ボートレース若松(福岡県北九州市若松区)

SG「第71回ボートレースメモリアル」

8月26日(火)~31日(日)開催





 ボートレース若松(福岡県北九州市若松区)を舞台にナイターで争われる、SG「第71回ボートレースメモリアル」が26日に開幕する。全国24場の推薦を受けた各レース場のエース格52人が出場。優勝賞金4200万円を目指して31日までの6日間、熱い戦いを繰り広げる。
その一戦に意欲を前面に押し出して臨むのが、北九州市民で若松水面に並々ならぬ思い入れを持つ西山貴浩(38)=福岡・97期・A1=だ。7月にあったSG前回の「オーシャンカップ」(徳山)で待望のSG初制覇。勢いに乗る千両役者に意気込みを聞いた。



■「感謝してもし尽くせない。日々恩返し」





 ――SG初制覇、おめでとうございました。改めていかがですか。

 「自分の気持ちはよく分からないまま、間を置かずに仕事が続いた感じなんですけど、自分よりも周りが喜んでくれているのを感じていて、それが一番ありがたいことですね」

 ――返しきれないほどのお祝いメッセージをもらうものだとよく聞きます。

 「確かにそうです。でもそもそも、選手をしている間はずっと、いくら感謝しても返しきれないもの。日々、結果で恩返しをしていくだけです」



■仲谷颯仁と一緒に優出、どちらかが優勝が最高のシナリオ



 ――祝福モードに包まれたまま、若松のメモリアルがやって来ます。

 「そこにボート人生の全てを懸けてSG優勝を決めるつもりだったのが、手前で勝てたので少し気が楽になりました。周囲の期待がかえって大きくなるプレッシャー? 地元はホント、それが分かるから精神的にものすごく疲れるんです。
何なら走りたくないとも思うほど。でも現役レーサーとして、そういう選手でいられることが幸せだと思っています。ありがたいことです」

 ――勝てたことで自信を深めた部分もありますか。

 「人それぞれ、選手の数だけやり方がある中、自分のペラ調整も含めて、ボートへの取り組み方として間違いではなかったのかな、とは思えました。でも、何が良かったかは引退するときに思うことで、今は特段、思うことはないです。ただ、(同門の後輩で)一緒に参加した仲谷(颯仁)の前で取れたのは良かった。メモリアルも仲谷と一緒。2人で優勝戦に進んで、どちらかが優勝というのが最高のシナリオです」



 ――若松では今年3月にもSG(クラシック)を開催。そこでは優出3着で表彰台には上りました。

 「地元のSGで優出できたのは良かった。あの時も(優勝した徳山と同じく)予選トップ通過のチャンスがあったけど、予選最後にあと一つの着順が取れなくて予選2位だったのは僕らしい結果だったのかな。それはそれで、いい経験でした」

 ――直前のお盆レースなどを含め、誰よりも多く走って慣れ親しんだ水面。
その点の優位性はありますか。

 「一節終われば全てリセットですから、それは分かりません。続けて走れば調整が合うというものでもないのがこの競技です。ただ若松は、独特の潮の流れもありますし、そういうのが分かっているのは、水面を走るという点ではいいかもしれません。あとは全てリセット。しかも(強豪ぞろいの)SGですから、リセットして臨みます」



 ――賞金上位に位置しての今年の後半戦。年末のグランプリ(優勝賞金1億1千万円。今年は12月16日から住之江で開催)への意識をより高める戦いになりそうでしょうか。

 「今年に限らず『グランプリを取る』というのは、選手として1年間を通して常に目標にしているもの。その確率を高めたい? それも全選手同じことでしょうね。目の前のレースの一つ一つを頑張ることで、結果は後からついてくる。先を見るより、その日に全力を尽くすことが第一です」

■一票でも多く投票して!





 ――この一節間に懸ける思いを聞かせてください。


 「今年は若松でSGが2回も開催。デビュー20年で初めてのことですから、確率的にはこの先、自分のレーサー人生の間に二度とないことでしょう。自分の選手生活の全てを出し尽くすならここしかない。だから優勝戦に乗るのは最低ノルマ。地元勢が活躍すれば盛り上がって、売り上げも伸びますから、若松の売上額の最高記録も出せるでしょう。節間で300億円(昨年末の住之江グランプリが291億円だった)売れるよう、地元の一人として頑張りますので、ファンの皆さんには一票でも多く投票してもらえたらありがたいです」







◆西山貴浩(にしやま・たかひろ)

 1987年5月15日生まれ。北九州市八幡西区出身。八幡工高中退。登録番号4371。2005年11月に若松でデビューの97期。08年9月に若松で初優勝。GⅠは20年9月の徳山ダイヤモンドカップで初Vを挙げ、通算4V。
SGは11年11月の大村チャレンジカップで初出場し、15年12月の住之江グランプリシリーズで初優出(5着)。7度目の優出だった今年7月の徳山オーシャンカップで初Vを飾った。一般戦も含めた通算では52V。トークの達人でインタビューやオープニングセレモニーでのパフォーマンスはプロ芸人並みに絶品。昨年までのボートレースCMで藤森慎吾さんが演じた水上のエンターテイナー・フジモリのモデル。169センチ、53キロ、A型。




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