〈日大また…〉「酒が全然出てこねえ、金払わないぞ!」打ち上げ会場でカスハラし出禁…逮捕された重量挙げ部の“元レジェンド”監督はコーチを丸刈り、練習に顔を出さないのやりたい放題
〈日大また…〉「酒が全然出てこねえ、金払わないぞ!」打ち上げ会場でカスハラし出禁…逮捕された重量挙げ部の“元レジェンド”監督はコーチを丸刈り、練習に顔を出さないのやりたい放題

日本大学重量挙げ部で起きた前監督による学費不正徴収事件で、警視庁に詐欺の容疑で逮捕された前監督の難波謙二容疑者は、コーチ時代は部を強豪校へ導いた“レジェンド”だったものの、監督就任後は「練習にも顔を出さない雲の上のような存在だった」という。難波容疑者の素顔に追った。

 

「練習に来なかった」インカレ優勝したらおごりで“ビールがけ”

25年3月まで現役部員だったA氏によると、逮捕された難波容疑者は、監督だった当時は現役部員との関わりが少なかったという。

「練習で直接指導されたことはありませんでした。ほとんど関わりがなかったというのが正直なところ。あっても学生に、あいさつ程度の一言。朝と練習終わりの最後にあいさつを軽くしていただいただけ。

雲の上の存在と報道されていますが、練習指導の現場を仕切っているのはコーチらで、よほどのことがない限りは日々の部活動には顔を出さなかったという意味です。コーチらを管理している遠い人のような存在でした。

コーチ陣に車の送迎をさせて、難波監督が車に乗って会場を出るときはコーチ陣がそろってお見送りするなど、まるで“組”みたいな状況でした。また、監督がコーチ陣にあたりが強い場面があり、『いつ俺に勝利を届けてくれるのか』など高圧的にコーチらに圧をかけていました。コーチ陣らも難波監督に常に気をつかっているような状況でした」

生徒から騙し取った金額は5300万円以上。金の使い道は私的な飲食やブランド品の購入、愛車である高級車のメンテナンスなどに充てていたという。A氏が振り返る。

「全日本インカレで優勝したら、寮内で難波前監督のおごりでビールがけをするという習慣がありました。

ご厚意と言えばそうですが、もしかしたら金の出どころが詐欺だったら嬉しくもなんともないですね」

難波容疑者はコーチらに指示し、本来1年目から学費がかからないところ「2年目以降スポーツ奨学生として申請予定。1年目のみお支払いください」とウソの請求書を保護者らに送付していた。振込先口座は重量挙げ部の口座だった。不正に得た一部の金は、難波容疑者の研究室にあるキャビネットに保管していたという。

 「日大重量挙げ部を、インカレで連覇する強豪校にしたのは難波前監督のコーチ時代の功績でした。そのため、コーチ陣は難波前監督に逆らえなかったと聞きます。一部のコーチは説明会にて部員の前で『俺は監督にやらされた。関係ない』『おれも被害者だ』と主張していました。警察相手にも『やらされた』と言っていますが、高級車を改造までして乗っている始末。関わったコーチ陣は本当のことを話して、きちんと処罰されて欲しい」(A氏)

「強豪校へ日大を導いた敏腕コーチだったのに…」

東京新聞の報道によれば、難波容疑者は試合で負けたことの責任として、当時のコーチを丸刈りにさせていたこともあったという。

日大重量挙げ部のOBで15年以上、難波容疑者と関わりがあるという男性は、難波容疑者の過去についてこう話す。

「アイツもコーチ時代は熱心で、部員と一緒に寝泊まりをするほどだった。選手を徹底管理し、練習をさせるタイプ。

ものすごい量の練習をさせていた。海外の練習方法を取り入れるなど、取り組みも先進的だった。その結果、日大を強豪校へと導いた敏腕コーチだった。

性格は本音と建前を使い分けせず、ぐいぐい突き進んでしまうタイプ。古いしきたりをどんどんぶち壊す行動力もあった。監督に就任した当時は現場に来ていたそうですが、時間が経つにつれてこなくなった」

そんな“レジェンドコーチ”が「どこで道を間違えたのか」と、肩を落とす。

「非常に残念ですよね。重量挙げに関わるOBなら、去年あたりから難波先生の悪いうわさを聞いていて、『逮捕されるんじゃ数人の先輩話が回っていました。いっぽうで、競技に関わらないOBはみな、びっくりした様子で。私も数人の後輩から『あのニュースって本当なんですか?』と何度か聞かれました」

悪態ついて飲食店から出禁状態

難波容疑者は近所でも問題行為を起こしていた。日大重量挙げ部の寮の近隣で、飲食店を営む従業員が告白する。

「体育会ということもあり実は5~6年前に重量挙げ部を出禁にしたんです。

学生の子たちは本当にいい子ばかりだった。だけど監督とコーチの態度が悪く、注意しても直りませんでしたので、苦肉の策です」

飲食店にコーチとともに団体で訪れた難波容疑者は、決まって3時間の“食べ飲み放題のコース”を利用した。運動部ということもあり「注文の量がとにかく多かった」と店主は話す。

「一つの料理を4皿ずつ頼むのも当たり前です。学生たちに喜んでもらえたらと思って提供していました。ただ、厨房も大きくはないのでどうしても料理に時間がかかります。それでも精いっぱい、急いでいるんです。

そしたら難波監督が『酒が全然出てこねえ』『料理が遅い! 金を払わねえぞ』と怒鳴りつけてくるんです。こっちも頑張って提供しているのに、なんでこんなことを監督さんやコーチに言われないといけないんだと。お客さまは神様ではないのにあの姿勢は指導者としてどうなのか、完全なカスハラでした」

店主によれば、学生たちは食べ飲み放題の時間が終わると店の外へ自主的に出るものの、難波前監督とコーチはずっと2階に残り続け、「客をなんだと思っている」などと聞こえるような声で言い続けたという。そして、この日以降、お店は日大重量挙げ部の予約を断るようになった。

「いつも電話で学生たちから予約を受けていたんだけど、それからは『もうごめんなさい。

予約はもう今後、お受けできません』と断るようになりました。すでに入っていた予約については、『取り消しでお願いします』と言った。断るこっちも辛かったですよ」

近隣店舗までに迷惑をかけてきた難波容疑者は逮捕後、警視庁の調べに対し「寄付金として保護者の了解を取り『もらったお金』という認識だった」と話し、容疑を否認している。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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