tetsuya(L’Arc-en-Ciel/Ba)が率いるL'Arc-en-Cielのトリビュートバンド、Like-an-Angelがデビューシングル「Angel beside yoU」に続く2ndシングル「Crash to Rise」をリリースする。ここでは、彼らの最新曲のミュージックビデオの撮影現場のレポートと合わせて、メンバーが語ってくれた新曲についてのコメント、tetsuyaのインタビューを合わせてお届けする。
スタジオに広がる近未来都市、圧巻の異世界で撮影がスタート
今年は初の完全オリジナル楽曲となる「Angel beside yoU」をリリースして以降、ワンマンライヴ以外にインドネシアのジャカルタで開催された野外音楽フェスに出演し、TETSUYAの<TETSUYA BIRTHDAY CELEBRATION>ではTETSUYA & The Juice-Bananasと対バンするなど、活動の幅をどんどん広げていったLike-an-Angel。そのライクが、ニューシングル「Crash to Rise」(jekyll作詞/saki,tetsuya作曲)リリースに先駆け、ミュージックビデオの撮影を行なった。
当日は、tetsuya(Ba)、jekyll(Vo)、reno(Gt)、saki(Gt)、hibiki(Dr)のメンバー5人が撮影場所に集結。「みんなが集まれる日が今日しかなくて。ロケだと天気に左右されるから」(tetsuya)ということもあり、場所は都内某所にあるスタジオに決定。撮影準備が整ったスタジオに入ると、目の前には近未来都市が広がる仮想空間が現れ、まるで映画のなかにいるような圧巻の異世界が広がっていて唖然とする。
今回のMV撮影のキモは、このスタジオの天井と180度を囲むようにセッティングされた巨大LEDパネルだ。このパネルには、事前に作成、加工された様々な3Dデジタル映像が投影され、その前にライクのメンバーが立ち、全員とソロで演奏シーンを撮っていくというのが、この日の撮影の流れとなっている。「NHKの大河ドラマ観てます? 時代劇の合戦シーンとかも、これで背景を作って、その前で役者さんが演じてるのを撮影してるんですよ」(tetsuya)。従来のように、グリーンバックで人の動きや演技を撮影したものを合成して作る映像よりも、こちらのほうが撮影現場の臨場感が生まれ、仕上がった映像も、はるかにリアリティーが増すのだという。「今年EX THEATER ROPPONGIでライヴをやったとき、(メンバーが戦地で戦う)オープニング映像があったでしょ? あれ全部、AIで作ったんですよ」(tetsuya)。今回は生身のメンバーのリアルな動きと、最新技術を駆使した撮影を合わせて、MVを作成していく。
スタジオ内の準備が整ったあとは、hibikiのドラムの演奏シーンから、この日の撮影はスタートした。
「前回はラウドで激しいんだけど聴かせる系の曲だったと思うんですけど、今回はのりやすいキャッチーな楽曲です。前回はドラムはヘヴィにしたんですけど、今回は聞きやすさを意識して叩きました。ファンの人たちにはシンガロングパート、ガンガン歌って欲しいですね。それでライヴの一体感を出せたらと。こういう歌う系の曲を2曲目に出せたということで、ライクの幅も広がったと思います。しかも、この曲はフェスとかにすごく向いてると思うんですよ。来年は、ライクで日本のフェスとかにも出てみたいです」(hibiki)
「tetsuyaさんはいつもこちらの想像を越えてくる」
このあとはメンバー5人で、バンドの演奏シーンやイメージカットを撮影していく。メンバーたちもバックに映し出されていく映像を見て、その凄さに思わず声を上げる。
「最初にメロだけ聴いたときは“いいな”と思って。そこからアレンジがどんどんすすんでいくなかで、“楽しくなりそう”って思った曲でした。歌詞を書くときに考えていたのは、人はみんな夢を見ると思うんですけど、それに対して“頑張れ”とエールを送ってくれる人もいれば“そんなのうまくいく訳がない“”無理だ“と否定的なことをいってくる人もいる。だけど、そんなに気にせずにCrashして、夢のために頑張ろう、戦っていこう。困難があってもRISE、上がっていくために頑張ろうというのがこの歌詞で書きたかったことです。僕自身もこういう風に生きたいなという想いも込めて。歌詞のなかに日本語を入れたのは自分の意思でそうしました。なぜか? それは、僕たちが日本のバンドだからです」(jekyll)
