小関裕太が積み上げた10年間「ワクワクすることを誰かと共有していきたい」
小関裕太 (撮影/稲澤朝博)

小関裕太の周りには笑顔が溢れていた。この日の撮影では、カメラマンが編集をモデルにテスト撮影したパソコンの画像を見て、「ポージングすごく素敵ですね! モデルみたいじゃないですか」と盛り上げ、現場が一気に和やかに。楽しみながら撮影に挑んでくれる姿にスタッフ一同ほっこり。10年前に発売されたファースト写真集の頃から変わらないのは、ワクワクすることを大切にすることだという。19歳からの軌跡を一冊にまとめたアーカイブブック『Y』(ワニブックス)でもワクワクを追求し続ける彼の表情が詰まっている。



写真はテーマの役になりきって撮っていました

小関裕太が積み上げた10年間「ワクワクすることを誰かと共有していきたい」

――まずは今回の『Y』を制作するにあたっての想いを聞かせて下さい。



この本は、2014年から2024年までの『プラスアクト』でこれまで掲載してきたインタビューと写真を再構成したページに新たな撮りおろしとインタビューを加えた一冊です。「プラスアクト」さんから「この10年間のお写真とインタビューを1つの本にまとめてみませんか?」と、提案して下さって実現しました。19歳の頃から登場して、約10年なんですが30歳を迎える節目の年にこうやってアーカイブブックを出すことができてとても光栄です。



――様々な思いが詰まっていると思いますが、ご自身がアイデアを出した部分は?



何より僕の思い入れが強かったのが、座談会の部分です。ワニブックスさん制作でファースト写真集を出しているんですけど。この10年間のアーカイブを語るため、当時ご一緒したメイクさん、衣装さん、カメラマンさん、編集さん、当時のマネージャーさんと座談会をどうしてもやりたいと提案して、それを叶えてもらいました。ファースト写真集の時は、大分へ日本一綺麗な夕日を見に行く旅をしたんですよね。



その時、僕は当時10代でお酒が飲めなかったんです。スタッフさんたちがカボスを絞って、カボスのお酒を飲んでいたのがめちゃくちゃ羨ましくて。飲むたびにどんどんカボスが増えていく様子を眺めていいなぁって(笑)。今回、10年前にできなかった「カボスのハイボールでお飲み合いながら座談会をしたいです」ということを叶えてもらって、楽しかったです。



小関裕太が積み上げた10年間「ワクワクすることを誰かと共有していきたい」

©︎小関裕太『Y』ワニブックス刊

――これまでのグラビアは、自然体な表情からドラマティックな表情だったり、色っぽい表情だったり、いろんな表情が詰まっていますけども、お気に入りの1枚は?



金髪で撮ったグラビアがお気に入りです。「プラスアクト」はテーマがあって、そのシチュエーションに合わせて演じる感覚で撮影するので楽しいんですよ。毎回、「今回はどういうシチュエーションなんだろう」って楽しみなんですけど、この金髪の時は「春待つ僕ら」(2018年12月公開)という映画の撮影が終わった直後で。髪が長い役だったので、地毛も伸ばしてエクステを付けていて、結構長い髪の時期だったんですよね。



この翌日に次の作品のために髪を黒くしなきゃいけなくて、金髪ラストデーだったっていう奇跡もあって、「金髪を収めよう」って言っていましたね。ちょっとロックな雰囲気の黒の衣裳を着て、サングラスをしたり外したりして撮って。普段の自分にはない一面を写真の中で見つけることができたなって思ったので、今振り返っても新鮮に感じます。



小関裕太が積み上げた10年間「ワクワクすることを誰かと共有していきたい」

©︎小関裕太『Y』ワニブックス刊

――毎回、テーマの役になりきる感じなんですね。



そうですね。衣裳もスタイリストさんにそのテーマに合うものを探していただいて、現場では衣装がバーッと並べられてる中でどれがいいか、チョイスしています。金髪の時は、ちょっと悪党っぽいイメージで追われている雰囲気を出してみようかっていうオーダーを編集さんからいただいて。そういう役もあまり経験したことが当時はなかったので、楽しかったです。



20代と30代でチョイスすることは大きく変わるんじゃないかな

小関裕太が積み上げた10年間「ワクワクすることを誰かと共有していきたい」

――今回の『Y』のための撮り下ろしは、どんなものになりましたか。



“30歳”っていうのは、1つのキーワードになっていますし、今までのアーカイブと未来っていうテーマを同時に表現したかったので、ちょっと無機質な、ありのままの自分みたいなことを意識しました。過去も未来も感じられるような写真になったと思います。スタジオでのモノクロ撮影は、ただそこに存在する自分に焦点を当ててもらいました。2テーマあって、もうひとつは伊豆大島でロケ撮影したものになります。



小関裕太が積み上げた10年間「ワクワクすることを誰かと共有していきたい」

©︎小関裕太『Y』ワニブックス刊

――伊豆大島ロケのお写真は、圧巻の自然と向き合う姿から等身大の姿まで、いろいろな表情が切り取られていますね。伊豆大島での思い出は?



