株式会社レコレの代表取締役を務める小川嶺氏が、プロバスケットボールチーム「レバンガ北海道」の株式過半数を取得し、新オーナーに就任した。2025年6月9日、札幌市内で開かれた記者会見で思いを語った。
28歳の若きオーナーが描く未来像
小川氏は会見で「北海道という土地の魅力、そして人々の温かさに触れるなかで、地域の皆さまと長く向き合いながらクラブを育てていきたい」と述べた。1997年生まれの28歳という若さながら、「日本一を目標に掲げ、しっかりと日本一に向けた選手の強化、ならびにユースの育成を行っていきたい」と力強く宣言した。
「北海道のポテンシャル」に魅了される
東京出身の小川氏だが、北海道への強い思いを語った。「2、30年後の日本を見たときに、明らかに北海道のポテンシャルというのは、より強化されていく」と述べ、温暖化の影響や食料自給率の観点から北海道の重要性が高まると分析。
「北海道の方々は人がいい。ものすごく優しい方々が多く、150年の歴史のある北海道であるが、まだまだ本当は改革をしていかなきゃいけない」と語り、新たな挑戦への意欲を示した。
14年の歴史に敬意を表しつつ新たな挑戦へ
これまで会長としてレバンガ北海道を支えてきた株式会社正栄プロジェクト(札幌市)の美山正広社長は「丸14年間、私がやってきた役割と責任は果たせた」と振り返り、「次のレバンガ北海道の未来、ファンやブースターが望むチャンピオンシップやファイナルで戦っている姿を実現するには、この決断しかなかった」と株式譲渡の理由を説明した。
折茂武彦社長は「これからようやく自分が最も成し得たかった日本一、ここに向けて出発できるこの喜びは計り知れない」と述べ、小川氏の参画を歓迎した。折茂氏は譲渡後も引き続き社長として運営に携わる。小川氏は会長に就く。
具体的な強化策と将来構想
小川氏は具体的な施策として、①日本一を目指した選手強化とユース育成、②バスケットボールを日常の一部にする取り組み、③街中にバスケットコートがある環境づくり、の3点を挙げた。
また、2026-27シーズンから始まるB.LEAGUE PREMIERに向けて、チーム補強や将来的なアリーナ構想を進めていく考えも示された。アリーナ構想については折茂社長が「札幌市内の関係各所と相談中」とし、札幌ドーム近くも「選択肢の一つ」と述べた。
富永選手獲得など具体的な強化策も
会見では、日本代表として活躍する富永啓生選手の獲得についても触れられ、小川氏は「トップタレントの強化はマスト」と述べた。また、トーステン・ロイブル新ヘッドコーチの就任についても「富永選手をU16の頃から3x3を含めて見てきて、富永選手も相当の信頼を置いている。
これまでの背景
2006年に当時唯一のプロバスケットボールチームとして発足したレラカムイ北海道が、経営難によりチームが消滅。北海道にバスケットボールチームを残すために、折茂武彦が選手兼代表として、2011年にレバンガ北海道を立ち上げた。2016年に開幕したB.LEAGUEでは、初年度よりトップカテゴリーであるB1所属であり続ける。北海道を代表するプロバスケットボールチームとして地域に根付いた活動を続けてきた。2026-27シーズンからは、B.LEAGUEの再編によって新設される「B.LEAGUE PREMIER」へ参入する。
小川嶺氏は、スマホアプリを活用してすきま時間に働けるスキマバイトサービス「タイミー」を運営するタイミーの社長も務めているが、今回のレバンガ北海道への参画は個人としての取り組みとなる。
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