2025年9月20日(土)、ドイツのベルリンで「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025(以下、GTWS2025)」の第2戦「ラウンド2 – ベルリン」が開催。
前回のロンドン戦に引き続き、今回も新たなコンセプトカーやコラボレーションが発表されるなど、ゲーム業界のみならず自動車業界も注目するイベントとなりました。


自動車産業の国ドイツ、ベルリンで初の開催

「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
会場のUber Eats Music Hall

GTWSはソニー・インタラクティブエンタテインメントとポリフォニー・デジタルが主催する公式の世界大会。
すでにロンドンで2025年6月7日(土)に開幕戦が行われ、今回のベルリンは第2戦(ラウンド2)。
その後2025年11月8日(土)ロサンゼルス、2025年12月21(金)~22日(土)福岡と世界4都市で行われます。
ベルリンでのGTWSの開催は前回のロンドン同様、初めてとなりました。


「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
ゲーム勝者予想に勝てば最大100万ポイントずつがゲットできる

ベルリンでは今回も2部門のレースを開催。
自動車メーカーが対抗する「マニュファクチャラーズカップ」と、国・地域代表が競いあう「ネイションズカップ」が行われました。
それぞれ上位入賞者にはポイントが付与され、全4戦の結果を通して最終成績を競い合います。



また、勝者予想キャンペーンも行われ、ゲーム内で使えるクレジットをそれぞれ100万ポイントゲットできるチャンスも。
開幕戦同様に熱いバトルと応援が会場内で繰り広げられました。


ダンロップとコラボを発表、オペルのコンセプトカーが登場

「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
オペル「コルサ GSE ビジョン グランツーリスモ」

本大会では2つの発表が行われました。
まずビジョン グランツーリスモの新しい車種として登場したのはオペルの「コルサ GSE ビジョン グランツーリスモ(Corsa GSE Vision Gran Turismo)」
世界の自動車メーカーが将来の夢のスポーツカーをデザインし、グランツーリスモで体験できる「ビジョングランツーリスモ プロジェクト」から生まれたコンセプトカーです。
ベースとなるコルサはオペルのベストセラーのコンパクトカー。
このコルサGSEビジョン・グランツーリスモはその高性能EVモデルであり、800馬力0-100km/h加速が2秒という圧倒的スペックと未来的デザインを誇る、オペルの伝統と次世代EV技術を融合させた1台です。


「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
グランツーリスモ7でプレイ可能

同車はコンセプトモデルですが2025年9月8日(月)からミュンヘンで開催されたIAA国際モーターショーでショーモデルが発表され、今回のベルリン戦会場にも実物が展示されました。


またグランツーリスモ7のゲーム内でのプレイも可能となっており、大会前に行われたプレイベント「インビテーションレース」では同車12台によるレースも行われました。


「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
ダンロップとのパートナーシップを発表

タイヤメーカー「ダンロップ」とのパートナーシップも発表され、今後はグランツーリスモのゲーム内に様々なダンロップのコンテンツが追加されます。
まず「ブランドセントラル」内のミュージアムにはダンロップが追加され、ブランドの歴史やモータースポーツ活動、技術が紹介される予定です。
そしてサーキット内の看板として「DUNLOP」ロゴがトラックサイドに登場。
さらに「チューニングショップ」で、プレイヤーが選択できるパーツとしてダンロップのタイヤが選択可能になります。
今後、ダンロップをテーマにしたタイムトライアルイベントも開催される予定とのことで、見逃せません。


GTWS2025ベルリンのレースフォーマット

「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
マニュファクチャラーズカップ参加選手

マニュファクチャラーズカップは12のブランドに世界9か国からのプレイヤーが参加。
それぞれのメーカーとドライバーの国籍は・・・


  • スバル(フランス)
  • トヨタ(オランダ)
  • 日産(ポーランド)
  • フェラーリ(ポルトガル)
  • ホンダ(イタリア)
  • ポルシェ(スペイン)
  • マクラーレン(アイルランド)
  • マツダ(スペイン)
  • メルセデスAMG(ブラジル)
  • ランボルギーニ(サウジアラビア)
  • レクサス(イタリア)
  • BMW(フランス)