「この曲は2回目の曲集めのタイミングで出したものです。それまではラルクのイメージとは違う雰囲気の曲を作ってたんですけど、変に遠ざけるように意識して作らなくてもいいのかなと思って作ったのがこの曲だったんです。renoさんは忙しかったので、自分とjekyllが何曲か曲を書いていて。
「次はみんなで演技して(MVを)撮る? 『地面師たち』みたいなのはどう?」
このあとは、全員での撮影が再開。そのなかで、音が止まると楽器隊は演奏をストップして静止。jekyllだけが動くというシーンの撮影が始まった。英語を話せる監督の演技指導で、手や目線を静かに動かしながら、パフォーマンスをしていくjekyll。それを見て「次はみんなで演技して(MVを)撮る? 映画風に。『地面師たち』みたいなのはどう?」とtetsuyaがいうと「ジャケットもああいう写真を撮ろう」、「綾野剛役はjekyllだね」、「じゃあ豊川悦司役は誰?」とメンバーは大盛り上がり。そんなライクも見てみたい気もする(微笑)。このあと、ご飯タイムをはさんでrenoに今作について話を聞いてみた。
「撮影しているだけで映像の没入感が凄いです。でも、あのパネルに囲まれたなかで演奏してると、めちゃくちゃ暑いんですよ(笑)。近未来が広がっていく雰囲気があって、MVはかなり壮大なものになりそうな気がしますね。今回の「Crash to Rise」はモダンロック。曲調はド頭からキャッチ―で、爽やかで前向きな感じ。今後のライクの未来が開けていく気がしますね。「Angel beside yoU」のギターはタイトな感じで、キメが多かったんでフレーズも細かく作っていったんですけど、今回は全体的にストロークが多め。ライヴで演奏したときに、バンド全体の塊感、勢いは今作のほうがストレートに出るんじゃないかなと思います。「Angel besid yoU」はダークな曲ですけど、「Crash to Rise」は明るい曲なので、ライクの黒と白。そういう側面がこの2曲で出せたんじゃないかな」(reno)
このあとも演奏シーンを何度も撮影していき、最後はこの日のハイライト、tetsuyaの車のシーンへ。撮影で使う自分の車を自走してスタジオ入りしたtetsuya。MV制作スタッフがいろいろ考えを巡らせ、スタジオ内に車を入れるためスロープを設置。
そうして、この車とともにtetsuyaのシューティングを何度か繰り返したあとは、再び車をスタジオの外へと移動。スタジオ内から、tetsuya は車をバックさせながらスロープをゆっくりと降下。スタジオの外に車を無事停車させると、スタジオは再び拍手喝采に包まれ、この日の撮影は終了したのだった。
撮影を終えたtetsuyaにインタビュー。
――新曲「Crash to Rise」について教えてください。
tetsuya 2ndはキラキラしたアップテンポのキラーチューンが欲しいなってメンバーにリクエストを出して。sakiさんからこの曲が上がってきて “そうそうこうゆうのが欲しかったってなって、同時に僕の中でいろんなアイディアが湧いてきてメロディーを更に強力に変えたいなって。メロディーは何回か作り直して、仮歌を自分で歌ってブラッシュアップしていきました。サウンド的にももっと今っぽい音にしたいなと思って。
僕はもしかしたら、人の才能を引き出すのが得意なのかもって思いました。このメンバーを集めて、最初はラルクのコピーバンドからスタートして。コピーする上での演奏のテクニック的な部分はみんなクリアしてたけど、そこからオリジナル曲を作って活動していくっていうのは、当初僕は想定していなかったんですね。だから、メンバーがどういう曲を作れるのかとか考えてなかったし、メンバーがやってるバンド、過去にやってたバンドの曲も、僕はそんなに聴いてなかったんですよ。でも、これだけ強力な曲が書けるメンバーがいるというのは、「Crash to Rise」で出せたんじゃないですかね。ルックス、見た目だけで選んでいる訳じゃない。音楽的な才能もあるメンバーなんだよっていうのは。
――jekyllさん、sakiさん、他にも曲を書けるメンバーはいますからね。
tetsuya 作曲できる人にはどんどん書いてもらいたいですね。
――tetsuyaさんは?