編集の方がめちゃくちゃグルメなので、ご飯のチョイスがもう間違いないんですよ。食も撮影の楽しみでした。旅のしおりがあって、必ずしっかりご飯の時間が確保されていて、それを結構楽しみにしていました。鮮度が高い海鮮だったり、地元の方が行くような定食屋さんの天ぷらが美味しかったです。お寿司も美味しかったな~。



――砂漠の光景での1枚は、とてもドラマティックな表情で素敵です。



裏砂漠って言われている黒い砂漠の地帯が、ものすごく幻想的でした。ドローンを駆使しつつ、高い位置からの撮影もしたんです。10年前のファースト写真集の時と同じカメラマンさんに撮っていただいたのですが、10年前には持っていなかったドローン免許を習得されていて。ドローンを駆使したおかげで撮れた引きの画が素晴らしかったです。ロケーションが幻想的で、ちょっと現実離れしていて。地球じゃない他の星に来たような感覚になるくらい、一日中ずっと黒くて不思議な体験だったなぁ。



小関裕太が積み上げた10年間「ワクワクすることを誰かと共有していきたい」

©︎小関裕太『Y』ワニブックス刊
小関裕太が積み上げた10年間「ワクワクすることを誰かと共有していきたい」

©︎小関裕太『Y』ワニブックス刊

――10年間の過去のインタビューも掲載されていますが、改めて読み返されて、「あの頃はこんなことを思っていたんだな」と思ったことはありましたか。



20歳の頃のインタビューを読むと、自分の記憶の中にある思い出と全然変わってないんです。美化されてないし、結構まんまなんだなっていう驚きがありました。ただ佐藤健さんから現場でこういうこと言われたっていうことを結構、バンバン語っていて。健さんに言われて嬉しかったので、事細かに何でも誌面で話しちゃっていたんだなって、ちょっと恥ずかしくなりました(笑)。



――この10年、俳優という仕事をされていて大切にしてるものや、考え方、これだけはブレたくない軸みたいなものがあれば、お伺いしたいです。



10代の頃から振り返ってみるとワクワクすることを追いかけるという姿勢は、変わってない気がします。もちろん大変なことはたくさんあったし、ワクワクできるような楽しいことばかりではないんですけど、自分が進んできた道は、間違ってはいなかったなって思います。これからは30代。多分、20代でチョイスしていくことと30代にチョイスすることは、大きく変わるんじゃないかな。根底にあるのは、その時その時にワクワクしていることを誰かと共有して共感することが、自分の原動力になるのは変わらないと思います。



できなかったことが悔しいと思うのは、もっと頑張りたいから

小関裕太が積み上げた10年間「ワクワクすることを誰かと共有していきたい」

――10年振り返って今思えば、ここがターニングポイントだったと思う作品や出来事がありましたら、教えていただけますか。



作品ひとつひとつに思い入れがあって、これはやらなきゃ良かったなと思う作品が全くないんですよね。ターニングポイントになった作品を1つあげるのであれば、2008年の「FROGS」です。岸谷五朗さんが演出して下さった初の主演舞台はターニングポイントだったなと思います。ダンスも歌もあって、当時の僕は、ダンスはストリート系しか経験がなかったので、ダンスに苦手意識がありました。上手くいかないこともたくさんあり、頭では分かっているのに体がついてこない。座長としても頑張らないといけないって肩肘を張っていた時期でした。結構、頑張っちゃっていた時期で、苦しかったんですけど、その時に悔しい想いをいっぱいして。僕は俳優をやらない方がいいかもとまで思ったくらい。



でも、様々なお仕事をしている中で「お芝居ができなかったことがこれだけ悔しいっていうことは、自分にとってお芝居は大切なもので、もう少し頑張りたい自分がいるのかもしれない、もっと深く集中してやってみよう」と思えたことがターニングポイントでした。



――ワクワクできることが原動力という小関さん。今1番やっていてワクワクすることはどんなことですか?



