
世間を騒がせ続けているフジテレビの上納接待問題。1月27日に二度目の会見が開かれ港浩一社長が辞任を表明するも、絶大な影響力を持つとされる日枝氏の退任予定もないことから、スポンサーや世間の信頼回復に至ったとは言い難い。
同期のグループLINEが鳴りっぱなし
27日、フジテレビが一連の騒動における二度目の会見を開いた。10時間半にも及ぶ会見では、罵声を浴びせたり、声を荒らげたりする記者やYouTuberなども参加。X上では「人権侵害を問う記者が人権侵害のようなことをしている」といった声も上がったが、残念ながらフジテレビの信頼回復には至りそうにない。
長時間に及んだ会見、その頃フジテレビの社員たちは…
「会見中は同期のグループLINEが鳴りっぱなしでしたね。自分は25時に力尽きましたが、社員のほぼ全員があの会見を見ながら“その返答では納得してもらえないだろ…”というLINEを送り合っていたのではないかと思います。
たくさんの記者さんから同じ内容を聞かれていましたが、それはつまり、役員たちが準備した回答では世間は納得しないということ。“第三者委員会を設置して調査する”の一点張りでしたが、他局ではすでに行われている社内の調査も徹底的に行い、同じような事案があれば、その結果と処分の内容を詳らかにする、くらいのことじゃないと世間の方々が納得する訳ないですよね」(フジテレビ社員Aさん)
週刊文春が記事を訂正したという話が世間を騒がせていることについては、
「仮に(編成幹部の)A氏が今回の事案に関わっていなかったとしても、“あぁそうですか、じゃあフジテレビは安心ですね”になる訳がない。徹底的に調べ上げてA氏に関する疑惑が真っ白であるという証拠を提出してからでないと、本来答えられる問題ではないんです。信頼回復をしてもらうためには、A氏だけではなく、過去に行われてきた事案をすべて洗い出すくらいの覚悟が必要なのではないでしょうか?」(同前)
フジから逃げ出す社員、これからを期待する社員
これからの番組制作についてはどうだろう。
「ロケ先から”今のフジテレビには協力できない”とお断りが来たり、番組制作を行う上での支障がたくさん出始めています。完全に番組が作れないという状況ではありませんが、どうなるんだろうという不安がありますね。
ただ我々の心配より、制作会社のスタッフさんに申し訳ないという気持ちのほうが強いです。
あと会見を見て、あまりにも世間の常識と乖離したお年寄りたちが会社を運営していたという事実にゾッとしたという若手社員が多いですね。実際に私のまわりでも水面下で転職活動をスタートとさせる同期も出てきているのも事実です」(フジテレビ社員Bさん)
いっぽうでは、希望を語る社員も。
「23日に行われた社員説明会では報道局の社員が、“テレビメディアがカメラ会見をしなかったことで、報道機関として自殺をしたと言われています。フジテレビは今後二度と取材相手に対し、カメラの前で説明するよう求められなくなったと言っても過言ではない”という意見が出たり、27日の会見でもフジテレビの記者がジャニーズ事務所の問題に切り込んだり、上層部に対してしっかり意見が言える社員がいることがわかって少しホッとしました。
第三者委員会に徹底的に追求していただければ、41年にわたり、会社の風土を作ってきた日枝さんの責任は免れないはずなんです。そもそもこれだけの規模の会社をお年寄りだけで運営しているという状況も世界的に見て、異常ですよね。
お年寄りだらけの上層部と、女子アナを連れて飲み歩くようなグレーな社員たちが一掃されれば、いい会社になるはずなんです。通常運転に戻りたい気持ちは山々ですが、まだまだ世間の皆さんにも批判の目を緩めていただきたくありません」(フジテレビ社員Cさん)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
写真/村上庄吾