海外で働くことに夢を抱く人は多いだろう。アメリカ・ニューヨークでストリートブランド「Supreme」のテクニカルデザイナーとして働き、YouTubeで日々の生活やアメリカの経済情報についても発信するあっちさんの1日を知れば、具体的なイメージが湧くかもしれない。
書籍『ニューヨークとファッションの世界で学んだ 「ありのままを好きになる」自信の磨き方』より一部を抜粋・再構成し、ニューヨークでの毎日と、アッパー層が保有する別荘事情についても紹介する。
私生活も大切にするニューヨーカーの働き方
朝7時、レモンを白湯にキュッと絞って一杯。これが私の平日のスタートです。軽くストレッチをして、プロテインスムージーとサプリを摂取。8時15分には自転車で出勤です。
オフィスまでは自転車で、約45分かけて通勤しています。
最近は日本でも自転車を運転する際、ヘルメットの着用が努力義務になっているようですが、私もヘルメットはしっかりと着用しています。ただ、どうしてもヘルメットって脱いだ時に髪がボサボサになってしまいますよね。私もこれが長年、悩みの種だったのですが、最近はターバンを巻いてからヘルメットを着用する解決策を思いつき、これが結構気に入っています。
私の勤めるSupremeのオフィスがあるのが、ウエスト・ソーホー*という地区。ここでは、金融街とは全然違って、スーツを着ている人はほぼ見かけません。
私は自転車通勤なのでカジュアルな格好が基本です。時間のない朝、悩まなくていいように、トップスとボトムの色を揃えるのが私のスタイル。
さらにアクセサリーで抜け感を演出しますが、夏場は暑苦しく見えないようにシルバーや透明な物をよく使っています。
最近のお気に入りはヘアピン。耳や首周りに存在感のあるピアスがあると少し鬱陶しくなることもありますが、ヘアピンだと適度な艶感が顔周りに付け足せて、前髪もサッパリできるので色々なバリエーションのヘアピンを使っています。
また足元が変わるだけでかなり印象が変わるので、カジュアルになりすぎてしまったかな、という時には光沢のあるレザーシューズを選んで調節しています。
朝寝坊してスムージーを飲み損ねた時は、出勤後にオートミールにナッツとドライフルーツをトッピングして食べます。月曜日は会社で福利厚生の一環としてベーグルが提供されるので、スモークサーモンベーグルをコーヒーとオーツミルクで楽しみます。
普段は、グルテン(小麦粉)とカフェインをなるべく減らしているので、この週1回のベーグルとコーヒーに小さな幸せを感じています。
職場での飲み会はあまりない
Supremeではオフィス勤務が基本ですが、リモートで働く人もいます。テクニカルデザイナーの仕事は、サンプルをチェックしたり、フィッティングをしたり、オンラインではできない業務が多いため、週4回の出社はマストです。
ランチタイムは12時30分頃。お気に入りのランチスポットでサラダボウルを食べることも多いです。昼休みにYouTube用の撮影をすることもあります。
就業時間は、9時から17時まで。以前は9時半から18時までの勤務でしたが短縮されました。これは全体的にホワイト化が進んでいる傾向を示す一例です。わずか30分、勤務時間が短くなっただけと思われるかもしれませんが、17時に外に出られると、仕事が終わった後にできることが格段と増えてきます。
夏の間は「サマータイム制度」により金曜日が半日勤務になったり、隔週で金曜日が休みになったりすることもあります。こういった制度の根底には「仕事だけでなくプライベートも充実させよう」という考えがあり、それが結果的に仕事の生産性の向上や効率化につながるのかもしれません。
自転車での帰宅途中、スーパーに寄り、18時45分頃には夕飯づくりに取り掛かります。夕飯は30分以内で完成する「時短メニュー」が基本です。パートナーと一緒にNetflixを観ながらゴハンを食べて、その後はYouTubeのリサーチをしたり、動画編集をしたり、リラックスして過ごします。
たまに同僚と会社帰りにジムに行き、飛び込みでピラティスや、キックボクシングのクラスに参加することもありますが、職場での飲み会、いわゆる〝飲みニケーション〞はあまりないのも気がラクですね(私が誘われていないだけかもしれませんが……笑)。
「ていねいな暮らし」とはかけ離れているかもしれませんが、これが私らしい、ニューヨークでの平日の過ごし方です。
