
映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。
【水先案内人 山本益博のおススメ】
主任(トリ)が春風亭一之輔で、中席のタイトルに「一之輔のこんなニンジョウ噺いかがですか?」とつけられている。
昨年、やはり鈴本の定席のトリを務めた一之輔を聴きに出かけたとき、その晩の演目が十八番の『初天神』だった。ところが、親子で天神様へお参りに出かけながら、サゲにつながる親父の凧揚げはなく、団子屋の場面から御白州の裁きの場面に移っていった。
つまり『初天神』の後日談というわけで、一之輔の創作。噺の展開は荒唐無稽な場面もあって、これが観客にバカ受けだった。
10日間の興行で、この噺『団子屋政談』が15日の演目としてネタ出しされている。
ちなみに、11日『文七元結』、12日『かんしゃく』、13日『刀屋』、14日『帯久』、15日『団子屋政談』、16日『心眼』、17日『万両婿』、18日『たちきり』、19日『水屋の富』、20日『唐茄子屋政談』がネタ出しの演目。
通常人情噺と呼ばれることのない噺も混じっているが、『文七元結』『刀屋』『たちきり』『唐茄子屋政談』は聴きものである。
<公演情報>
『鈴本演芸場 5月中席』
2025年5月11日(日)~20日(火) 東京・鈴本演芸場
公式サイト:
http://www.rakugo.or.jp/