日本人女性はお肉を食べたほうが長生きできる!? 肉類を積極的に摂る女性の死亡リスクが低下していた命に関わる重大な疾患とは
日本人女性はお肉を食べたほうが長生きできる!? 肉類を積極的に摂る女性の死亡リスクが低下していた命に関わる重大な疾患とは

肉をたくさん食べている日本人女性は脳血管疾患の死亡リスクが低下したというデータがある。ただでさえ肉類の摂取量が少ないと言われている日本人女性にとって適切なお肉の摂取量とは? どうすれば効率よく、たくさんのお肉を食べられるのか?

書籍『おいしく食べて、体ととのう まいにちの栄養学』より一部を抜粋・再構成しお肌のハリを保つためのオメガ3系脂肪酸の知識とともにお届けする。

「日本人女性は肉を食べる意識を持つ」

肉類はあまり食べないほうがよいという印象がありますが、日本人女性に限って言うと「食べる意識を持ったほうがよい」という研究結果が報告されています。

2020年に発表された日本人男女9万人を14年間追跡したコホート研究では、男女別の肉類摂取と死因別死亡との関連が示されています。

肉類を最も多く摂取していた男性のグループは最も少なかったグループと比較して総死亡リスクが高まっていましたが、肉類の摂取が最も多かった女性グループは最も少なかったグループと比較して脳血管疾患の死亡リスクが低下していたのです。

これは日本人女性の肉類の摂取量が少ない傾向にあることが起因していると考えられています。

大切なのは量と組み合わせ

肉類に多く含まれるたんぱく質は、血圧を適正に保つために必要な栄養素です。この研究結果は、たんぱく質は多すぎても少なすぎてもダメで、適切な摂取が重要だということを示しています。

といっても、男性グループの結果にもあるように、肉類をやみくもに食べていいというわけではありません。

大切なことは適量とその他食材との組み合わせ。2022年に発表されたデータでは、果物や野菜、食物繊維を多く含む食材、そしてマグネシウムを含む食材などの摂取量が少ない人が肉類を多く摂取すると、脳卒中のリスクが高まることが示されています。

肉類は私たちの体に必要だからこそ、野菜やきのこ類・海藻を組み合わせて食べる意識が必要です。そのため私は「肉類:野菜きのこ海藻=1:2」のバランスを推奨しています。

魚介類から脂質を摂る

脂質は細胞膜の材料になり、肌のハリを保つために重要な栄養素。だからこそ質を重視して選ぶことを私は推奨しています。脂質にはさまざまな種類がありますが、最も重要なのはオメガ3系脂肪酸。

これは体内で作ることができない脂質であるため、魚介類やえごま油、アマニ油などの食品から摂取する必要があります。

2020年のランダム化比較試験のメタ分析でも、日常的にオメガ3系脂肪酸を摂取していると心疾患リスクが低下するという結論が出ているので、青魚のお刺身や牡蠣やエビなどを日常的に摂取したいところです。

酸化脂質は美容健康の大敵

もう1つ知っておいていただきたい油がオメガ6系の脂肪酸です。おもにキャノーラ油や大豆油、サフラワー油、ごま油などに含まれています。

このオメガ6系脂肪酸も体内で作ることができない脂質であるため食品から摂取する必要がありますが、摂りすぎは体内での炎症を助長することがわかっています。オメガ3系:オメガ6系のバランスは1:4程度にするのが最適と言われています。

何より、油を選ぶうえでキーワードになるのは「酸化」です。酸化した油は心疾患リスクが上がるという研究データもあるため、特に酸化しやすいオメガ3系脂肪酸は非加熱で使用しましょう。

オメガ6系でもオメガ9系でも脂質は加熱することで多かれ少なかれ酸化します。油の種類にかかわらず揚げ油は使い回さないこと。炒め物等でも「圧搾一番搾り(コールドプレス)」と表示されたものを使うことをおすすめします。

写真/shutterstock

おいしく食べて、体ととのう まいにちの栄養学

あこ
日本人女性はお肉を食べたほうが長生きできる!? 肉類を積極的に摂る女性の死亡リスクが低下していた命に関わる重大な疾患とは
おいしく食べて、体ととのう まいにちの栄養学
2024/12/171,694円(税込)256ページISBN: 978-4816376498

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