tetsuya 僕も書きますよ。もちろん書くけど。いまはまだ早いかな。ラルクのファン心理を考えると「ライクで曲書く暇あるんだったらラルクのアルバム早く出してよ」って思われちゃいますから(笑)、僕はまだ早いかなと思ってます。「Crash to Rise」はsakiさんとの共作なので、これは、ラルクではできないことをやってる訳ですから。
――そうですね。歌詞についてはどう感じましたか?
tetsuya 内容もバンドとして次のフェーズに向かうタイミングにも合ってるなと思いました。このメロディー、譜割に対して、ちゃんと歌詞をはめてきたところは流石だなと思いました。前作はjekyllがメロディーも歌詞も作ったから、そこのスキルは分からなかった。
僕はメロディー、譜割りを細かくキッチリ作り込むタイプなのでそのメロディーを崩さずに歌詞を書いてきたんで、作詞がちゃんとできるのが分かったのがよかったです。
――歌詞に日本語を入れてきたところはどう感じましたか?
tetsuya 僕は全編英詞で考えてたんですけど、日本語がちょっと入ってたんでおしゃれだなと思いました。あれはjekyllのアイディアで入れてきたんですよ。僕が伝えたのは、サビの頭か最後にタイトルになるフレーズがきたらいいよねっていうぐらいです。
――今日いろいろ他のメンバーと話していて、ライク結成以降ライヴを重ねてきて。メンバーのなかで誰よりもラルクの曲を演奏してらっしゃって、一番上手くできるはずのtetsuyaさんが、リハでは率先して「もう1回演ろう」といって演奏を繰り返したり。ライヴ当日は本番直前までずっと楽屋で練習をしてらっしゃることに、みなさん「ストイックすぎる」と驚いてらっしゃったのですが。
tetsuya いやいやいや、全然。ライクのメンバーは本当にね、演奏の技術、スキルがとても高いので、そこと釣り合うためには自分も頑張んないと。そのレベルに釣り合うような努力は一生懸命しないとダメでしょう。それをやらないと、僕は彼らとステージに立てないですよ。それだけ、彼らのレベルは高いですからね。
――tetsuyaさんも、それぐらい刺激を受けているということ。
tetsuya はい。自分もさらにもっと上に行かなきゃって。なんか、本当に高校生の頃にバンドをやりだして、上手い先輩たちと一緒にやることでどんどん自分が上手になっていく。あのときの感覚ですね。やっぱりね、違うんですよ。同じ曲でも一緒に音を出すメンバーが変わると、全然演奏が変わるんです。だって、僕よりも彼らのほうが日々、いっぱいステージに立って演奏してるじゃないですか? 年間ステージに何日立ってるかっていったら、僕よりはるかに彼らのほうが多くステージを経験してますからね。アスリートでいったら、僕がもしサッカー選手だとしたら、たまにしか試合に出てない。だけど、彼らは普段毎週リーグ戦を戦ってる。そういう感覚ですよ。だから、僕は一生懸命練習しないと。
――それは謙遜しすぎなのでは…。
tetsuya いやいやいや。ライクはみんな真面目でストイックですからね。sakiさんとかツアー中、5時に起きてホテルで練習してるって言ってたし、jekyllは全部歌詞を憶えてきて、歌詞を見ずに歌うんですよ。彼ね、日本語の歌詞にローマ字でふりがなをつけたものを自分で作ってファイリングしてて。それを来日するまでに丸暗記してくるんですよ。だから、リハのときから見ないで歌うんです。
――すごい!
