
こんにちは、柳川隆洸です。
新月のタイミングに合わせて毎月1回、「ビジネス×占星術」の内容で連載をしています。
まず、先月の8月23日の新月から現在までを振り返ってみましょう。 前回の記事でハッカーによる攻撃やコンピューターウイルスなどにも注意」と書きましたが、自動車大手ジャガー・ランドローバーがサイバー攻撃を受け生産停止に追い込まれたほか、ロシアの複数の航空会社もシステムへの攻撃を受けるなど、重要インフラを標的とした攻撃が多発しました。
また、「局地的な衝突や不安定な軍事行動が注目される」ともお伝えしていましたが、イスラエル軍によるガザ市への大規模地上侵攻の開始されるなど予想通りの展開になっているかと思います。一方で「経済活動に追い風が吹きそう」とお伝えしていましたが、米国市場で主要3株価指数が最高値更新するなど追い風も吹いています。
複数の力が拮抗し、ポジティブと試練が交錯する月に
そんな中での9月新月からの星の影響を見てみましょう。新月は9月22日4:53です。
今回の新月は、9月21日から23日にかけて土星と海王星の向かい合いを伴う強力な日食です。太陽と月は天王星・冥王星と専門用語でカイトとヨッドの組み合わせになり、これはポジティブと試練が組み合わされたような状況になります。
複数の力が拮抗するので、社会やビジネスでは方向転換や計画の微調整が迫られるでしょう。社会全体に効率化が進みやすい流れになりやすいです。
また攻撃性の火星と破壊と再生の冥王星の厳しい配置があり、ロシア・ウクライナ戦争の「秋の攻勢」リスクと重なります。米国が追加関税を強め、中国が対抗措置を取る構図はまさにこの衝突の象徴です。
拡大発展の木星は金融の金星とポジティブにつながり、相場に強気トレンドの再開を示唆します。ただ太陽や水星との厳しい配置期には期待が誇張され、相場が乱高下する懸念があります。また感染症を意味する海王星と土星の向かい合いは健康問題を強調し、ウイルスや伝染病リスクの再浮上を示しています。
特に10月11日から17日は金星が土星・海王星と向かい合いながら、天王星・冥王星とグランドトラインを形成します。これはポジティブな繋がりを強め、世界的にもに新鮮な刺激を与え政治的には同盟合意が進みやすく、APEC首脳会議で米中首脳会談が実現すれば、「協調と未来志向の合意」として働くかもしれません。
私たち個人レベルでは、データの保全と金融のリスク管理を徹底し、免疫ケアを優先してください。
いずれにしても、この1ヶ月は「衝突と協調」という相反する影響が出やすいです。最初はネガティブでもしだいに改善と刷新の芽が生まれますので、冷静に判断しながら上手く活用してください。
【企業ピックアップ】JR西日本
毎月気になる企業をピックアップし、その企業の占星術的な視点からポイントをお伝えしています。
今回はJR西日本・西日本旅客鉄道<9021>(1987年4月1日設立)をピックアップしました。
同社は大阪・京都・神戸を結ぶ都市圏輸送と、山陽新幹線という収益路線を軸に、不動産・駅ナカ・ホテルなど非鉄道も育成する「バランス型経営」を進めています。一方、地方路線の赤字、北陸新幹線の新大阪延伸の不透明感、航空機や大手私鉄との競争など構造的課題も抱えます。
そんなJR西日本の今後を西洋占星術を使ってチェックしていきたいと思います。
完全民営化で「バランス型経営」の素地が強化された
最初にJR西日本の企業傾向を占星術で見てみます。
同社は1987年4月1日に国鉄分割民営化に伴い発足しました。この設立日を基準に考えると、JR東日本と同じ星座配置となるため、コアとなるアイデンティティは両社とも共通していると言えるでしょう。
その上で同社の星座配置を見ると、まず目立つのが企業の推進力を示す太陽が拡大発展を意味する木星と牡羊座で会合している点です。太陽と木星の組み合わせは、社会的意義の大きさと公共性を象徴していると見られます。鉄道という国家的インフラを担うにふさわしい企業性格が表れているといえるでしょう。
また、秩序や構造を示す土星に対し、革新や新技術を意味する天王星が重なっているのも特徴的です。これは伝統と革新の融合を示唆しており、鉄道という古典的インフラを最新技術や安全システムで発展させる企業姿勢を裏付けていると考えられます。
一方で、この太陽と木星の発展力に対し、夢やサービス空間演出を意味する海王星がネガティブな配置となっています。海王星は観光やホテルなどレジャー系事業も象徴する要素ですが、太陽・木星と緊張関係にある場合、鉄道本業の安定性と非鉄道事業の拡張性との間に葛藤が生じやすいことを示していると見られます。
