Bunkamura Production 2026 ミュージカル『獅子 THE LION-BEAT』が、2026年10月4日(日) から20日(火) まで東京・THEATER MILANO-Za、11月7日(土)・8日(日) に大阪・SkyシアターMBSで上演される。
本作は、日本演劇界の巨匠・寺山修司が、劇団「演劇実験室◉ 天井棧敷」を旗揚げする前の1965年、わずか一度の公演のために書き下ろした幻の戯曲。
物語は、ごく普通の青年が謎の男と契約し、「ことば」を失う代わりに、憧れていたボクサーとしての能力を手に入れるところから始まる。チャンピオンとしての名声を得る一方で、日常や大切な人との関係など、失うものも増えていき……。本作では、ことばを失った青年がボクシングや新たに出会う人々を通して自らの道を模索し、栄光と葛藤の中で何を選び取るのかが描かれる。寺山の生誕90周年という記念すべき年に、1960年代の猥雑な香りを放つミュージカルが、令和の新宿・歌舞伎町で新たな舞台作品として誕生する。
ことばを失った主人公・貞夫役を演じるのは、2024年読売演劇大賞では新人賞にあたる杉村春子賞を受賞した新原泰佑。ボクシングや手話など多彩な表現を駆使し、新境地に挑戦する。新原は「素晴らしいキャストの皆さんと共鳴し合いながら、いい意味で“殴り合い”のようなものができたらいいのかなと思っています」と高揚感を滲ませた。
貞夫の恋人・弓子役には、俳優デビュー作『赤毛のアン』以来16年ぶりのミュージカルに臨む北香那が決定。「自分の中で何か一歩、ステップアップにつながる予感がしています」と期待を明かし、「観客の皆様の心にちゃんと届く作品を全員で作り上げていきますので、ぜひ見届けていただけたら幸いです」と呼びかけた。
そのほか、貞夫と弓子を取り囲み暗躍する癖ありの男たちにも、個性豊かな顔ぶれが集結。
【あらすじ】
米沢貞夫(新原泰佑)は、印鑑屋で働くごく普通の青年。趣味はテレビのボクシング観戦で、ボクシング選手になることを夢見ていたこともあった。テレビに熱中するあまり恋人の中町弓子(北香那)の存在を忘れてしまうことさえあり、弓子はボクシングを嫌っている。
ある日、不思議な力を持つ中年男・帽子の雨(橋本さとし)が貞夫のもとに訪れ、ある取引を提案する。貞夫の“ことば”と引き換えに特別な能力を与え、ボクシングチャンピオンに生まれ変わらせよう、と。貞夫は動揺しながらも、ボクシングチャンピオンになれるのなら、と契約は成立し、物言えぬボクサー嵐猛夫が誕生する。
木頃(田口トモロヲ)が経営するジムに所属した嵐猛夫は試合の度にKO勝ちを続けるヒーローとなり、環境が一変する。
そこでは強烈なKOパンチの犠牲になるボクサー、そのパンチに魅せられた者たちが集まってくるが“ことば”を失った猛夫は自分の心を手話でしか表すことができない。下町のキャバレーのダンサー鷹あけみが猛夫の前に現れ誘惑するが、会うことができなくなった恋人・弓子への思いはより募っていく。
そしてついにヒーロー・猛夫のタイトルマッチがやってくる。魔力でチャンピオンを仕立て上げようと機を伺う帽子の雨と観客たちの歓声の中、あけみが、ある告白をする。リングに立った猛夫は……。
<公演情報>
Bunkamura Production 2026
ミュージカル『獅子 THE LION-BEAT』
作:寺山修司
演出:杉原邦生
音楽:☆Taku Takahashi[m-flo]
潤色:桑原裕子
振付:北尾亘
出演:
新原泰佑 北香那 田中俊介 勝矢 さとうこうじ 岡田義徳 田口トモロヲ 橋本さとし
西田健二 希良々うみ 加藤翔多郎 片桐美穂 髙澤礁太 佐藤匠 朝丘小百合 矢崎諒
植村理乃 加瀬友音 桑原あみ 渡来美友 藤井颯 渡邊気
【東京公演】
2026年10月4日(日)~20日(火)
会場:THEATER MILANO-Za
【大阪公演】
2026年11月7日(土)・8日(日)
会場:SkyシアターMBS
公式サイト:
https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shishithelionbeat.html
ミュージカル『獅子 THE LION-BEAT』スタッフ&出演者 コメント全文
■杉原邦生
今回の企画のお話をいただいたとき、「1965年11月29日 新宿コマ・スタジアム(後の新宿コマ劇場)でたった一日だけ上演された寺山修司作の幻のミュージカル」と聞き、演劇人として興奮せずにはいられませんでした。
ミュージカル『獅子 THE LION-BEAT』は、ゲーテ『ファウスト』のパロディを下敷きに、寺山作品のエッセンスがエネルギッシュに絡みあう祝祭ミュージカルです。〈祭り〉とくれば、待ってました、僕の出番です(笑)!
ミュージカル初挑戦となる音楽の☆Taku Takahashi[m-flo]さん、主演の新原泰佑さん、ヒロインの北香那さんをはじめ、素晴らしいスタッフ・キャストの皆さんと共に、新宿歌舞伎町のど真ん中、THEATER MILANO-Zaで大暴れします。
これはもう、心も身体も踊り出す鮮烈な<事件>です。どうぞお見逃しなく!