今は部屋の片付けですかね。断捨離ではなく、簡単に言うと物の片づけ、整理なんですけど。あとは自分は一体何がやりたいんだろうっていうことを精査してっていう時間が結構好きです。



小関裕太が積み上げた10年間「ワクワクすることを誰かと共有していきたい」

――心もスッキリ整理されそうですね。



そうなんですよ。好きなものの好きポイントにフォーカスすることで、集中して、そこに向かえるかなって思います。心の整理にも役に立っているのかもしれないです。



――いつも穏やかで落ち着いていらっしゃいますもんね。



いやいや、悔しいことも色々あります。いろんな締め切りや期限に追われながら柔軟にやっていますけど、どんどんやらなければいけないタスクが増えてしまって。手を抜くのではなく、いろいろ選択したり、精査や整理したりすることは必要だなと。ちゃんと鋭く生きたいなって思います。



――具体的にはどう精査するんでしょうか?



単純にマルチタスクを箇条書きにしてまとめて、その日のTODOリストにします。それを1つ1つやり遂げていくんですけど、それだと24時間じゃできないので、ちゃんと余白も含めるようにしていますね。



自分の考え方を一度疑ってみるのも面白いかもしれない

小関裕太が積み上げた10年間「ワクワクすることを誰かと共有していきたい」

――ちなみに心がときめく瞬間って小関さんがお好きな旅もそのひとつだと思うんですが、小関さん流の旅を楽しむコツはありますか。



失敗を恐れないことで楽しむことですかね。僕は初めての1人海外旅行で失敗というか、ハプニングが多発したんですよ(笑)。ニューヨークに行ったんですが、乗る予定の飛行機で火災が起きて。とりあえず飛行機が動くことになったので、最後の方に並ぼうと思って座っていたら、結局1番後ろになっちゃって。羽田発の夕方の便だったのに成田に移動して、最終便で向かいました。直通便ではなく、ロサンゼルス経由でニューヨークに向かうことになるハプニングが発生して。トランジットが初めてだったし、乗り過ごしたくないと思って3時間前からずっとベンチに座って動かなかった。ロスの最終便をチェックしていたんですが、ちょっと詳細な番号は適当になっちゃうんですけど、663のはずが660で、便名が違ったので、めっちゃ焦りました!



――乗る便を勘違いしていたんですね、それはめちゃくちゃ焦ります!



ニューヨークについたら、先に到着した僕の荷物がポツンとあって。なんとかキャンセル待ちで乗ったのが僕の初めての海外一人旅です。もう笑い話ですよね。そういう失敗もまるごと楽しめられるようになったら、もうなんでも楽しめます。



小関裕太が積み上げた10年間「ワクワクすることを誰かと共有していきたい」

小関裕太が積み上げた10年間「ワクワクすることを誰かと共有していきたい」

――確かに。イライラせずに楽しめるメンタル、素晴らしいです。



仕事場ではちょっと難しいですけどね。やっぱ完璧でありたいですし。でも、1人旅なら失敗しても迷惑はかからないし、楽しむしかない精神で楽しむ!!(笑)。



――なるほど。インタビューでは、昔は人に好かれたい人っていう気持ちが強かったと語っていましたけど、今は自然体で何事も楽しめているんですね。



確かに人から好かれたくて気を遣ってしまう時期がありましたけど、それはそれで良かったなと思うんですよね。あの時期があったから、人の気持ちが分かるようになったので。でも、自分が優しさと思っていることが人にとっても本当に優しさなのかっていうことは考えますね。果たして自分が正解だと思っていることが正解なのか。十人十色で、全員が同じ考えじゃないことが多いので、自分の考え方を1度疑ってみるっていうのも面白いんじゃないかなって思います。自分だったら選ばないだろうなって思う道をあえて選んでみたり、今までのパターンを壊したりっていう挑戦をしてみるのも、新しい自分が見えていいなと思います。やってみて、向き不向きが分かればいいので、1回失敗してみる、食わず嫌いをなくしてみるっていうのは、ぜひ挑戦してみてほしいなと思います。トライ&エラーで一緒に頑張りましょうね。



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撮影/稲澤朝博、取材・文/福田恵子
ヘアメイク/堀川知佳
スタイリスト/吉本知嗣




小関裕太 アーカイブブック『Y』
7月10日(木) 発売



小関裕太が積み上げた10年間「ワクワクすることを誰かと共有していきたい」

©︎小関裕太『Y』ワニブックス刊

https://www.wani.co.jp/special/koseki-y/



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