このため、駅ビル開発や駅ナカ事業など不動産収益の育成には相当な工夫が必要であることが示唆されます。
しかし、実際のJR西日本は、ホテル事業をはじめとする非鉄道事業を着実に育成し、バランス型経営を実現しています。これは、例えば東海道新幹線という強力な収益源を持つJR東海とは異なる特徴です。
この背景を探るため、同社が完全に民営化した2004年3月12日のホロスコープに注目してみましょう。ここから、設立時とは異なる側面が見えてきます。この時期のホロスコープでは、太陽が魚座に位置しています。魚座は、先に述べた海王星と同様に、夢やサービス、空間演出といった要素を象徴するサインです。
このことから、観光、ホテル、不動産といった事業領域における拡張性が、この時点で企業性に加わったと解釈できます。つまり、設立時のホロスコープだけでは読み解きにくい「バランス型経営」の素地が、完全民営化という節目を経て強化されたと言えるでしょう。
とはいえ、設立時のホロスコープが示す基本的な葛藤構造は残るため、このバランスを維持するには継続的な努力が不可欠であり、経営上の試練や不安定さが表面化しやすい側面も持ち合わせていると見られます。
2032年に大きな試練を迎える
次に、JR西日のこれまでの流れを見ていこうと思います。
過去の出来事として、2005年に発生した福知山線列車脱線事故は、社会に大きな衝撃を与えました。
この時期、JRグループ全体の設立時のホロスコープにおいて、企業の課題や構造を象徴する土星に対し、「破壊と再生」を司る冥王星が重なるという、極めて大きなプレッシャーがかかる配置でした。
さらに、JR西日本の完全民営化時のホロスコープで見ると、その土星の位置に、運行中の土星が回帰する「サターンリターン」のタイミングに相当していました。
企業のホロスコープにおいて、土星に厳しい角度が形成される時期は、その企業が抱える構造的な問題点や弱点が表面化しやすいとされています。この事故は、当時の同社が抱えていた最も深刻なウィークポイントが、極めて厳しい形で露呈した出来事であったと解釈できるでしょう。
また、2017年に発生した山陽新幹線台車亀裂問題も、安全性に関わる重大な事案でした。この時期は、同社の設立時の土星に対し、突発的な出来事を象徴する天王星が厳しい角度を形成していました。
これらの事例から、JR西日本にとっても土星が象徴する「構造、管理体制、安全性」といったテーマが、企業の試練となりやすい重要なポイントであることが示唆されます。
この視点で考えると、同社にとって次の試練となりやすいのは2032年頃のサターンリターンのタイミングです。この時期には、赤字ローカル線の大幅整理や安全性・事故対応など責任を伴うイベントが発生する可能性がが考えられます。
一方で、JR四国の救済合併が進展する可能性も出てくるでしょう。いずれにしても、同社にとって試練と思えるイベントが発生しやすく、それをいかに乗り越えていくかが重要な節目となると見られます。
2027年の「発展の年」の施策で試練は回避できる
一方で、2027年には12年に1度の発展の年が訪れます。このような時期には、大阪駅周辺再開発の成果が表面化したり、北陸新幹線敦賀延伸の定着や観光需要拡大などポジティブな展開が期待できそうです。また、MaaS(鉄道、バス、タクシー、シェアサイクル、カーシェアなど、複数の交通サービスを統合し、利用者のニーズに合わせて「検索・予約・決済」などを一括で行えるサービス)や自動運転など新サービスの実用化も視野に入るかもしれません。
ただし、新幹線延伸に向けた設備投資費用の問題は、2032年のサターンリターンで本格的に維持できるのか、何を取捨選択するのかを迫られるような事態になる可能性もありそうです。このため、2027年の発展期は2032年頃に想定される試練を見据えた施策を打つことが重要であると言えるでしょう。
総じて、2032年で予想される試練に対するバックアップ策を2027年に講じることができれば、試練の影響を軽減できる可能性があります。このように見ると、同社にとって2027年をどのように立ち回るかが重要な勝負どころになってくると考えられます。
*次回公開予定は10月20日です。
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