2026年4月9日(木)、新国立劇場の演劇公演『ガールズ&ボーイズ』が開幕する。ミュージカル『マチルダ』の脚本でも知られるデニス・ケリーが2018年に発表した、一人芝居の傑作。
“一人”芝居ではなく、“みんな”芝居
──まずは、この戯曲を最初に読まれたときの印象を教えてください。
真飛 一言で「面白い」、と言えない作品です。でも、「凄い」(笑)! 喜劇かシリアスかといわれても答えはなく、ジェットコースターのようなところもあるし、聞いていて腹が立ってきたり、「マジ!? そんなことがあったの?」と思ったり、「わかる、わかる!」と円陣を組みたくなったりして、読めば読むほどお客さまとの距離感が近くなって、皆で一緒に時間を過ごすストーリーが生まれていく──そんな印象です。普段は、本をいただいたらまず客観的に読むのですが、今回は最初に読んだときから、そこに自分がいた。直感的に、これは私がやるもの、挑戦していくものだと感じました。あとで苦しむことになると思うけれど、新国立劇場の方も「皆で力を合わせましょう。稽古をやりたくない日はお菓子だけ食べて帰ってもいい。話し合うだけの日があってもいいと思います」と言ってくださったので、その言葉を信じて(笑)。
増岡 私の場合、最初のオーディションでは本の冒頭の部分しか渡されていませんでした。とても楽しい話だなと思ってオーディションにのぞみましたが、最終選考の段階で初めて全編を読み、衝撃を受けました。
──どのようなところに共感されたのですか。
増岡 子どもを産んでキャリアとのバランスが──という点は、まさにいまの私。私にも4歳の娘がいます。しばらく舞台をお休みしていた期間があり、徐々に仕事を再開したのですが、そこでまさに「育児どっちがやるの」問題が(笑)。「私が女だからこれをやれっていうの?」「パパもやったらいいじゃん」というバチバチは日常茶飯事です。ただ、この作品は作者が男性であることが救いに。男性が書いたからこそ、声を大にして言えるなという感覚があります。
──一人芝居ならではの難しさも感じられているのではないでしょうか。
真飛 私たち、見出したんです──。巻き込みます、客席を。
増岡 私はいま、ちょうど40歳。不惑の四十と言いますが、全然惑い過ぎている私に、この物語はすごくリンクしている。結末にはちょっと驚きましたが、これは、いまの私が通る道なのではないかな、と感じました。
──Wキャストについては、どのような心持ちで取り組まれるのですか。
真飛 過去を語ったり未来を想像したり、という台詞が同じでも、全然違った色になると思います。しかも今回はそれぞれに一人ですから、増岡さんは私にとって敵ではなく、最大の味方。本当に私たちにしか味わえない、感じられない、演出の稲葉さんにもわからないことがあるかもしれない。同志だと思っているので、「どうしたらお客さまに面白がっていただけるかということを模索する時間を、一緒に作っていきたい。とても心強いです。
増岡 お互いに全然違うものになるのは分かっていますから、私も真飛さんバージョンの舞台をとても楽しみにしています。分からないところは聞いていきたいですし、相談にのっていただきたい。戦友のような感覚ですね。実は私、真飛さんの宝塚の退団公演を観ているんです。それが初めての宝塚だったのですが、こんなに格好いい人がこの世にいるんだとえらく感動し、真飛さんのクリアファイルを買いました(笑)。まさかその15年後にこんなご縁があるとは!