・・・となりました。
ロンドン開幕戦のドライバーは全員が日本人でしたが、今回は多彩な顔ぶれです。


「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
ネイションズカップ参加選手と開幕戦での獲得ポイント

ネイションズカップには開幕戦でワンツーフィニッシュを飾ったスペインのホセ・セラーノ(@JoseSerrano_16)選手、ポル・ウラ(@polurra)選手を筆頭に、日本の宮園拓真(@TakumaMiyazono)選手、佐々木拓眞(@Taku_110202)選手など12名が国・地域を代表して参戦。
どちらのレースも1位6点、2位5点、そして6位は1点まで、順番にポイントが付与されます。
今回のベルリン戦では下位選手の奮闘にも期待したいところです。


マニュファクチャラーズカップ:スバルとBMWが連続制覇

「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
開幕戦の再来、スバルとBMWがトップでスタート

マニュファクチャラーズカップは開幕戦で強さを見せたスバルの走りに注目が集まりました。
ドライブするのは宮園拓真選手から今回はフランスのキリアン・ドルモン選手にバトンタッチ。


そして前回スバルに僅差で敗れたBWMには同じくフランスのトーマス・ラブトレー(@aphelionTL)選手が登場しました。
コースはニュルブルクリンク 24hで6周を走行。
タイヤ選択と交換のタイミングがレース展開に大きな影響を与えます。
予選ではポールポジションのスバルにBMWが続き、前回と同じ激戦が予想されました。


「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
スリーワイドの3番手争いへ向かう3選手

レースはソフトタイヤでスタートしたトップの2台がわずか1周でピットインし、ミディアムタイヤに交換。
タイヤ交換戦略がその後のレースに大きく影響し、3周目にはホンダのヴァレリオ・ガロ(@valeriogallo26)選手が暫定トップに躍り出ます。
その後は4周目にミディアムタイヤ勢がピットインを終えてポルシェのホセ・セラーノ選手やマツダのポル・ウラ選手などハードタイヤに交換していたドライバーたちが上位集団を形成します。


「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
左から2位のトーマス・ラブトレー選手(BMW)、1位のキリアン・ドルモン選手(スバル)、ミコワイ・セジャク選手(日産)

5周目でスバル、BMWがハードタイヤに交換しトップに躍り出ると、気になるのは3番手の座。
ファイナルストレートで日産のミコワイ・セジャク(@mikolajs06)選手がマツダ、ポルシェに追いつき、最終コーナーでスリーワイドになる激戦を争います。
最終順位は1位スバル、2位BMW、3位日産となり、スバルとBMWは開幕戦に続きトップの座を制しました。



ネイションズカップ:連覇のセラーノ選手、日本勢もポイント獲得

「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
ウェットコンディションで始まったネイションズカップ

ネイションズカップの決勝レース(グランドファイナル)はレッドブル・リンクで30周。
スプリントレースの結果からスタートグリッドの順位は・・・


  • 1位: キリアン・ドルモン選手(フランス)
  • 2位: トーマス・ラブトレー選手(フランス)
  • 3位: 佐々木琢磨選手(日本)
  • 4位: カイ・デ・ブラン選手(オランダ)
  • 5位: ポル・ウラ選手(スペイン)
  • 6位: ヴァレリオ・ガロ選手(イタリア)
  • 7位: ホセ・セラーノ選手(スペイン)
  • 8位: 宮園琢磨選手(日本)
  • 9位: アドリアーノ・カラッツァ選手(ブラジル)
  • 10位: アンゲル・イノストローザ選手(チリ)
  • 11位: ガイ・バーバラ選手(オーストラリア)
  • 12位: サミュエル・カーディナル選手(カナダ)

・・・となりました。



レースは開始前から路面が濡れている状況という悪コンディションからのスタート。


全車がインターミディエイトタイヤを履いてレースに臨みました。


「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
タイヤ交換のタイミングが順位を大きく変える

しかし4週目あたりから路面が乾いてきたこともあり、ドライタイヤへの交換が戦略の焦点に。
9周目には、カイ・デ・ブラン選手、キリアン・ドルモン選手を筆頭に上位陣のほとんどがピットインし、ドライタイヤに交換。
この結果、タイヤ交換のタイミングを1周遅らせたホセ・セラーノ選手がピットイン組の中で最速の加速を見せ2番手に浮上します。
10周目時点ではトーマス・ラブトレー選手とホセ・セラーノ選手が1-2体制を築き、キリアン・ドルモン選手、カイ・デ・ブラン選手らがそれに続く状況となりました。



