
【記者コラム・森川和也の追走一杯】
これぞ『火事場のくそ力』。チャレンジ予選1Rは、代謝(クビ)回避の勝負駆けに臨んだ舟元権造(42)=大阪・92期=が絶体絶命の7番手から捲り上げると、最後は直線でグイッと伸びて3着。
前検コメントは「単騎で自在」でありながらも最終HSは7番手。非常に厳しい情勢と思われたが、本人は全く諦めていなかった。「五反田(豊和)さんは十中八九、仕掛けると思ったので、そうなったらチャンスがあると思った。あとは、自分で仕掛けてアカンかったら仕方ないと思っていきました。それだけの練習はやってきたので」。五反田が、一度突っ張られた臼井昌巨を叩き切り、自力タイプの2人が脚を使った。舟元は終2角の立ち上がりから猛然と発進すると、「臼井君に持ってこられたら終わってしまう」と瞬時に判断。その後ろの柴田昌樹を並走しながら押し込むと、3角過ぎから追い込んだ臼井を追いかける形でシャープに伸びた。
『舟元ピンチ』の原稿を毎期のように書いているが、自身はどういう気持ちでいるだろうか。「まともに考えてしまったら精神的に持ちません。だから客観的っていうか、連続ドラマの続きみたいに、次回はどうなるんだろうと思ってもらえるように走っている感じです」。
点数だけでなく出走本数もまだ足りていないが、心底からホッとしたのだろう。「ふざけているわけじゃないですよ」と前置きをしつつ笑顔で「3着ポーズ」でのフォトセッションを終えると、喜びをかみしめながら控え室に戻っていった。
▼2R(柴田昌樹) 初日は舟元に絡まれて4着だったが、感触自体は悪くなさそう。2分戦の単騎なら3着で狙える。1-34-2、5=6-2。
▼7R(山口龍也) 目標の小柳智徳はS級点が厳しくなったが、山口はまだ少しだけチャンスが残っている。3-1=26。
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代謝回避へ第1段階をクリアした舟元権造が笑顔で「3着ポーズ」