ニューヨーク流 休日の過ごし方
週末の朝はゆっくり起きて、自宅の庭でパートナーと朝食を取るのが、私たちの定番です。
私はよくシャクシュカ(トマトソースの上に卵を割り落として焼いたイスラエルでよく食べられる料理)やオムレツ、もしくはブリトーをつくります。
庭で朝ごはんを食べていると、鳥のさえずりが心地よく、初夏にはキツツキの声も聞こえてきます。リスやアライグマといった小動物に遭遇することも珍しくありません。
パートナーはキツツキに「ルチアーノ」、リスは「ズスカ」(スロバキア語でスーザンの意)という名前をつけて呼んでいますが、アライグマは「ラクーン(raccoon)」と、なぜか英語そのまま。今度、もしアライグマに遭遇したら、なにかちゃんとした名前をつけようと思います。
さまざまな人種が暮らすニューヨークでは、食文化も豊かで、グルメも大きな魅力です。私たちも休日のブランチには、月に1回の頻度で、まだ行ったことのないお店を探索しています。友人のバースデーパーティーに出かける週末の夜もありますが、予定がなければ、ストレッチなどをして適度に体を動かし、YouTube動画の制作に追われ、静かに過ぎていきます。
ここまでは私の地味な休日の過ごし方をお話ししてきましたが、ニューヨーカー、特にアッパー層の休日の過ごし方を語る上で避けられないのが「アップステート」です。
アップステートとは地名ではなく、ニューヨーク州の北部に広がる広大な地域のこと。ニューヨークシティ(NYC)からは、車で2~3時間の距離にあります。夏はハイキング、湖でのボート、水泳、冬はスキーなど、四季折々のアクティビティを楽しむことができます。
NYCのアッパーマス(準富裕層)は、高い確率でこのアップステートに別荘を持っています。アッパーマスの基準はだいたい年収20万ドル、日本円にして年収約3000万円の世帯といえばイメージがつくでしょうか。
平日は都市部でバリバリ働き、週末は自然豊かなアップステートで自然に癒やされ、エネルギーをチャージする……そんなメリハリのある過ごし方が、アッパー層のライフスタイルなのだと思います。
20代の頃に働いていた職場の上司にも、アップステートに別荘を所有している人がいました。けれど、当時の自分はお金もなければ、車も持っていない。「平日の激務で疲れ切っているのに、週末わざわざ時間をかけて移動するなんて面倒だ」。そんな風に感じていました。
一方で、「でも、私もいつかは、自然豊かな場所で週末を過ごすようになるのかな」などと漠然とした憧れも抱いていました。
しかし、「いつか」は、ただぼんやりと待っていても永遠に訪れてはくれません。「いつか」ではなく、行動するのは「今の自分」なのです。私も40代中盤になったこともあり、アップステートでの別荘購入を本格的に検討するようになりました。
とはいえ、今の私は節約家のミドル階級。
「これだ!」という物件には、いまだ巡り合っていませんが、これからは物件の下見を兼ねて、アップステートを訪れる機会が増えていくかもしれません。
アップステートの中でも、コールドスプリングという街は紅葉がキレイでハイキングにもおすすめ。またウッドストックもヴィンテージショップやカフェなどが充実しているかわいらしい街です。
日本では、「ニューヨーク」というとマンハッタンやブルックリンなどNYCのイメージが強いと思いますが、機会があれば、雰囲気が異なるアップステートに足を運んでみてください。
ニューヨークとファッションの世界で学んだ 「ありのままを好きになる」自信の磨き方
あっち
飾らない私を好きになる。自由に生きるためのニューヨーク流・思考と習慣
米国ニューヨーク在住23年目、「SUPREME」で働くテクニカルデザイナーが、最先端のファッション業界の厳しい競争社会のなかで見つけた、心のサバイバル術。
「生きづらさは言語化するとラクになる」「他人と比べない」「行動する前に考えすぎない」「理不尽に遭っても、気にする時間がもったいない」「いつでも夢を持っている」……etc.
「おしゃれ」「成功」「キラキラ」よりも、自分を助けてくれる“生きづらさの最適解”とは。華やかに見えるファッション業界のリアリティ、異国の地で困難にぶち当たったときに何をしたか、実体験を交えて綴る、生き方のヒントが詰まった一冊です。

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