坂東玉三郎、30年ぶり新橋演舞場の本公演『長崎十二景』で共演の“テニミュ”ダンサー進藤学は「つかまりやすい」「そばにいやすい」
『坂東玉三郎特別公演』取材会より 左から)進藤学、坂東玉三郎

坂東玉三郎にとって、新橋演舞場での本公演としては、実に30年ぶりの出演となる「坂東玉三郎特別公演」が4月に開催される。これに先立ち玉三郎、そして『長崎十二景』にて玉三郎の相手役の男性を演じる、俳優でダンサーの進藤学が出席しての取材会が行われた。



坂東玉三郎、30年ぶり新橋演舞場の本公演『長崎十二景』で共演の“テニミュ”ダンサー進藤学は「つかまりやすい」「そばにいやすい」

玉三郎にとって、平成8(1996)年2月公演以来の新橋演舞場の本公演出演となる本作。『口上』に始まり、琴・三味線・胡弓を玉三郎自らが奏でる『三曲糸の調べ』、昭和59(1984)年に新橋演舞場、中日劇場で上演された作品を新たに映像作品として撮り下ろした『夢二慕情』の上映、さらに画家の竹久夢二の名画をモチーフに、作曲家で筝曲家の唯是震一が発表した組曲と踊りが渾然一体となった舞踊劇『長崎十二景』が上演される。



坂東玉三郎、30年ぶり新橋演舞場の本公演『長崎十二景』で共演の“テニミュ”ダンサー進藤学は「つかまりやすい」「そばにいやすい」

新橋演舞場4月『坂東玉三郎特別公演』チラシ表面

『長崎十二景』は昭和54(1979)年、玉三郎が20代の後半に発表し、玉三郎の友人でもあった演出家・振付家の竹邑類(2013年逝去)が構成を担当。九州での巡業で初演され、翌年にはサンシャイン劇場でも再演されたが「歌舞伎座の大きさには合わない」(玉三郎)ということもあり、30年以上にわたって上演されぬままだったところ、昨年1月の松竹座での正月公演で久々に上演され、好評を博した。



坂東玉三郎、30年ぶり新橋演舞場の本公演『長崎十二景』で共演の“テニミュ”ダンサー進藤学は「つかまりやすい」「そばにいやすい」

『長崎十二景』(令和7年1月大阪松竹座)©松竹
坂東玉三郎、30年ぶり新橋演舞場の本公演『長崎十二景』で共演の“テニミュ”ダンサー進藤学は「つかまりやすい」「そばにいやすい」

『長崎十二景』(令和7年1月大阪松竹座)©松竹

ミュージカル「テニスの王子様」などで知られる進藤が立役を務めるが、玉三郎は進藤を「つかまりやすい」と表現。その真意について「手すりでもなんでもなく(笑)、そばにいやすいという感じ。昔の歌舞伎役者は立役さんが、どれくらい女形がそばにいやすいかを考えてやっていたし、女形もどれくらい立役に寄り添えるかを考えてやっていたんです。男と女の形をした人間が舞台上で、どれくらい自然にいられるか?というのは舞台において問題なんです」と説明する。



坂東玉三郎、30年ぶり新橋演舞場の本公演『長崎十二景』で共演の“テニミュ”ダンサー進藤学は「つかまりやすい」「そばにいやすい」

坂東玉三郎

進藤は玉三郎の言葉に「ダンスでも『女性は花で男性は額縁』という言葉があり、トータルで女性のことを美しく見せたいし、そのために自分自身もカッコよく、美しい額縁でいないといけない」とうなずく。



坂東玉三郎、30年ぶり新橋演舞場の本公演『長崎十二景』で共演の“テニミュ”ダンサー進藤学は「つかまりやすい」「そばにいやすい」

進藤学

本作における玉三郎が演じる女性像についても、進藤は「ものすごく美しい女性というよりは、茶目っ気たっぷりで活動的な、異国情緒あふれる長崎の女というイメージ。ペアダンスに“リードフォロー”という概念がありますが、男性がリードし女性がフォローするだけでなく、女性が仕掛けてくることもあって、男性がリードしたくなるような、自然発生的なものを出せたらいいのかなと思います。決まり事はありますが、形にこだわらず、生まれるものを楽しめたらと思っています」と語った。



坂東玉三郎、30年ぶり新橋演舞場の本公演『長崎十二景』で共演の“テニミュ”ダンサー進藤学は「つかまりやすい」「そばにいやすい」

また『三曲糸の調べ』は『壇浦兜軍記』における「阿古屋琴責」にて、遊女の阿古屋が恋人の景清の行方について尋問され、身の潔白を晴らすために三曲(琴・三味線・胡弓)を奏でるという場面で演奏されるが、今回の公演では物語を観せるのではなく、あくまでも曲を聴かせるという趣旨で、衣装は(前帯があって邪魔になる)阿古屋のものではなく、演奏を優先した別の衣装になる予定だという。演奏に映像、踊りと玉三郎の技巧の極みを十二分に味わえる公演になりそうだ。



進藤は「多くの方が(進藤について)何者なんだ?というイメージをお持ちかと思いますし、まだ稽古にも入っておらず、自分自身でも何が起こるかわからないですが、相手は玉三郎さんですから、小細工をしようがないし、あがいてもしょうがないですし、ナチュラルに板の上に立つことができたら、何か心に残る作品にできるんじゃないかと思っております」と公演に向けての思いを語る。



坂東玉三郎、30年ぶり新橋演舞場の本公演『長崎十二景』で共演の“テニミュ”ダンサー進藤学は「つかまりやすい」「そばにいやすい」

坂東玉三郎、30年ぶり新橋演舞場の本公演『長崎十二景』で共演の“テニミュ”ダンサー進藤学は「つかまりやすい」「そばにいやすい」

玉三郎は、そんな進藤の言葉に「こんなにまっすぐな方が来てくださって、寄り添っていればいい気がしています」と笑みを浮かべ「いろんなもの楽しんでいただくために最大を尽くします」と意気込みを語った。



坂東玉三郎、30年ぶり新橋演舞場の本公演『長崎十二景』で共演の“テニミュ”ダンサー進藤学は「つかまりやすい」「そばにいやすい」

「坂東玉三郎特別公演」は4月8日(水)より新橋演舞場にて開幕。



坂東玉三郎、30年ぶり新橋演舞場の本公演『長崎十二景』で共演の“テニミュ”ダンサー進藤学は「つかまりやすい」「そばにいやすい」


取材・文:黒豆直樹




<公演情報>
『坂東玉三郎特別公演』



<上演演目>14:00~
一、口上(こうじょう)
 出演:坂東玉三郎

二、三曲糸の調べ(さんきょくいとのしらべ)
 出演:坂東玉三郎

三、 〈映像〉夢二慕情(ゆめじぼじょう)

四、長崎十二景(ながさきじゅうにけい)
 出演:坂東玉三郎、進藤学

2026年4月8日(水)~23日(木)
※16日(木)休演
会場:東京・新橋演舞場



公式サイト:
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/play/980

編集部おすすめ