
2025年9月14日(日)、KAAT神奈川芸術劇場<ホール>にて、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote』が開幕。舞台写真と、作・演出のケラリーノ・サンドロヴィッチ、出演する大倉孝二、咲妃みゆのコメントが到着した。
約6年ぶりにKAATで新作を上演するケラリーノ・サンドロヴィッチが書き下ろしたのは、現実と妄想の区別がつかなくなり荒唐無稽な行動を繰り広げる男の顛末を描いたセルバンテスの小説『ドン・キホーテ』をもとにした冒険奇譚。自らを遍歴の騎士(ドン・キホーテ)と思い込み、世直しの旅に出る初老の郷士。彼のお供をするサンチョ・パンサや、空想上のドルシネア姫といった原作から引き継がれるキャラクターたちと、新たに描かれるドン・キホーテを取り巻く登場人物たちによる群像劇が紡がれる。

撮影:引地信彦
主役のドン・キホーテを演じるのは、劇団「ナイロン100°C」に所属し、KERAの信頼も厚く、数々の舞台・映像作品で存在感を放つ大倉孝二。共演は、咲妃みゆ、矢崎広、須賀健太、さらに土屋佑壱、浅野千鶴といった舞台を中心に活躍する俳優がKERA作品に初参加。そして、山西惇、音尾琢真、安井順平、菅原永二、犬山イヌコ、緒川たまき、高橋惠子、加えて清水葉月、武谷公雄と、これまでKERA作品を確かな演技力と存在感で体現してきた顔ぶれが集結した。また、王下貴司、遠山悠介が豊かな身体表現で作品を彩る。

撮影:引地信彦

撮影:引地信彦
<コメント>
■作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
KAATと6年ぶりに共に創作させてもらい、再び妙ちくりんな舞台を上演できることに大きな幸福を感じている。同時に、自分はどうしてこんなモノを必死に創っているのだろうと不思議な気持ちにもなる。こうした作品に全力で取り組んでくれるなんて、なんという素晴らしいスタッフ&キャストだろう。
この8月で、人からお金を頂戴する演劇を始めてから、40年を経た。40年間「場当たりは大嫌い」と言い続けていた私が、今回はなぜか、楽しいのだ。
観客の皆さんが観終えてどんな気持ちになるのか、早く知りたい初日4日前。
ミゲル・デ・セルバンテスが書いた『ドン・キホーテ』の、これが人類最後のリメイク。大倉孝二はドン・キホーテの扮装がとても良く似合っています。ぜひに。
■ドン・キホーテ(ヘンリー・クリンクル)役:大倉孝二
なんとか初日を迎えましたが、必死です、何の余裕もありません、情け無い話しですが。
稽古中のこともあまり憶えていません、ずっと必死だったのかもしれない。
7週間もの稽古があっという間に思えます。
僕は、自分を遍歴の騎士だと思い込んでいる男を演じています。個人的には、バンドによる全編生演奏はとても見ものだと思います。
必死をアピールし過ぎましたが、やっていることはコメディです、気軽にお越しください。
ただこれが、やたら長いです。
長いってことはお得って思ってもらうわけにはいきませんかね? どうかよろしくお願いします。
■看護婦(ローズ)役 ほか:咲妃みゆ
念願だったKERAさんの世界に初めて飛び込めたわけですから、毎日が新鮮で楽しくて仕方ありません。自分の力量ではKERAさんのビジョンになかなか到達できず頭を抱えることも多々ありますが、悩む時間すらも尊いと感じられるくらい夢中で挑んでいます!
お芝居は勿論のこと場面転換に至るまで、繊細な表現を要する舞台となっております。キャスト・スタッフの総力が結集してこそ完成する作品ですので、私も集中して自分の役割を全うしたいです。
私が演じさせていただく看護婦は心の奥に重く暗いものを抱えながら生きている人物です。遍歴の騎士を名乗るひとりの男性と出逢ったことで、彼女の日常が勢いよく変化する様子を丁寧に表現したいです。本作の見どころのひとつは、大倉さんを筆頭とする変幻自在な俳優さんたちの芝居力だと思います! シリアスとコミカルをこれほど自由に行き来できる方々がいらっしゃるのかと、稽古中から羨望していました。
作中の隅々にKERAさんの拘りが散りばめられているので、何気ない会話のひとつひとつまでお楽しみいただけたら嬉しいです。劇場でお待ちしております!
<公演情報>
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
『最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote』
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:
大倉孝二
咲妃みゆ 山西惇 音尾琢真 矢崎広 須賀健太
清水葉月 土屋佑壱 武谷公雄 浅野千鶴 王下貴司 遠山悠介
安井順平 菅原永二 犬山イヌコ 緒川たまき 高橋惠子
演奏:鈴木光介 向島ゆり子 伏見蛍/細井徳太郎 関根真理 関島岳郎
【神奈川公演】
2025年9月14日(日)~10月4日(土)
会場:神奈川・KAAT神奈川芸術劇場<ホール>
【富山公演】
2025年10月12日(日)・13日(月・祝)
会場:オーバード・ホール 大ホール
【福岡公演】
2025年10月25日(土)・26日(日)
会場:J:COM北九州芸術劇場 中劇場
【大阪公演】
2025年11月1日(土) ~3日(月・祝)
会場:SkyシアターMBS
KAAT神奈川芸術劇場 公演情報ページ:
https://www.kaat.jp/d/don_quixote