『HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展』9月13日から 「マンガ」や「アニメ」のルーツともいえる北斎の多彩な表現に迫る
葛飾北斎《三体画譜》浦上蒼穹堂蔵

90年の生涯で、30,000点もの作品を残した稀代の絵師・葛飾北斎。日本が誇るこの不世出の画家を、いまや世界を席巻する日本のエンターテインメント文化である「マンガ」や「アニメ」の表現のルーツとして検証し、その魅力を紹介する展覧会が、9月13日(土)から11月30日(日)まで、東京・京橋のCREATIVE MUSEUM TOKYOで開催される。

同展は、質・量ともに世界一として知られる『北斎漫画』計1,700冊のコレクションに加え、北斎の多彩な作品を所蔵する浦上満氏と東洋古美術商・浦上蒼穹堂(うらがみそうきゅうどう)の全面協力のもとで開催される。

『HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展』9月13日から 「マンガ」や「アニメ」のルーツともいえる北斎の多彩な表現に迫る

葛飾北斎《画本東都遊》浦上蒼穹堂蔵

展示されるのは、浦上コレクションから選りすぐった作品群。代表作《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》(通称「大波」)をはじめ、この世の森羅万象を描いた絵手本『北斎漫画』全15編、北斎絵本の傑作『富嶽百景』全3編・102図に加え、読本ブームを巻き起こした『椿説弓張月』、『新編水滸画伝』の挿絵、晩年の肉筆画など、約300点の作品が並ぶ。

展覧会名の『ぜんぶ、北斎のしわざでした。』は、紙と筆しかなかった時代にあって、北斎の数々の表現が、現代のマンガやアニメの表現を先取りしていたことを示唆する。例えば挿絵や絵手本に登場する集中線やスピード線、効果線、あるいは爆発や閃光のシーンや「動き」にあふれた画面は、まさに現代のマンガやアニメに見られるもの。波などの自然現象も、目に見えない風も、実在しない妖怪や幽霊も自在に描いた北斎はまた、略画や一筆画、ギャグ的な描写も得意とした。同展は、そうした多彩な表現を通覧し、現代マンガやアニメのルーツとも言える北斎の魅力に迫る展覧会となっている。

『HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展』9月13日から 「マンガ」や「アニメ」のルーツともいえる北斎の多彩な表現に迫る

葛飾北斎《北斎漫画》三編 浦上蒼穹堂蔵

広大な空間をもつ新しいミュージアムであるこの館ならのでは展示もある。挿絵などの小さい画面を拡大して見せるなど、効果的な展示演出を試みるほか、特設のミニシアターでは、日本屈指のアニメーターが北斎の絵をアニメーション化した映像を上映。北斎が踊りの解説書につけた振付けの挿絵などを用いた3本のアニメーション映像は必見だ。

また今回は、最晩年の北斎が魔除けとして毎日描いていた肉筆画《日新除魔図》のうち、新発見の16図が初公開されるのも楽しみなところ。

様々な側面から北斎の多面的な魅力に迫るダイナミックな展覧会を会場で存分に堪能したい。



<開催情報>
『HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展』



会期:2025年9月13日(土)~11月30日(日) ※会期中無休 ※会期中展示替えあり
会場:CREATIVE MUSEUM TOKYO[東京・京橋]
時間:10:00~18:00、金土・祝前日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
料金:一般・大学2,300円、高中1,800円、小学1,200円
チケット情報: https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2560849(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2560849&afid=P66)
公式サイト: https://hokusai2025.jp

編集部おすすめ