泉鏡花の小説を原作とした舞台『黒百合』が、2026年2月4日に東京・世田谷パブリックシアターで開幕。このたび、演出・キャストによる開幕コメントと舞台写真、トレーラー映像が到着した。
『黒百合』は、富山・神通川流域で繰り返される洪水被害と、立山に伝わる黒百合伝説を背景とした鏡花初期の意欲作。当時文壇で新たに脚光を浴び始めていた冒険小説の潮流にも呼応する作品だ。脚本は、TVドラマ界をはじめ第一線で活躍する藤本有紀が手がけ、演出は、現代劇や翻訳劇はもとより歌舞伎にも挑み、ジャンルを越境し続ける演出家・杉原邦生が担う。
今回初めて鏡花作品を手がける杉原に対し、世田谷パブリックシアターの芸術監督・白井晃は、その確かな構成力と自在な演劇言語をもって、鏡花文学に新たな地平を切り拓いてくれるものと期待を寄せている。鏡花ならではの古典的情緒は、藤本によって現代に息づく戯曲へと再生され、杉原の大胆かつ繊細な演出により立体化される。そこに宮川彬良によるオリジナル音楽が加わることで、欲望と清浄、美と死の二面性を孕んだ物語が、ピカレスクロマンの要素をたたえながら、令和の舞台芸術として新たに立ち上がる。
華族の血を引きながらも、子どもの頃に覚えた盗みの手癖が抜けないという裏の顔を持つ美青年・滝太郎役を木村達成、好奇心旺盛な県知事の令嬢・勇美子役を土居志央梨、盲目の恋人・拓を救うために「黒百合」を探すことになる花売りの娘・雪役を岡本夏美、盲目である自らに尽くす雪に甘えたくない戸惑いと、誰にも言えない秘密を抱える拓(ひらく)役を白石隼也が演じる。そして雪と拓の隣家に住み、若いふたりをいつも優しく気遣う荒物屋の婆さん役に白石加代子が扮する。
演出の杉原は「泉鏡花の言葉と出逢い、演出家として新しい感性が目醒めていくような、同時に、ずっと根っこにあったものが掘り起こされていくような、不思議な感覚で稽古をしてきました。そして公演初日、その両者が渾然一体となって現れた舞台を観て、興奮しました。まさにキャスト・スタッフの総力戦。演劇のエネルギーを十二分に体感していただけるはずです」と手応えをにじませた。
舞台『黒百合』(撮影:細野晋司)
木村は「本当に皆様のお力があって、出来上がった作品のような気がします。すばらしい物語の中に、自分たちの欲望がつまったこの『黒百合』をぜひ劇場でご覧になってください」とコメント。土居は「この物語は若者たちの青春であり成長物語であり、私たち生きものの命を見つめた作品です。世田谷パブリックシアターの最高の空間でお客様とつながって、心と身体を躍動させて、千秋楽まで黒百合の世界を冒険したいと思います!」と力を込めた。
舞台『黒百合』(撮影:細野晋司)
舞台『黒百合』(撮影:細野晋司)
岡本は「雪がひとりの女性として成長していく姿を、皆様に観劇していただくことで、やっと完成する雪、そして『黒百合』。たくさんの方にご観劇いただけることを楽しみにしております!」と期待を寄せ、白石隼也は「今と比べれば、人々に選択の自由を与えられていない少し前のお話。だからこそ、きっとあふれていた彼等のさまざまな渇欲が、舞台上に大きなエネルギーを持って立ち上がりました」と本作の見どころを明かした。
舞台『黒百合』(撮影:細野晋司)
舞台『黒百合』(撮影:細野晋司)
白石加代子は「一夜を終えて感じるのは、言葉が人の身体を借りて生きる、その不思議な力です。客席から届くまなざしや呼吸に支えられ、物語は思いがけない表情を見せてくれました。ここから日々、舞台は変わっていきます。どうぞ劇場で、『黒百合』の夢が咲き続ける瞬間を、最後までお見届けになってください」とコメントを寄せた。
舞台『黒百合』(撮影:細野晋司)
舞台『黒百合』は、2026年2月22日(日) まで同所で上演される。
舞台『黒百合』トレーラー映像
<公演情報>
舞台『黒百合』
原作:泉鏡花
脚本:藤本有紀
演出:杉原邦生
音楽:宮川彬良
出演:
木村達成 土居志央梨 岡本夏美 白石隼也
村岡希美 田中佑弥 新名基浩 猪俣三四郎
内田靖子 鈴木菜々 佐藤俊彦
大西多摩恵 外山誠二 白石加代子
スウィング:
小林宏樹 松本祐華
2026年2月4日(水)~22日(日)
会場:東京・世田谷パブリックシアター
【ポストトーク】
2026年2月10日(火) 登壇:杉原邦生、木村達成、土居志央梨 ほか
2026年2月12日(木) 登壇:木村達成、白石隼也 ほか
2026年2月17日(火) 登壇:杉原邦生、白井晃(世田谷パブリックシアター芸術監督)
2026年2月18日(水) 登壇:木村達成、岡本夏美 ほか
【鑑賞サポート】
聴覚障がい者向け字幕タブレット貸出:2026年2月14日(土) 13:00/2月17日(火) 18:00
視覚障がい者のための音声ガイド&舞台説明会:2月15日(日) 13:00
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/kuroyuri/(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2564028&afid=P66)
舞台『黒百合』演出・キャストコメント
■演出:杉原邦生
泉鏡花の言葉と出逢い、演出家として新しい感性が目醒めていくような、同時に、ずっと根っこにあったものが掘り起こされていくような、不思議な感覚で稽古をしてきました。そして公演初日、その両者が渾然一体となって現れた舞台を観て、興奮しました。まさにキャスト・スタッフの総力戦。演劇のエネルギーを十二分に体感していただけるはずです。ぜひ劇場にお越しください。ご来場をお待ちしております!
■千破矢滝太郎役:木村達成
ようやく初日を迎えることができました。
本当に皆様のお力があって、出来上がった作品のような気がします。
すばらしい物語の中に、自分たちの欲望がつまったこの『黒百合』をぜひ劇場でご覧になってください。
自分にとって大切なモノがみつかるかもしれませんよ。
■勇美子役:土居志央梨
この物語は若者たちの青春であり成長物語であり、私たち生きものの命を見つめた作品です。
世田谷パブリックシアターの最高の空間でお客様とつながって、心と身体を躍動させて、千秋楽まで黒百合の世界を冒険したいと思います!
■雪役:岡本夏美
私が雪という役に出逢えたのは、雪が黒百合をとりにいく運命のように、導かれたもののような気がします。
雪がひとりの女性として成長していく姿を、皆様に観劇していただくことで、やっと完成する雪、そして『黒百合』。
たくさんの方にご観劇いただけることを楽しみにしております!
雪と共に“黒百合”を探しに、人生を冒険しましょう!
■若山拓役:白石隼也
今と比べれば、人々に選択の自由を与えられていない少し前のお話。
世田谷パブリックシアターでお待ちしております!
■荒物屋の婆さん役:白石加代子
初日の幕が開き、鏡花の物語が舞台の上で静かに息を始めました。一夜を終えて感じるのは、言葉が人の身体を借りて生きる、その不思議な力です。客席から届くまなざしや呼吸に支えられ、物語は思いがけない表情を見せてくれました。ここから日々、舞台は変わっていきます。どうぞ劇場で、『黒百合』の夢が咲き続ける瞬間を、最後までお見届けになってください。
関連リンク
公式サイト:
https://setagaya-pt.jp/stage/25221/

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