
M&A Onlineが大量保有データベースで2025年7月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、元タレントの中居正広氏の女性トラブルに端を発した問題で経営が揺らいでいるフジ・メディア・ホールディングスの株式を旧村上ファンド系のレノが4度買い増し、保有割合をそれまでの11.81%から16.32%に高めたことが分かった。
フジ・メディア・ホールディングスは赤字転落へ
保有目的はいずれも「投資及び状況に応じて経営陣への助言、 重要提案行為等を行うこと」。レノは2025年4月にフジ・メディア・ホールディングス株の5.19%を新規保有したあと、買い増しを続けており、7月で買い増し回数は9回となった。
レノの提出した報告書によると、共同保有者である野村絢氏(旧村上ファンド創設者の村上世彰氏の長女)が、フジ・メディア・ホールディングス株の半数以上を保有している。
フジ・メディア・ホールディングスは2025年7月31日に、2026年3月期の業績予想を下方修正し、売上高を当初予想より144億円少ない5460億円(前年度比0.75%減)に、営業損益をそれまでの25億円の黒字から120億円の赤字に引き下げた。
同社では修正の理由を「フジテレビの事案の影響による地上波テレビ広告収入の回復が前回予想時点の想定を下回っているため」としており、元タレントの中居正広氏の女性トラブル問題が業績に大きく影響している実態が鮮明になった。
ユービーエス・エイ・ジーが牧野フライス株5.05%を保有
このほか7 月は、工作機械大手の牧野フライス製作所の株式について、スイスの金融サービス企業グループのユービーエス・エイ・ジー(銀行)の保有割合が5.05%に達していることが分かった(報告書には直前の報告書に記載された株券等保有割合が不記載のため増減は不明)。
牧野フライスについては、モーター大手のニデックが2025年4月4日から子会社化を目的に実施中だったTOB(株式公開買い付け)を同年5月8日に撤回。
その後、2025年5月に米国の大手金融機関であるゴールドマン・サックスが5.3%を新規保有(報告義務発生日は2025年5月15日)している。
牧野フライスは、アジア系投資ファンドのMBKパートナーズによるTOBを受け入れて株式を非公開化する計画で、MBKパートナーズは2025年12月上旬までにTOBを開始する。
ゴルフドゥ!の株式を、同社松田会長が売却
ゴルフメディアを運営するゴルフダイジェスト・オンラインの株式を、エクイティ投資ファンド・インテグラルの傘下の投資会社であるTGTホールディングスが82.49%を新規保有した。
事業の立て直しや長期的な成長に向けて実施するMBO(経営陣による買収)の一環で、ゴルフダイジェスト・オンラインにつては、野村証券が0.33%買い増したあと3.16%を売却し、保有割合を2.94%としたほか、モルガン・スタンレーMUFG証券が3.96%を売却し保有割合を1.46%に引き下げた。
ゴルフ関連では中古ゴルフクラブの買い取り、販売を主力事業とするゴルフドゥ!の株式を、同社会長の松田芳久氏が4.34%を売却し、保有割合を36.8%に引き下げるなどの動きがあった。
2025年7月の大量保有報告などの提出件数は1094件で、このうち保有割合を増やしたのは272件、新規保有は199件、保有割合を減らしたのは526件、契約の変更などは97件だった。
文:M&A Online記者 松本亮一
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