買い期に入ったか「すき家」「はま寿司」のゼンショーが今年2社目を買収

牛丼チェーン「すき家」や回転ずしチェーン「はま寿司」などを展開するゼンショーホールディングス<7550>による外食企業の買収が加速してきた。

4月にハンバーガーチェーンのロッテリアを子会社化したのに続き、5月にはドイツの持ち帰りずし店や回転ずし店を運営するSushi Circle Gastronomie GmbHを子会社化した。

同社は2000年以降の10年ほどの間にココスジャパン (ファミリーレストラン)、ぎゅあん (肉の専門レストラン)、ビッグボーイジャパン (ファミリーレストラン)、ジョリーパスタ(パスタ専門店)、華屋与兵衛 (和食レストラン)、なか卯( 和風ファストフード)を相次いで買収。

その後、2018年に米Advanced Fresh Concepts (持ち帰りずし)を8年ぶりに買収したあと、2023年のロッテリアまで5年ほどM&Aが途切れていた。それがここにきて2カ月の間に2社の子会社化に踏み切ったのだ。

コロナ禍後を見据えた積極策に転じたのであれば、2000年代の業容拡大期が再び訪れることになりそうだ。

次のM&Aは海外か

ゼンショーが5月に子会社化したSushi Circleは、ドイツで221店の持ち帰りずし店と、7店の回転ずしレストランを展開している(2022年12月31日時点)。

ゼンショーが食材調達や物流、店舗運営機能などの面で支援することで、Sushi Circleの事業拡大が可能と判断したという。

2018年に買収した米国のAdvanced Fresh Conceptsも、持ち帰りずし店を主にフランチャイズ(FC)で展開しており、店舗数は米国で約3700店、カナダ、オーストラリアを合わせると4000店を超える。

外食業界では、日本よりも早く日常を取り戻した海外の売り上げ比率が高い企業の業績が好調に推移している。ゼンショーの海外比率は20%ほどで、まだまだ開拓の余地はある。

「世界から飢餓と貧困を撲滅する」という企業理念を掲げる同社の次のM&Aの対象は、海外企業である可能性は低くはなさそうだ。

買い期に入ったか「すき家」「はま寿司」のゼンショーが今年2社目を買収
ゼンショーの外食企業の主なM&A

新規出店が業績を押し上げ

ゼンショーは2024年3月期に726店を新たに出店する計画で、このうち国内が127店なのに対し、海外は599店(構成比82.5%)に達する。2023年3月期は新規出店数444店のうち、国内は80店で、海外は364店(同81.9%)だった。

海外の出店数は一気に200店以上増え、構成比も0.6ポイント高まるなど一段と海外重視の姿勢を強めていることが分かる。

こうした取り組みの結果、2024年3月期は2ケタの増収増益を見込む。売上高は8984億6600万円で、前年度よりも15.2%増加する。既存店の伸びは8.3%のため、新規出店が業績を大きく押し上げていることが分かる。これに伴って営業利益も400億9000万円に達し、84.5%の高い伸びを予想している。

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文:M&A Online

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