こまつ座第158回公演『花よりタンゴ』が、2026年5月12日に東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで開幕。このたび、舞台写真とコメントが到着した。
こまつ座では22年ぶりの上演となる本作は、戦後の銀座を舞台に、ダンスホールを経営する元男爵家の四姉妹と、その男爵家の元使用人で闇成金になった男──。価値観も立場も一変した女と男たちの人間模様を、井上ひさしが笑いとタンゴのリズムに乗せておくる物語。唄や踊りが随所に飛び出すダンスホールという舞台設定や、『若草物語』を連想させる4人姉妹を中心とした魅力的な登場人物、そして浅草喜劇を彷彿とさせるシチュエーションギャグなど、舞台ならではの魅力がふんだんに盛り込まれている。今回の上演では栗山民也が演出を手がけ、高橋克実、朝海ひかる、南沢奈央、大原櫻子、平体まひろ、尾上寛之、枝元萌、朴勝哲、大田真喜乃が出演する。
本作について栗山は、「じつにめちゃくちゃバカバカしく、めちゃくちゃシリアスにその世界は変転を繰り返します。価値観の見えない時代のリズムは狂い続け、その全体がけたたましく音を立てて動いていきます」とコメント。そして、「悲劇なのか喜劇なのかもわからないこの大いなる混沌は、まるで現在のこの不条理な世界の有り様そのままを映し出しているように思えるのです」と自身の見解を示した。
左から)大原櫻子、南沢奈央、平体まひろ、尾上寛之、枝元萌、高橋克実、朴勝哲、朝海ひかる
闇成金の髙山金太郎を演じる高橋は、「何度やってもこの初日ってやつは……何故にこのようにドキドキするのでしょうかぁぁぁ」と初日特有の緊張と高揚感をユーモラスに表現。戦前は男爵家の令嬢として裕福な暮らしをしていた月岡家の4姉妹の長女・蘭子を演じる朝海は、「稽古を重ねるたびに、この作品の普遍性を感じ、心を動かされました」とコメント、次女・藤子役の南沢も「40年前に書かれたと思えないほど、今を生きるわたしたちにもビシビシと刺さるような言葉がたくさん散りばめられています」と本作の魅力をアピールした。三女・桃子役の大原は「明日を生きるエネルギーを感じてもらえる歌詞とメロディを桃子として届けたい」と意気込み、末娘・梅子役の平体は「栗山さんが稽古初日に“2026年の現代劇として創りたい”と仰った想いを胸に、一同進んできた日々のように思います」と稽古期間を振り返った。
左から)高橋克実、朝海ひかる、平体まひろ、南沢奈央、大原櫻子
左から)大原櫻子、平体まひろ、南沢奈央、朝海ひかる
東京公演は2026年5月31日(日) まで。その後、6月5日(金) に山形・東ソーアリーナ、6月13日(土)・14日(日) に岩手・トーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)大ホール、6月20日(土)・21日(日) に石川・能登演劇堂、6月26日(金) から28日(日) まで大阪・新歌舞伎座で上演される。
【あらすじ】
昭和二十二年、東京銀座。空襲で焼け残ったビルの一階に急造されたダンスホールからはピアノの音が聞こえている。曲はタンゴ。戦前は男爵家の令嬢として裕福な暮らしをしていた月岡家の娘たち。しっかりものの長女蘭子、本の好きな次女藤子、唄のうまい三女桃子は別宅の子で、成績優秀な月岡の末娘梅子と同い年。戦災で家族も屋敷もなくして、4人の姉妹は寄り添い合って、銀座にダンスホールを開いた。しかし焼け跡、ヤミ市、GIの世の中。うら若き娘たちには、荒々しく、つらく、生きにくい。黒メガネのヤクザな風体の男がさっそくダンスホールに乗り込んできて、ここをそっくり買い取ることになったと娘たちに追い出しをかけるが……なんとそのヤミ成金は、元月岡家の使用人、運転手として仕えていた髙山金太郎だった。
煙草売りのおばさんはなぜか塩を遠ざけて、郵便配達のおじさんはまるで仇のように煙草を嫌っている。ホールの床下から焼夷弾が見つかる。危険な不発弾を見張っていてくれと出会い頭に頼まれて大いに弱る花売娘。
ダンスホールの先行きと、4人の姉妹それぞれに持ち上がる人生の事件の重なりを、生のピアノ演奏によるタンゴのリズムと歌声、そしてダンスに乗せてお届けする、おかしくて楽しくて感動的な昭和の庶民の物語。
撮影:福岡諒祠
<公演情報>
こまつ座第158回公演『花よりタンゴ』
作:井上ひさし
演出:栗山民也
出演:
高橋克実 朝海ひかる 南沢奈央 大原櫻子 平体まひろ
尾上寛之 枝元萌 朴勝哲 大田真喜乃
【東京公演】
2026年5月12日(火)~31日(日)
会場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
■スペシャルトークショー
5月17日(日) 13:00公演後:大原櫻子 平体まひろ 枝元萌
5月19日(火) 13:00公演後:朝海ひかる 南沢奈央 大田真喜乃
5月22日(金) 13:00公演後:高橋克実 朝海ひかる 尾上寛之
【山形公演】
2026年6月5日(金)
会場:東ソーアリーナ
【岩手公演】
2026年6月13日(土)・14日(日)
会場:トーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)大ホール
【石川公演】
