〈7ORDER卒業・阿部顕嵐インタビュー〉「再結成…なぜこのタイミングで卒業する?」「グループ仲は?」「ファンについて」“アラン・ドロン”を目標にする本人にいろいろ聞いてみた
〈7ORDER卒業・阿部顕嵐インタビュー〉「再結成…なぜこのタイミングで卒業する?」「グループ仲は?」「ファンについて」“アラン・ドロン”を目標にする本人にいろいろ聞いてみた

昨年12月、6人組アーティスト「7ORDER」を今年5月末で卒業することを発表した阿部顕嵐(あべ・あらん)氏(27)。なぜ彼は、グループを離れて個人での活動に専念する道を選んだのか。

グループ活動の難しさ、仲間たちへの想い、そしてこれからの目標について、かつて阿部氏を“取材”した記者が直撃した。(前後編の後編)

「同じ船に乗っているけど、自分の人生もある」

――7ORDERを結成する際は、メンバーの誰かから声が上がったのでしょうか?

阿部顕嵐(以下、同) メンバー全員が事務所を辞めて、しばらくはバラバラの状態でしたが、以前から「また機会があったらやりたいよね」って話していたんです。誰か一人が言い出したというよりは、みんなが自然と「またグループで活動したい」という気持ちになっていったのが、きっかけだったと思います。

方針については、特定のことに絞っていたわけではなくて、「興味があることは全部やってみたい」という思いが強かったですね。

――グループで活動するには、いろんな難しさがありますよね。実際にそれを感じたことはありますか?

グループで活動するうえで、僕がいつも感じているのは、「自分だけじゃなく、メンバーの人生も背負っている」ということです。それぞれに責任があるんですよね。

ただ、みんなの人生を背負っているとはいえ、自分の人生とごちゃ混ぜにしてはいけない。このバランスを取るのが本当に難しくて、一つ間違えると、言い方はよくないかもしれませんが、“依存”のような、あまりよくない関係性になってしまうこともあると思うんです。

特に僕は幼い頃からグループで活動してきたので、その境界線がわからなくなってしまうことも多い。みんなが同じ船に乗っているけれど、それぞれに自分の人生がある……。これは、グループで活動している方々は多かれ少なかれ抱えている悩みなんじゃないかなと思います。

――「責任」という言葉が出ましたが、グループで活動する中で、個人の仕事をすることはどう考えていましたか?

僕が個人で仕事を受けたときも、メンバーは喜んで応援してくれましたし、逆にメンバーがそうした仕事をするときは、自分のことのように嬉しくなります。

たぶん、メンバー全員が思っていることだと思うんですが、「まずは自分が売れなきゃいけない」と感じているんです。「自分が売れて、グループを引っ張っていく」という責任感ですね。これは、昔からずっと持ち続けている感覚です。

グループって、ちょっと“家族”に近いのかもしれません。甘えるだけの関係ではなく、ちゃんと独り立ちして、支え合いたいと思える存在。でも、もちろん自分自身の人生もあるので、そのバランスをどう取るかが大事なんだと思います。

 グループ卒業を決めた理由「演技が好き、という気持ちが強くなった」

――阿部さんが7ORDERとして活動を始めたときに、正直、ファンの数は減ってしまったのでしょうか?

もちろん、僕としても再スタートだったので、ファンの数は減りました。でも、思っていたよりもずっと多くの方々が支えてくれたんです。正直、ファンがゼロになるくらいの覚悟は持っていたので。それでも、たくさんの人がついてきてくれたのは、本当に嬉しかったですね。

僕はこれまでいろいろなグループを転々としてきたこともあってか、昔から僕個人を応援してくださる方が多いんですよ。いただく手紙を読むと、「もう十何年応援しています」と書いてくださる方もいて……。それは、何よりもありがたいことです。

――阿部さんは芸歴も長く、芸能界には昔の仲間たちも多くいると思います。そんな仲間が売れていくことに対して、マイナスな感情を抱いたことはありますか?

以前までだったら、正直「悔しいな」と思うこともあったかもしれません。でも今はもう、素直に「頑張ってほしいな」と強く思っています。「一緒に頑張ろう」と、ただそれだけですね。

連絡を取り合っている仲間もたくさんいて、「また一緒に仕事できたらいいね」とよく話しています。いろんなことを乗り越えてきたからこそ、いつかまた共演できるように努力することが、今の僕にとっての使命なのかなと感じています。

――7ORDER卒業後は完全に1人で活動していくとのことですが、決断には何かきっかけがあったのですか?

また原点に戻って、1人で挑戦していきたいなと思ったんです。以前から自分の中に「演技が好き」という気持ちはありましたが、今ではその想いがもっと強くなっています。

年を重ねるごとに、「ちゃんと自分のやりたいことを突き詰めたい」という気持ちがどんどん強くなっていて。まだお芝居の仕事を本格的に突き詰められていないという思いがあるので、これからしっかり取り組んでいきたいと思っています。

「アラン・ドロンのように、世界でも活躍したい」

――そもそも、阿部さんが芝居を仕事にしたいと思ったきっかけは?

きっかけは、17歳の頃に人生で初めて主演を務めさせてもらった『近キョリ恋愛~Season Zero~』というドラマ作品です。主演に選ばれたことはもちろん嬉しかったですが、それ以上に「仕事としての大きな責任」を強く感じました。

子どもの頃から芸能の仕事はしていましたが、それまではどこか気が抜けていて、“部活気分”のような感覚もあったんです。でも、この作品がきっかけで、その気持ちが大きく変わりました。

これを機に、お芝居に対する熱意が一気に高まりましたし、当時、事務所の方から「君は俳優だよ」と言ってもらえたことも、大きな影響を与えてくれました。

――グループを卒業してご自身の道に進むことについて、メンバーと話し合いなどはされましたか?

もちろん、しっかり話し合いをしたうえでの、円満な卒業です。今でもメンバーとは仲が良くて、昨日も一緒にトレーニングしましたよ。

何度も話し合いを重ねた結果、快く送り出してくれたメンバーには、本当に感謝しています。これからも今までどおり、一緒に遊んだり過ごしたりすると思います。

――最後に、今後の目標について教えてください。

最終的なゴールは、自分の好きな人たちと好きな作品を作り、それを大きく世の中に広げていくことです。

それから、僕の「顕嵐」という名前は、親が世界的な俳優アラン・ドロンから取ったと言っていたんですよ。なので、そんな名前をつけてもらった以上、しっかり世界で活躍するのが自分の使命だと思っています。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
撮影/村上庄吾

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