真飛 それを聞いて大爆笑でしたが(笑)、増岡さんとは、絶対に巡り会うべくして会ったと思います。昨年暮れのポスター撮影で初めてお会いした瞬間に、あ、大丈夫、この人とならともに乗り切れると感じました。実は私たち、裕子と裕子(真飛の本名)で同じ名前なんですよね。
増岡 同じ天秤座で。
真飛 だから二人、実は近いんです。ほぼ一緒(笑)。千秋楽では、多分抱き合って泣いているでしょう。
細部に心意気が詰まった稲葉の演出。
──お稽古に入る前のいまの段階で、演出の稲葉さんとはどのような話をされていますか。
増岡 オーディションのとき、悲しいシーンでどうしても悲しい気持ちになってしまって、涙が出てきて、という演技をしていたのですが、「そうじゃないよ」と言われました。 この女性はもっと強く、そこから脱却しようとしているのだからと。面白いな、と思いました。この物語の解釈が、全然私と違うところにある。これからどんな稽古になっていくのか、とても楽しみにしているんです。
真飛 稲葉さんは多分、私が一人芝居を怖いと思っているのを察知されて、身構えずにいる空間を作ろうとされているなと感じます。
増岡 彼女は文学座の一期後輩ですが、彼女の演出を受けるのは、10年前の、オノマリコさん作『解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話』のとき以来。もちろん大胆な演出もされる方ですが、とにかくその細部が好きです。
真飛 私は稲葉さんとご一緒するのは初めてなので、何も知らないからこそ、ぶつかり稽古で(笑)。私自身、約3年ぶりの舞台なので、自分の中で忘れかけているものが目覚めると思います。でも舞台は私の原点。稲葉さんに一生懸命ぶつかっていけば、全部受け止めていただけると信じています。
──では、主人公の「わたし」について。いまの時点で、どんな女性だと捉えていますか。
増岡 ものすごく明るい印象で、バランスも取れていて、ちょっと気が強いけれど、自由な女性。でも読み進めていくと、すごく可愛らしい、少女のようなところもあるんですよね。
真飛 ピュアだし一生懸命。嘘がないけれど、不器用。そこがチャーミングに映ったらいいなと思います。
増岡 実は、本を読んでいて「あ、これ私じゃん」と感じるところがかなりあったんです。破天荒なところは一緒ではないけれど(笑)、たとえば、口の悪いところとか。
真飛 想像がつかない(笑)。
増岡 最初から彼女にベタッと近づきすぎてしまっているような気がするので、そこはお稽古で、少し距離を取りながら作っていきたいですね。
──一人の女性が語るこの舞台を、男性が観たらどのように感じると思いますか。
真飛 「わたし」が男性についていろいろと言うので、客席で「あれ? 女性たちは皆、そう思っている?」と感じるかもしれません。でも、それはむしろ、もっと相手を分かりたくて言っていることなので、自信をなくさないで、と(笑)。
増岡 笑い話として観てほしい部分はありますね。女性としても、「これはやりすぎ。言い過ぎだな」と突っ込みたくなるところはあるので、男性も女性も突っ込みながら観ていただけたら。他人が一緒に暮らして家庭を築くのは本当に難しいことで、去年は私も少し大変な思いをしましたが、こうやってお話していると、「あ、なんだ。別に大したことなかったんだ!」って思えたりもします(笑)。
真飛 カウンセリングを見ているような、お客さまにとっては参加型のように感じられる舞台。だから実は、演劇をあまり観たことのない方も入り込んでいただきやすい作品なのかなと思います。ぜひ、扉をコンコンと叩いてみてください。鍵、かかっていませんから!
取材・文:加藤智子
<公演情報>
『ガールズ&ボーイズ』
作:デニス・ケリー
翻訳:小田島創志
演出:稲葉賀恵
出演:真飛聖/増岡裕子(Wキャスト)
2026年4月9日(木)~26日(日)
会場:東京・新国立劇場 小劇場
関連リンク
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2665261(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2665261&afid=P66)
公式サイト:
https://www.nntt.jac.go.jp/play/girls_and_boys/

![【Amazon.co.jp限定】鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 豪華版Blu-ray(描き下ろしアクリルジオラマスタンド&描き下ろしマイクロファイバーミニハンカチ&メーカー特典:谷田部透湖描き下ろしビジュアルカード(A6サイズ)付) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Y3-bul73L._SL500_.jpg)
![【Amazon.co.jp限定】ワンピース・オン・アイス ~エピソード・オブ・アラバスタ~ *Blu-ray(特典:主要キャストL判ブロマイド10枚セット *Amazon限定絵柄) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Nen9ZSvML._SL500_.jpg)




![VVS (初回盤) (BD) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51lAumaB-aL._SL500_.jpg)


