
居酒屋、焼肉、寿司、ラーメンなどの飲食店を展開するGYRO HOLDINGS(東京都新宿区)は傘下のファイブ.シー(同)を介して、BigBellyManagement(同)が展開する餃子メインの中華料理店「アガリコ餃子楼」のフランチャイズ(FC)本部事業を譲り受けた。
FC事業の基盤を強化し、同事業を本格展開するのが狙いで、食材の安定供給やFC本部の運営ノウハウなどを活用して、アガリコ餃子楼をはじめ既存の飲食業態でも加盟店の拡大に取り組む。
GYRO HDは、アジア最大級のファンドPAG(東京都港区)の傘下に入った2021年以降M&Aを加速しており、今回が5件目となる。
M&Aを重要な成長戦略と位置付ける方針に変更はなく、今後もそば、うどん、とんかつ、焼肉、ハンバーグ、郊外型レストランなどの幅広いジャンルでM&Aを活用する方針だ。
関連記事はこちら
・大型飲食関連企業が誕生「GYRO HOLDINGS」が目指す姿は
これまでのM&Aは10件超
アガリコ餃子楼は、皮から手作りの餃子と、点心、オリジナルワインなどを提供する中華料理店。カウンターが中心の33平方メートル以下の小さな店舗のため、店舗造作費用や人件費などの初期投資やランニングコストが抑えられるのが特徴。
現在、東京や沖縄などで6店舗を展開しており、今後FC本部として店舗数を拡大していく。
また、これまでのM&Aや、培ってきた事業運営の経験などを活かして、今後「飲食業態のフランチャイズ展開に注力する」としている。
GYRO HDは2001年創業のカフェ・カンパニーと、2005年創業のsubLimeが2019年に経営統合し、両社の持株会社として誕生した企業で、PAGの傘下入り後、焼肉店の「牛8・USHIHACHI」や「ビーフキッチン」などを買収してきた。
居酒屋や和風レストランのほかに、カフェ、洋風レストラン、ビアガーデン、高級レストランなどの飲食店を展開しており、「アガリコ餃子楼」FC本部事業の譲り受けで、店舗数は232店舗、91業態になる。
PAG傘下入り前からM&Aには前向きで、これまでの合計のM&A件数は10件を超える。同社ではホームページで、飲食店のオーナーに向けて、店舗や顧客、従業員などをしっかりと引き継ぐとするとともに、投資予算が100億円で、最短1週間で意思決定を行うことを表明している。
独立支援にも積極的で、開業資金やブランド展開のノウハウの提供などを通じて、過去10年間に50人以上の独立を支援した実績がある。
運用資産残高は550億ドル超
GYRO HDの親会社であるPAGは、アジア太平洋地域に特化した機関投資家向けのプライベートアセット(証券取引所などでは売買されない資産)運用会社で、2024年9月30日時点で年金基金、保険会社、財団など300を超える投資家からの550億ドル(約8兆6000億円)を超える資産を運用している。
1997年に東京で設立されたセキュアード・キャピタル・ジャパンが始まりで、投資家はアジアだけでなく、米国や欧州、中東にも広がっている。
文:M&A Online記者 松本亮一
【M&A Online 無料会員登録のご案内】
6000本超のM&A関連コラム読み放題!! M&Aデータベースが使い放題!!
登録無料、会員登録はここをクリック