日産自動車<7201>の高級セダン「シーマ」が、今年の夏をめどに生産中止することが明らかになった。「シーマ」と言えば、バブル景気を代表する高額商品として注目された。
高級車市場を開いた「シーマ」だったが…
「シーマ」が登場するまでは、新車のラインナップは単純だった。たとえばバブル前の国産高級セダンとしてはトヨタ自動車<7203>の「クラウン」や日産の「セドリック」が存在していた。それは各メーカーの「最も高い乗用車」と位置づけだった。トヨタ、日産にはさらに上位の「センチュリー」や「プレジデント」が存在したが、いずれも法人向けの商品であり、所有者が自ら運転する一般向けの乗用車とはカテゴリーが違う。
一般向けの乗用車として大衆車とは一線を画する「高級車」ブランドを初めて打ち出したのが「シーマ」だった。バブル経済真っ盛りの1988年に発売されると、たちまち大ヒット車に。「高いものほど売れる」という当時のトレンドは「シーマ現象」と呼ばれ、バブルの象徴的な存在となった。
トヨタも黙ってはいない。1989年に北米で高級車ブランド「レクサス」を立ち上げ、2005年には日本でも展開している。こうして国産高級セダンブームにわいた日本だったが、バブル崩壊で市場は冷え込んだ。
「シーマ」の生産中止の理由は販売台数の伸び悩みと同時に、搭載エンジンでは新たな騒音規制に対応できないという環境問題も抱えていた。そこに日産の「高級車復活」に向けたカギがあった。今年発売する同社2台目となるEV専用車「アリア」だ。EVは温暖化ガスとなる二酸化炭素(CO₂)を排出しないだけでなく、騒音も小さい。
高級車化するEV
「アリア」の価格は最廉価モデルで539万円からと、「シーマ」の823万1300円から933万1300円に比べると安い。しかし「アリア」の上位モデルは720万600円から798万8200円で、「シーマ」に匹敵する高級車の価格帯となる。
実はEVの「高級車化」は世界のトレンドだ。2009年発売の三菱自動車<7211>「i-MiEV」と2010年発売の日産「リーフ」は、普及を重視して価格をそれぞれ459万9000円からと376万4250円からに抑えた。現在から見れば「高い」が、当時としては徹底的にコストダウンしたEVだったのだ。だが、同クラスのガソリン車やディーゼル車に比べるとはるかに高額で、販売台数は伸び悩む。
これに対して米テスラが2008年に発売したEVの「ロードスター」は9万8000ドル(約1200万円)、2012年に発売したEVの「モデルS」は日本価格で1069万9000円(当時)からと1000万円を超える価格に。リチウムイオン電池が高価な上に、まだ量産効果が不十分なEVの低価格化は難しい。
ならば、販売台数が少なくても利益が確保できる高級車としてEVを開発すればいいではないか。いわば「逆転の発想」だが、これが当たった。テスラはEV販売で世界トップメーカーになった。
高級車を購入するのは富裕層が中心で、個性的であれば高額でも躊躇(ちゅうちょ)なく買ってくれる。現在のEVは充電インフラが未整備なことから、街乗り中心で長距離ドライブには向かない。しかし、富裕層であれば複数の自動車を持つのは当たり前で、遠乗りする際には自らが所有するガソリン車を使い分ければ済む。
メーカーにとっては高級EVを販売することで、自社のブランドイメージを向上できる。ドイツのポルシェやベンツといった高級車ブランドはEV化を加速している。トヨタが2035年までに「レクサス」ブランド車を、すべてEV化すると発表したのも、そうした戦略によるものだ。これからの高級車は、すべてEVにシフトする可能性が高い。
文:M&A Online編集部
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