tetsuya すごいんですよ。いつも日本に来る前からずっと練習を積み重ねて、完璧な状態で来ますから。向こうで無理しすぎて、日本に来たら体壊すんですよ(笑)。それぐらいストイックに真面目にやってる。日本人よりも几帳面だから、やりやすい。だから、メンバーにはすごい恵まれてて。いいメンバーが集まったなと思ってますよ。ま、僕が集めて始めたんですけどね(笑)。
――ラルクもライクも。本当に人を見る目がある。
tetsuya 勘がいいんですよ。なんかいいなって思う。そういうところがあるんです。僕は。そういう人たちのお陰でね、僕は恵まれてるんですよ。
――と同時に、tetsuyaさんがメンバーを輝かせてくれているところもあると思いますから。
tetsuya 根っからのプロデューサーなんだと思います。もっとこうして、ああしてっていうようなことをいっぱい思いついちゃうんで。だから、メンバーは他のバンドやサポートのお仕事、いろいろやってますけど。多分、僕とやってるこの現場が一番カッコいいんじゃないですかね。彼らは。
――そんなライクは12月21日から2026年1月にかけてツアー<Like-an-Angel「TOUR 2025-2026“Crash to Rise”」>を開催します。
tetsuya みんな忙しいんで、アルバムも本当は作りたいんですけど、レコーディングするのにも時間がかかるし、ツアー日程組むのも本当に大変なんですよ。だから、今回、東京と大阪は組めなかった。隠してるとかじゃなくて、できませんでした。
――今後の展望として考えていることはありますか? hibikiさんは東京ドームに立ちたいとおっしゃっていましたが。
tetsuya 僕ももちろん立ちたいですけど。僕はコツコツ1歩ずつの人なので、その前に日本武道館ですよね。僕は昔からそうなんですけど“大きな夢を持つんじゃなくて、まずは実現可能な、手が届く夢を1個ずつ実現させていく”。そういう考えです。
――なるほど。これがtetsuyaさんの成功への哲学なのですね。renoさんは英詞が歌えるjekyllを生かして、海外を攻めたいとおっしゃっていました。
tetsuya reno君は行ってないけど、我々はもう海外はやってるんで(笑)。
――そのとき、tetsuyaさんから電話をいただいたというお話を聞いたんですが。
tetsuya そうですね。本来なら5人で行きたかったんですけど、reno君はすでにスケジュールが入ってて、4人で行こうと思うんだけどって、出演を決める前にreno君には話しました。このフェスは出たほうがバンドにとってプラスになると思ったから4人で出たんですけど。ライヴの当日、札幌にいたreno君から僕も含め、メンバー全員にLINEがきてました。「頑張ってきてください!」て。
――世界はもちろんtetsuyaさんの視野には入っている訳ですよね。
tetsuya 今作のいまっぽいサウンドというのにも通じるんですけど、世界基準のバンドをやりたいなと思ってます。サウンド、ヴォーカリストの英語のネイティヴな発音も含めて、全部世界基準で作ってます。国籍、性別、年齢が入り混じってて、こんなカッコいいバンド、世界中にいないだろと思ってます。本気で。今、世界で一番カッコいいバンドじゃないかな。
――それを知らしめるためにも、まず国内を制したいですね。
tetsuya バンドがブレイクするときって、1つの塊になって、メンバー、スタッフ、ファンが突き進んでいく感覚があると思うんで、そういう流れを早く作りたいなと思ってますけどね。でも…忙しいんだよなぁ…。本当はもっとやりたいんですけど。2026年は(ラルク)の周年なんでね。そっちも動きますから。
――それでは、本日のMV撮影が終わってみての感想をお願いします。
tetsuya このスタジオは久しぶりに来たんですよ。前にもここで撮ったことがあるんですよ。多分ね、(ラルクの)「花葬」だったと思うな。それ以来だと思うんですけど。多分、いい感じで編集できると思うから、僕も楽しみです。
――最後に、読者に向けて一言メッセージを!
tetsuya 「Crash to Rise」というとてもカッコいい曲とカッコいいミュージックビデオができたので、聴いてもらえたら嬉しいです。
Like-an-Angel「Crash to Rise」-Music Clip-
取材・文/東條祥恵

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