ところが14週あたりからレーダーが雨雲の接近を示し始め、15週目には降雨に。
上位陣は雨が降る直前にインターミディエイトタイヤへ交換しましたが、これが好結果をもたらしました。



ドライタイヤで粘っていた佐々木琢磨選手やホセ・セラーノ選手らはペースをダウン。
日本勢は宮園琢磨選手と佐々木琢磨選手が9番手、10番手付近まで順位を下げます。
その後19週目には再び日差しが戻りました。


「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
2連覇でゴールしたホセ・セラーノ選手
「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
左から2位のヴァレリオ・ガロ選手(イタリア)、1位のホセ・セラーノ選手(スペイン)、3位のカイ・デ・ブラン選手(オランダ)

20周目以降は後からインターミディエイトタイヤに交換していたホセ・セラーノ選手が先に同タイヤに交換していたフランス勢のキリアン・ドルモン選手らを追い上げます。
ホセ・セラーノ選手は21周目にカイ・デ・ブラン選と接触しながらもトップを奪取し、宮園琢磨選手は逆転をかけてドライタイヤに交換。


フランス勢はタイヤが消耗しペースダウンしてしまい、最終的にはポイント圏外となる7位、8位のフィニッシュとなりました。



最終順位は・・・


  • 1位: ホセ・セラーノ選手(イタリア)
  • 2位: ヴァレリオ・ガロ選手(イタリア)
  • 3位: カイ・デ・ブラン選手(オランダ)
  • 4位: 宮園琢磨選手(日本)
  • 5位: 佐々木琢磨選手(日本)

・・・となり、がホセ・セラーノ選手は開幕2連勝を達成しました!



後半戦に向けて順位・ポイントをチェック

「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
マニュファクチャラーズカップ順位
  • 1位: スバル 12ポイント
  • 2位: BMW 10ポイント
  • 3位: 日産 6ポイント
  • 4位: マツダ 6ポイント
  • 5位: ポルシェ 3ポイント
  • 6位: トヨタ 3ポイント
  • 7位: メルセデスAMG 1ポイント
  • 8位: マクラーレン 1ポイント
  • 9位: レクサス 0ポイント
  • 10位: ランボルギーニ 0ポイント
  • 11位: ホンダ 0ポイント
  • 12位: フェラーリ 0ポイント

ロンドンの開幕戦、ベルリンの第2戦を追えて、それぞれのポイントはご覧の通り。
連覇を達成したしたスバルとBMWが12ポイント、10ポイントでリードを広げました。


「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025」ラウンド2ベルリン大会を現地レポート!オペルのコンセプトカーも登場
ネイションズカップ順位
  • 1位: ホセ・セラーノ選手(スペイン) 12ポイント
  • 2位: ヴァレリオ・ガロ選手(イタリア) 9ポイント
  • 3位: ポル・ウラ選手(スペイン) 6ポイント
  • 4位: 佐々木琢磨選手(日本) 5ポイント
  • 5位: カイ・デ・ブラン選手(オランダ) 4ポイント
  • 6位: 宮園琢磨選手(日本) 4ポイント
  • 7位: キリアン・ドルモン選手(フランス) 2ポイント
  • 8位: トーマス・ラブトレー選手(フランス) 0ポイント
  • 9位: サミュエル・カーディナル選手(カナダ) 0ポイント
  • 10位: ガイ・バーバラ選手(オーストラリア) 0ポイント
  • 11位: アンゲル・イノストローザ選手(チリ) 0ポイント
  • 12位: アドリアーノ・カラッツァ選手(ブラジル) 0ポイント

ネイションズカップも連覇したホセ・セラーノ選手(スペイン)がトップに立っています。
日本勢の佐々木琢磨選手、宮園琢磨選手も後を追いかけており、まだまだ総合優勝のチャンスはありますね。



ワールドシリーズの第3戦、ラウンド3 – ロサンゼルスは2025年11月8日(土)に開催されます。
後半戦に入ることもあり、各チーム、各選手が巻き返しを図るためにどのような戦略でレースに挑むのか、引き続き注目です。


▼Photo & Written by Yasuhiro Yamane/山根康宏
Blog: http://www.hkyamane.com/
X: https://x.com/hkyamane/
Note: https://note.com/hkyamane/


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