パルコ・プロデュース2024『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド ~虚空に触れて~』が10月8日、東京・PARCO劇場で開幕。主演を務める正門良規(Aぇ! group)をはじめ、共演する古川琴音、田中亨、浅利陽介、演出のトム・モリスが取材に応じ、本作にかける思いを語った。
原作は本作の主人公である登山家、ジョー・シンプソン本人が1988年に執筆した小説『Touching the Void』(邦題『死のクレバス』)。若き登山家ペアがアンデス山脈にある標高約6400メートルのシウラ・グランデ山に登頂した際、実際に経験した遭難事故をもとに、大自然と対峙する人間の生きる力をあぶり出す傑作舞台が、日本人キャストによる日本語上演で初演を果たす。
主人公のジョーを演じる正門にとっては、2年ぶりの舞台主演で、海外演出家との初タッグが実現。「ついに初日が来たなと、ワクワクドキドキしている。感動とエネルギーが詰まっている作品」と声を弾ませ、「小説、映画(03年製作『運命を分けたザイル』)もあり、ファンの多い作品ですが、舞台でやる意義がある作品だと思うので、ぜひ生で感じていただければ。体感してもらって初めて届く感動があると思う」と、演劇だからこその魅力をアピールした。
シウラ・グランデ山をデフォルメした、舞台上のセットを実際に登るシーンもあり「本格的な登山は経験がないので、勉強勉強の日々でしたが、(山岳の)監修をしてくださった先生が、ゲネプロをご覧になって『良かったよ』とすごく興奮したテンションで言ってくださった」と専門家もお墨付き。「そこはクリアできたのかなと、自信を持っている」と胸を張った。
ジョーの姉セーラを演じる古川は「本当は舞台を降りて、客席から見たいと思うシーンがたくさんある」と、観客が雪山の過酷な環境を追体験できる、本作ならではの特殊な演出に感嘆の声。「きっと、皆さんも驚くと思いますし、その空気を早く感じたい。登山がテーマですが、心を震わせ、心に届くメッセージがたくさん詰まっている」と語った。
田中は、ジョーと共にシウラ・グランデに挑んだサイモンを演じ「鬼のように段取りが多いので(笑)、ひとつひとつ慎重に丁寧にやっていきたいし、自分自身も楽しめれば」と抱負をコメント。
『ウォー・ホース~戦火の馬~』の共同演出でも知られるトム・モリスは、「とても身体的な舞台で、ふたり(正門と田中)は中盤で汗だくになっている」と、肉体的にも精神的にも負荷のかかるチャレンジングな演出に言及。「ここにいる4人が、類まれな仕事ぶりを披露し、最高峰の公演が実現できている。私自身もハッピーな時間を過ごしている」と、キャスト陣に全幅の信頼を寄せた。
取材・文・撮影:内田涼
<公演情報>
パルコ・プロデュース2024『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド ~虚空に触れて~』
原作:ジョー・シンプソン
脚色:デイヴィッド・グレッグ
演出:トム・モリス
出演:
正門良規(Aぇ! group) 古川琴音 田中亨 浅利陽介
田口太智 ユーリック永扇 山下真輝
【東京公演】
日程:2024年10月8日(火)~11月4日(月祝)<10/8(火)~11(金)=プレビュー公演>
会場:PARCO劇場
【京都公演】
日程:2024年11月10日(日)~11月17日(日)
会場:京都劇場
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/touchingthevoid/(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2453523&afid=P66)
公式サイト:
https://stage.parco.jp/program/touchingthevoid/