.2%増)と大幅な増収営業増益となった。
2025年12月期も国内不動産の需要は引き続き安定的に推移し、大幅な増収営業増益となる見込みで、売上高は396億1800万円(同88.8%増)、営業利益47億2900万円(同21.5%増)を予想する。
2027年12月期は、M&Aのほかに物件の大型化による影響も加わり、売上高は2024年12月期比2.97倍の624億円、営業利益は同1.93倍の75億円を目指す計画だ。

文:M&A Online記者 松本亮一
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