
■ヒーロー
波乱のレースを制したのは規格外の脚力を持つグランプリスラマーだった。眞杉と菅田壱道の主導権争いを後方から見つめていたなか、眞杉にブロックされた新田が最終1角で落車。「そろそろ外に外して行こうかなという時に前で落車が起きてしまった。金網の近い所まで選手が来ていたので、避けるので必死だった」。前団との距離は大きく広がったが、最後方から矢のように大外一気に突き抜けた。
ゴール前で陣取る観客の大声援に応える会心のレース。「避けていっぱいだったけど、気付いたら外に伸びて行く感じだった」と大ピンチを乗り越えホッと汗を拭った。
持病の腰痛を抱えながらも今年はすでに全日本選抜、高松宮記念杯と2つのGⅠタイトルを獲得。そんな、輪界最強の男が約20日後に控える寛仁親王牌で今年3つめのタイトルを狙っていく。「体自体、悪影響はないと思うけど、気持ちの面で弱いところがあったので、プレッシャーに負けないよう頑張りたい」。
リオ五輪バドミントン女子シングルス銅メダリストの奥原希望さん(右)と優勝を喜ぶ脇本雄太