2026年6月20日(土)・21日(日)
会場:能登演劇堂
【大阪公演】
2026年6月26日(金)~28日(日)
会場:新歌舞伎座
チケット情報(https://t.pia.jp/pia/search_all.do?kw=%E8%8A%B1%E3%82%88%E3%82%8A%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B4&afid=P66)
こまつ座第158回公演『花よりタンゴ』スタッフ&キャストコメント全文
■演出:栗山民也
作品を初めて読んだときの印象をいつも大事にしていて、上演台本が決定してから稽古に入るそのときまで、長い時には何年も前からになりますが、どのような方法やスタイル、その空気感などがその物語にとって一番有効なのかを、ずっと考えます。
この作品は40年前に書かれ、すぐに作者自身によって失敗作として封印されていたのですが、20年前にやっと息を吹き返すことのできた芝居です。時代設定は昭和22年、つまり敗戦後まもなくの極めて混乱した時代を活写したような、じつにめちゃくちゃバカバカしく、めちゃくちゃシリアスにその世界は変転を繰り返します。価値観の見えない時代のリズムは狂い続け、その全体がけたたましく音を立てて動いていきます。
先ほどゲネプロを終えて一息、悲劇なのか喜劇なのかもわからないこの大いなる混沌は、まるで現在のこの不条理な世界の有り様そのままを映し出しているように思えるのです。
■髙山金太郎役:高橋克実
何度やっても
この初日ってやつは……
何故にこのように
ドキドキするのでしょうかぁぁぁ
■月岡蘭子役:朝海ひかる
いよいよ初日の幕が開きます。
ここまで全員で積み上げてきたものを、お客さまにきちんとお届けできるか、今は緊張感でいっぱいです。
稽古を重ねるたびに、この作品の普遍性を感じ、心を動かされました。
ぜひ劇場にいらしてください。
お待ちしております!
■月岡藤子役:南沢奈央
約1カ月の濃密な稽古を積み重ねてきて、いよいよ初日の幕が開けます。
40年前に書かれたと思えないほど、今を生きるわたしたちにもビシビシと刺さるような言葉がたくさん散りばめられています。これからお客様の前で回を重ねていくことになりますが、毎回新鮮にその言葉の響きを感じながら演じていきたいと思っています。
価値観ががらりと変わった世の中を、不器用な人物たちがどのように生きていくか。観ていただく皆さまの心に届き、残るようなものが少しでもあればうれしいです。劇場でお待ちしております!
■月岡桃子役:大原櫻子
いよいよ初日が始まります!
いつか出たいと夢みたこまつ座舞台に、今はワクワクした気持ちでいっぱいです。
歌が大好きで、強気な桃子はまるで小さい頃の私そのものだなと感じています。
この貧しい時代、多くの人々が歌の力によって生きる希望を抱いていたように、劇場に来てくださったお客様にも、明日を生きるエネルギーを感じてもらえる歌詞とメロディを桃子として届けたいと思います。
■月岡梅子役:平体まひろ
とても素敵な座組の皆様と、密度の高い稽古を積み重ねてきました。
栗山さんが稽古初日に「2026年の現代劇として創りたい」と仰った想いを胸に、一同進んできた日々のように思います。
ここ数年は日本も世界も、個人的にはわけのわからん方向に進んでいますが、だからこそ今このお芝居に携わり、皆様に観ていただくことの意義を考え続けながら、豊かに毎ステージ生ききります。
なんて堅くなっちまいましたが、井上さんの作品の中でもかなりドタバタ愉快な『花よりタンゴ』! ぜひ劇場でお楽しみくださいませ!
■近藤勇蔵役:尾上寛之
忘れたくないこと、忘れてはいけないことが散りばめられた作品です。物がなんにもない時代だからこそ見えてくるものがある。
たくさん笑いに来てください!
銀座ラッキーダンスホールでお待ちしています(劇場は紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA)。
■佐々木正子役:枝元萌
物がなくても
言葉、踊り、歌、愛はある
生きる為に食べる。人と出会う。
演出の栗山さんが話された中でも、私の心に響いた言葉。
全てをなくした人たちが、どう再建していくのか、井上ひさしさんが描く庶民の力強さ、したたかさ、愛おしさ、そして言葉を大切にして演じたいと思います。
■森川俊夫役:朴勝哲
いよいよ初日です! 稽古始まった日からずっと楽しい日々です。舞台に来てさらに楽しくなりました!
よろしくお願いします。
■花売娘役:大田真喜乃
この素晴らしい舞台に出演者として関わらせていただいたこと、本当にうれしく思います。稽古ではうまくいかないこともありました。そんなときは正直落ち込む時もありました。しかし、諦めずにとにかく一生懸命必死に向き合う! その思いで続けてこられたのは周りの方の力はもちろんですが、花売り娘自身が自分の人生を必死に生きようとしていたからだと思います。役と共にこの舞台を楽しんで駆け抜けていきたいと思います!
関連リンク
こまつ座 公式サイト:
https://www.komatsuza.co.jp/index.html

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