Bunkamuraが、日本と海外のクリエイターの共同作業のもと、優れた海外戯曲を今日的な視点で上演する企画に取り組んでいるDISCOVER WORLD THEATRE(以下、DWT)シリーズ。このたび、同シリーズの第17弾として『グレンギャリー・グレンロス』が、2026年11月6日(金) から30日(月) まで東京・IMM THEATER、12月5日(土) から11日(金) まで大阪・森ノ宮ピロティホールで上演されることが決定した。
本作は、シカゴを舞台にアメリカンドリームを夢見て不動産業界でしのぎを削る男たちの壮絶な顧客争奪戦とリアルな人間ドラマを描く。1983年にアメリカの演劇界を代表する劇作家デヴィッド・マメットによって書かれた戯曲で、同年にイギリスで初演され、ウエスト・エンド演劇協会賞、翌年1984年にはシカゴとブロードウェイで上演され、ピューリッツァー賞を受賞。1992年にはアル・パチーノ、ジャック・レモン、ケビン・スペイシーという名優によって映画化(邦題『摩天楼を夢みて』)され、高い評価を獲得した。成功を目指す人々の欲望や葛藤を通して、資本主義社会のひずみを炙り出し、時代や国を超えて共感を呼ぶテーマは、今なお現代の人の心も惹きつけている。
かつては成功を収めていたが今は落ち目で必死に売上を追う中年営業マン、シェリー・レヴィーンを演じるのは、DWTシリーズには7作目の出演となり、海外の演出家とのコラボレーションでも絶高な演技を見せる堤真一。頭の回転が早く、巧みな話術で契約をものにしてきたやり手の不動産セールスマン、リチャード・ローマを演じるのは、WEST.のメンバーとして活動する傍ら、舞台・ドラマ・バラエティ番組への出演とジャンルを問わず幅広く活躍する濵田崇裕。本作で初めて共演を果たすこのふたりが、W主演でマメットの最高傑作に挑む。
共演には、経験豊富な実力派キャストが集結。シリアスな役からコミカルな役まで自在に演じ分け、高い表現力で物語に深みを与える鈴木浩介、モデルとしてのルックスを活かした芝居だけではなく、幅広い役を自在にこなす前川泰之、自然体の演技で作品世界にリアリティをもたらし、確かな演技力で注目を集めている岩瀬亮、1992年にサモ・アリナンズを結成し座長を務め、現在は舞台のみならず映像作品でも幅広い役を演じ分ける小松和重、存在感のある演技で数々の作品を支え、近年では中国や香港映画など海外作品でも活躍する池内博之が出演する。
今回演出を手がけるのは、ロンドン・ウエスト・エンドをはじめとする名だたる劇場でキャリアを積み、2017年にヘッドロング、2023年にはシアターロイヤルプリマスのアソシエイトディレクターに任命された新進気鋭の演出家ジョン・ハイダー。本作が日本での演出デビューとなり、その手腕に注目が集まる。
【あらすじ】
シカゴの不動産会社で働くレヴィーン(堤真一)は、かつてトップセールスマンだったが、今やその勢いは衰えている。
一方、モス(池内博之)は会社の強引な経営に不信感を持ち、成績が振るわず解雇におびえるアロノー(小松和重)を煽って、顧客名簿を盗み出そうと企てていた。
そして、狡猾さと話術で契約をものにしてきたローマ(濵田崇裕)は、リンク(岩瀬亮)にフロリダの宅地「グレンギャリー・ハイランド」を売りつけようと言葉巧みに迫り、さらに売り上げを伸ばそうとしている。
それぞれが、会社で生き残ろうと思惑を巡らせる中、事務所が荒らされ顧客名簿や契約書が盗み出された。
捜査に訪れた刑事のベイレン(前川泰之)は内部の犯行を疑い執拗な事情聴取を始めるが、なおも彼らの契約交渉は続けられる。混乱と緊迫が高まり、やがて真実へとたどり着く……。
<公演情報>
Bunkamura Production 2026/DISCOVER WORLD THEATRE vol.17
『グレンギャリー・グレンロス』
作:デヴィッド・マメット
翻訳:広田敦郎
演出:ジョン・ハイダー
美術・衣裳:リリー・アーノルド
出演:
堤真一 濵田崇裕 鈴木浩介 前川泰之 岩瀬亮 小松和重 池内博之
【東京公演】
2026年11月6日(金)~30日(月)
会場:IMM THEATER
【大阪公演】
2026年12月5日(土)~11日(金)
会場:森ノ宮ピロティホール
公式サイト:
https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/ggr2026.html
Bunkamura Production 2026/DISCOVER WORLD THEATRE vol.17『グレンギャリー・グレンロス』演出家&出演者コメント
■演出:ジョン・ハイダー
私にとって、この『グレンギャリー・グレンロス』は、書かれた当時にもそして現代にも力強く語りかける戯曲です。もちろんこの作品のテーマは、1980年代初頭、劇作家自身が不誠実な不動産会社でアシスタントマネージャーとして働いた経験をもとに生まれたもので、その時代や場所と深く結びついています。しかし同時に、仕事に人生を支配されるような極端なワークライフバランスの崩れという、現代の大都市──、シカゴから東京、そしてその間にあるあらゆる都市に共通する現実とも強く響き合っているのです。
マメットが描く登場人物たちは皆、それぞれよりよい未来へ向かうために「抜け出す道」を探しているように思えます。その道を見つけられるかどうかは本人次第で、実際には多くの人物が最後まで見つけられないのかもしれません。それでもなお、そのもがき続ける姿は実に人間的です。
■堤真一
リズムとテンポが必要な会話劇です。不動産を売る男たちの会話の応酬だけで、物語にグイグイと引き込まれます。僕の役は映画版でジャック・レモンが演じた、落ちぶれたセールスマン。初めてご一緒するジョン・ハイダーさんがどんなアプローチをされる方かはわかりませんが、イギリスの演出家は最初から「正解」のイメージを提示するよりも、「このメンバーで何ができるか」を一緒に考えていく方が多い印象があります。このシリーズでご一緒したジョナサン・マンビィさんも、リンゼイ・ポズナーさんもそうでした。思考がどんどん飛んでいくような“営業用の話術”を身につけるとともに、かつての栄光を語る男の悲哀に近づけたらと思います。
■濵田崇裕
いつか絶対に共演したいと思っていた堤真一さんとご一緒できることがまずスーパーハッピーです! 海外の演出家の方に演出していただくのは2回目ですが、前回がすごく楽しい経験だったので、今回もどんな方なのか楽しみにしています。僕が演じるローマはやり手で頭の回転も速い“デキる男”。

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