分析・計測機器大手の「堀場製作所」相次ぐ技術系企業の買収 人工ダイヤ研究開発のインド企業を傘下に

分析・計測機器を主力とする堀場製作所<6856>が、M&Aによる技術ポートフォリオ(技術構成)の補完を進めている。

2025年に韓国の半導体関連企業EtaMaxを買収したのに続き、2026年1月に、人工ダイヤモンドの研究開発を手がけるインドのプリスティン・ディープテックを傘下に収めた。

    同社はエネルギーやバイオ、先端材料分野で、M&Aなどの戦略投資を推進する方針を示しており、技術系企業の買収は今後も続きそうだ。

    インドを研究開発の中核拠点に 

    プリスティン・ディープテックは2021年に設立されたスタートアップで、人工ダイヤモンドの研究開発から、人工ダイヤモンドの製造装置開発まで一貫して対応できる強みを持つ。

    ダイヤモンドは高い熱伝導性や耐電圧性を持ち、次世代パワー半導体や量子センサー、通信、電気自動車、データセンターなど幅広い分野での活用が見込まれる。

    堀場製作所は、人工ダイヤモンド市場が今後10年間で大きく拡大するとみる。

    今後は、プリスティン・ディープテックの技術やノウハウと、堀場製作所の分析・計測技術を組み合わせ、ダイヤモンドウエハ(ダイヤモンドの薄い円盤状の基板)を含む先端材料の実用化と普及を進める。

    ダイヤモンドを用いたセンサーなどの部品開発にも取り組み、堀場製作所の製品への搭載による性能向上や、部品単体での販売も視野に入れる。

    あわせて、インドを先端材料・半導体分野の研究開発を担う中核拠点と位置付け、段階的に機能強化と体制拡充を進める。

    近年のM&Aでは、2025年にEV(電気自動車)やAI(人工知能)の普及を見据え、半導体ウエハー(半導体集積回路の材料となる円形の薄い板)の検査装置を開発・製造する韓国のEtaMaxを買収した。

    適時開示ベースでは2023年に、米国の分光分析装置メーカーであるプロセス・インスツルメンツを子会社化している。

    これらのM&Aは、計測・分析技術と親和性の高い分野で周辺技術を取り込む狙いを示している。

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    技術獲得で事業を拡大

    堀場製作所は、1953年に京都市内で事業を開始。分析・計測技術の探求と独自の製品・ソリューション開発に取り組み、事業を拡大してきた。

    2025年12月期は売上高3350億円(前年度比5.6%増)、営業利益520億円(同7.6%増)と増収営業増益を見込む。

    事業構成は先端材料・半導体分野が全体の約46.0%を占め、エネルギー・環境分野の約40.9%、バイオ・ヘルスケア分野の約13.1%と続く。

    分析・計測機器大手の「堀場製作所」相次ぐ技術系企業の買収 人工ダイヤ研究開発のインド企業を傘下に
    堀場製作所の売上高構成比

    M&Aには前向きで、2025年5月に公表した「HORIBA Report 2024-2025」では、先端材料・半導体、エネルギー・環境、バイオ・ヘルスケアの分野でビジスモデルの拡大を加速させるM&Aなどの戦略的な投資を積極的に推進していく方針を掲げた。

    具体的なM&Aについては「長期的な視野に立ち、ユニークな技術を持つ事業体を買収することで、技術ポートフォリオの補完や既存技術とのシナジーを生み出す」との考え方を示している。

    これまで堀場製作所は、計測・分析技術と親和性の高い周辺分野の技術を取り込みながら、事業領域を広げてきた。

    人工ダイヤモンドによる先端材料分野への取り組みも、その延長線上に位置付けられる。

    技術獲得を通じた事業拡大の流れは、成長戦略を支える重要な要素の一つとなりそうだ。

    文:M&A Online記者 松本亮一

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