『そのとき、どうする?展 –防災のこれからを見渡す–』7月4日から WOWのディレクションによる体験型展示を通して「防災」や「災害」を見つめなおす
veig《蒸庭》(撮影:Hiroki Tagawa(nando inc.))

いつどこで発生するかは、確実にはわからない自然災害。だが一方で、「防災」や「災害」という言葉を目にしても、どこか遠い出来事のように感じることもある。

あまり考えたくはない災害の存在から目を背けず、その捉え方を見つめ直すことで、今するべきことや考えるべきことが見えてくるのではないか。そんな視点から企画された展覧会が、東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで、7月4日(金)から11月3日(月・祝)まで開催される。

今回の展覧会ディレクターに迎えられたのは、東京、仙台、ロンドンに拠点を置くビジュアルデザインスタジオのWOW。企業の世界観を描くブランド・コンセプト映像や、商業施設や都市空間におけるインスタレーションをはじめとした幅広いデザインワークを行う一方で、オリジナルのアート作品やプロダクトも積極的に制作し、人々の心を躍動させる視覚表現を追求し続けているスタジオだ。

『そのとき、どうする?展 –防災のこれからを見渡す–』7月4日から WOWのディレクションによる体験型展示を通して「防災」や「災害」を見つめなおす

佐竹真紀子《Seaside Seeds》(写真提供:水戸芸術館現代美術センター 撮影:根本 譲)

同展は、そのWOWのディレクションのもと、様々な「問い」を通じて、防災や災害について自分の視点で向き合う体験ができる構成がとられている。そもそも災害とは何かという視点から、これまで日本や地球が経験してきた地震や水害のデータを視覚化したリアルな状況把握の試み、防災意識を見つめ直す体験型のインスタレーション、災害時の通信手段の断絶に対処するための斬新な研究、スピーディーな情報発信を担うプロダクト、災害をきっかけに生まれたプロジェクトまで、様々な展示を通じて、人々が直面してきた自然災害を広く見つめ直すことが可能だ。

また同展では、各地に残る災害に関する言い伝えや、今後の可能性に目を向けた研究、あるいは災害が起きた地域の風土や人々と向き合うことで生まれた美術やデザインのように、災害後に見出された希望のかたちなどにも目を配る。過去から現在、そして未来までをも視野に入れて、災害への向き合い方が示唆されている点でも興味深い。

『そのとき、どうする?展 –防災のこれからを見渡す–』7月4日から WOWのディレクションによる体験型展示を通して「防災」や「災害」を見つめなおす

siro+石川将也《そのとき、そのとき、》

会場にちりばめられた「問い」と作品の鑑賞を通して、来場者が自分自身で防災や災害について考えられる同展は、「そのとき」に対する気持ちの準備と新しい備えを始める機会となるに違いない。



<開催概要>
21_21 DESIGN SIGHT企画展『そのとき、どうする?展 –防災のこれからを見渡す–』



会期:2025年7月4日(金)~11月3日(月・祝)
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
時間:10:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日:火曜(9月23日は開館)
料金:一般1,600円、大学800円、高校500円
公式サイト:
https://www.2121designsight.jp/

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