
1.毛の色、柄はどう決まる?
猫の毛柄を決める主な遺伝子は9種類あるといわれています。
たとえば、B(黒色系)やO(オレンジ色・茶色系)など基本的な毛色を決める型と、S(白いまだら)やT(縞模様)といったように模様を決める型があり、これらの組み合わせで色や柄が個体によって異なってきます。
遺伝子は、親からそれぞれ半分ずつ受け継がれますが、組み合わせは多数あります。
2.性格も遺伝するの?

猫の性格については、生育環境や猫の両親の性格など、複数の要因によって決まると考えられています。その要素の一つが遺伝です。
フィンランドの大学が行った調査研究では、猫の性格については、活発さや攻撃性、人懐っこさなど、大きく7つの特徴に分類できると分析しています。
さらに、ロシアンブルーは最も怖がりで、ベンガルは最も活発、といったように、猫の種類によって性格の傾向に差があることも判明。
こうした行動と性格の違いは「遺伝的な背景に基づくものである」と研究チームは結論づけています。
3. 病気のなりやすさも受け継ぐ?

見た目や性格だけでなく、かかりやすい病気も遺伝するケースがあります。特に純血種では、以下のような遺伝性疾患が知られています。
- ラグドール、メインクーン:肥大型心筋症(心臓の壁が厚くなって、体に血液が送られにくくなる)
- ペルシャ、アメリカンショートヘア:多発性嚢胞腎(腎臓に多数の嚢胞ができて、腎臓の機能が落ちる)
- スコティッシュフォールド、マンチカン:骨軟骨異形成症(骨や軟骨の形成に異常が起きる)
一方で、雑種は遺伝子が多様化するため、特定の遺伝子疾患のリスクは比較的低いといわれています。
ただし、どんな猫でも病気は起こりうるため、健康管理は怠らないよう注意が必要です。
まとめ

猫の見た目や性格などは、親からの遺伝が深く関わっているとされています。しかし、それだけで“その子らしさ”を語ることはできないでしょう。
子猫時代にどんなことを経験したのか、どんなふうに人や他の猫と接してきたのか――。そうした要素が、遺伝と組み合わさって、唯一無二の個性を育てていくのです。
そういったことに思いをはせながら、日ごろの何気ない仕草やくせに目を向けてみると、猫との時間がもっと楽しく、愛おしいものになっていくのではないでしょうか。