■新原泰佑
最初にお話をいただいた時に「幻の作品です」と聞いて、僕の知らない寺山修司作品に出会える!とワクワクしました。紡ぐ言葉はこんなにも生々しくて傷だらけで重いのに、爽快感がある、そのギャップが寺山修司作品ならではだと思っているので、その世界の一員になれることを光栄に思います。
演出の杉原邦生さんとは今回初めてご一緒させていただきます。
誰かそばにいてほしい人に届けたい、愛の詰まった作品です。ぜひ劇場に足を運んでいただけたらうれしいです。
■北香那
私はデビューがミュージカルの舞台でしたので、今回は16年ぶりのミュージカルへの挑戦です。自分の中で何か一歩、ステップアップにつながる予感がしています。
寺山修司作品には、美しさと不穏、ロマンと狂気が同居している感覚があって、現実と空想のあいだを行き来するようなイメージがあります。演出の杉原さんは、穏やかで優しい方だなというのが初めてお会いしたときの印象でしたが、演出作を拝見すると、その寺山作品のイメージにリンクする世界観を感じました。そんな杉原さんの演出で、寺山作品を経験できることがとても楽しみです。
新原さんとお芝居させていただくのも初めてなので、お互いに助け合っていけたらと思いますし、ベテランの方々とご一緒させていただくので、きっと学びの多い時間になると思います。観客の皆様の心にちゃんと届く作品を全員で作り上げていきますので、ぜひ見届けていただけたら幸いです。
■田中俊介
演出の杉原邦生さんとは2年前、木ノ下歌舞伎『三人吉三廓初買』という作品で初めてご一緒させていただきました。
歌舞伎の次はミュージカル。チャレンジングな作品が続きますが、再び邦生さんと一緒にモノづくりが出来ることが何より楽しみでなりません。今回僕が演じさせていただくのは、主人公に疑念を抱き正体を暴こうと暗躍する五味卓也というスポーツ記者。寺山修司さんの原作に描かれている五味が持ついやらしさを軸に、稽古場での共演者の皆さんとの対話から生まれるものを大切に、丁寧に作り上げていけたらなと思っております。
精いっぱい取り組ませていただきます。よろしくお願いします。
■岡田義徳
以前ご一緒した杉原さんと再び作品づくりができることがうれしいです。初めてのミュージカルということで不安もありますが、寺山修司の“価値観をぶっ壊してくれる”世界観と、古き良きを尊重しながら新しさを再構築する杉原さんの演出が融合することに大きな魅力を感じています。そして、共演者の多くが初めての方で、芝居や音楽でどんな化学反応が起こるのか楽しみで仕方ないです。作品は間違いなく、楽しくも心のどこかを突いてくる作品になると思いますので、ぜひ劇場にお越しいただき、体感してほしいです!
■勝矢
この作品が決まったときは、今のこの時代に寺山修司の作品で今までにないしかもミュージカルなんだこれは! 出演ってことに何か意味があるんじゃないだろうかと頭がぐるぐるしましたが、面白いしか頭に浮かびませんでした。
演出の杉原さんはとっても爽やかな方で初めましてですが、一緒に寺山の世界の旅に出るのに面白くなりそうだなぁと直感しました。
共演者の方々もまぁこんなに個性派を揃えましたね~今から稽古が楽しみで仕方ないです。
この本を初めて読んだときに、すごく立体的な本だなとこの立体感のあるものを、舞台上でどう表現していくのか、興奮しますね。今から楽しみで仕方ないです。皆さんもお見逃しがないようにしてください。
■さとうこうじ
久々にBunkamuraの作品に呼んでいただき大変うれしく思っています。今までに寺山さんの作品が原作の舞台に何本か出たことがあります。寺山さんの、日常と演劇の境目を無くそうとする試みが、とても魅力的です。今回初めて共演させていただく方ばかりなので、とても楽しみです。寺山さんの作品には、元々歌や踊りがたくさん盛り込まれています。
それが現在の曲や踊りで蘇るのは、貴重なことだと思います。どうぞ皆さん、見に来て下さいませ。
■田口トモロヲ
寺山修司さんと唐十郎さんは、僕の世代にとってアングラレジェンドの二大巨頭です。
僕は、ミュージカルと名のつく作品に初めて参加するので、きっと現場でおののき、それを自分がどう受け止めていくのかも楽しみで。ほかの方のパフォーマンスを直に見られることも刺激のひとつ。ゼロから、白い状態から臨もうと思っているので、多くの刺激を受けて立ち上がっていけたらと思っています。
■橋本さとし
暴力的で、猥雑で、じめっと湿っている、まさに昭和のザ・アンダーグラウンドな世界観を今回の台本に感じました。演劇人として一度は通ってみたい寺山修司さんの作品に、やっと参加できる喜びがあります。僕が演じる“帽子の雨”はゲーテの『ファウスト』に出てくるメフィストのような、悪魔のようで人間味もあり、でもどこか空虚な魂の塊のような、浮遊感のある役柄です。これまで出会ったことのないキャラクターで、自分にとって異色であり、念願の挑戦ですね。この作品に出会えてよかったと思える舞台にして、お客様にも、自分の中にも刻んでいければと思っています。
混沌とした時代のエネルギー感やウェットな雰囲気も感じていただきたいし、その湿り気の中にはキラッと光る純粋な愛もあります。昭和のアンダーグラウンド四天王のひとり、寺山修司さんの作品を、この令和の時代にぜひ楽しんでください。

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