二輪車やクルーザーなどを手がけるヤマハ発動機<7272>が、電動アシスト自転車のSPV(Smart Power Vehicles)事業拡大のためにM&Aの手法を活用する方針を明らかにした。
マウンテンバイクやクロスバイク、ロードバイクなどの走る楽しさを追求した電動アシストスポーツ自転車であるe-BIKEが、欧米を中心に安定した市場拡大が見込めるため、まずは業界トップ3の地位を確立し、その先の一手として、M&Aなどの機会を探索するとしている。
2025年から2027年までの3年間に、M&A資金の調達枠として3000億円を見込んでおり、この間に少なくともM&Aをはじめとする成長投資に1000億円以上を投じる計画だ。
ドライブユニットの周辺部品で外部と連携
ヤマハ発動機は、コロナ禍によって小型移動手段の需要が増えたのに加え、環境意識の高まりにより電動化にも関心が集まっていることから、SPV事業の成長を期待していたが、2022年から2024年までの3年間は、需給バランスによる市場減速により事業が停滞した経緯がある。
同社では戦略事業領域の中で、ロボティクス事業(電子部品の表面実装装置、半導体製造後工程装置、産業用ロボット、産業用無人ヘリコプターなど)と、SPV事業を成長事業と位置づけ、事業拡大に注力しており、中でもSPV事業は市場の調整局面を抜けたことから、インオーガニックな成長(社内の経営資源に頼らないM&Aなどによる成長)を目指すことにした。
同社では外部との連携の対象として、e-BIKEをはじめとする電動アシスト自転車の駆動部分となるドライブユニット「e-Kit」周辺の部品を挙げているほか、欧州でのカスタマイズ開発体制や生産体制の強化も打ち出しており、こうした部品をはじめ、開発や生産などに関わる分野がM&Aの対象となりそう。
このほかにも世界最高性能ドライブユニットの開発に経営資源を集中し、完成車は国内に絞り、海外はドライブユニットの販売に力を入れる方針も打ち出しており、こうした取り組みで2025年から2027年までの3年間は年平均15%のSPV事業の成長を目指す計画だ。
クロスボーダーM&Aも
電動アシスト自転車は、人がペダルをこぐ力をモーターが補助(アシスト)する自転車で、ヤマハ発動機が世界で最初に製品化した。
通勤や通学、買い物、レジャーなどの用途で普及が進んでおり、最近はスポーツタイプでも人気が高まっている。
海外ではドイツやオランダを中心とした欧州市場で、電動アシスト自転車用ドライブユニットの需要が増加しており、ヤマハ発動機は2024年に欧州でドライブユニットの生産を始めた。
ヤマハ発動機が2010年以降の適時開示したM&Aは2014年の「日立ハイテクノロジーズのチップマウンターの事業譲受」、2019年の「ヤマハ発動機、半導体ボンダーの新川、電子部品組立装置のアピックヤマダの事業統合」の2件にとどまる。
久しぶりとなる電動アシスト自転車でのM&Aの第一弾は、欧州での需要拡大への対応を目的としたクロスボーダーになる可能性もありそうだ。
文:M&A Online記者 松本亮一
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