集英社オンラインで昨年11月に報じたシールブームが、子どもたちの間でさらに過熱している。人気の中心となっている「ボンボンドロップシール」が入手困難な状況が続く中、クリスマスや年末年始の帰省、冬休みというビッグイベントで保護者たちの戦いが激しさを増している。
帰省先でもシール探し…さらに「ボンボンドロップシール」の次は「おしりシール」
過熱するシールブーム。小学1年生の娘を持つ都内在住の父親は、年末年始の帰省先でもシールを探し続けたという。
「冬休みに家族で浜松市に帰省したときもシール探しに明け暮れました。東京では見つけられなかったシールや、流行の透明のシール帳なんかが、100均とか文房具店に置かれていて、娘と狂喜乱舞しましたね(笑)。
シール売り場でたまたま昔の同級生に会ったりして、で、やっぱり向こうも子どもとシールを探していて…。『久しぶりじゃん! 元気にしてた?』なんて昔話で盛り上がったりしました。何より娘が大喜びだったのがよかったです」
もはや全国規模の展開となったシール探しの旅。入手困難な「ボンボンドロップシール」に続いて最近では「おしりシール」なるものもじわじわと人気を博している。動物などのシールのおしり部分がふくらんだシリコンのような素材になっており、触るとぷにっとした感触が楽しめるという。
SNSでも「姪っ子にお年玉と共にボンドロシールとおしりシールをプレゼント」「おしりシール買ってみたんだけどこれはハマる」などといった投稿が多くあがっている。年が明け、シールブームは新たな局面を迎えているようだ。
二人の小学生の娘を育てる都内在住の30代の母親のAさんも、令和のシールブームに巻き込まれたひとりだ。その存在を初めて知ったのは、昨夏だという。
「通っているネイルサロンでネイリストさんが『これめっちゃ可愛くないですか?』と見せてきたのが『ボンボンドロップシール』だったんです」
やがて近所のコンビニにも並びはじめたが、平成のシールブームを小学生時代に経験したAさんにとって500円を超える価格は高いと感じ、購入には至らなかった。その後、友人からもシール集めに誘われたものの「片っ端からコンプリートしたくなるから」と断ったという。
「始発電車で買いに行きました」という母親が話すブームの要因は
“異変”が起きたのは12月初旬。子どもたちがサンタクロースに宛てて書いた手紙を回収したところ、そこには「ボンボンドロップシールがほしい」とあった。さらに、普段子どもにおもちゃを一切買い与えないという方針のAさん宅では、クリスマスプレゼントは“たくさん”お願いしていいことになっているという。
「そのときは近所のコンビニからはなくなっていたけど、『大手雑貨店にはあるだろう』とのんきに考えていました」
大手雑貨店に買いに行き、そこで“大争奪戦”になっていることを知ったというAさん。店頭で「在庫なし」という状況を知り、さらに店員から「入荷があった場合はすごい列ができます」という事実を伝えられ、方々に電話しながら事態の深刻さを痛感したという。
「SNSや友達の力も借りながら、それでも入手できるのは数枚程度。必死に調べたら、お店によっては整理券を配布してることを知ったんです。つまり並べば買えますよね。だったらもう行くしかないと」
始発電車で原宿・竹下通りのお店に向かい、「絶対に転売ヤーだろう」と思われる客に紛れて先着順に並んだ努力が実り、結果的に多くのシールを入手できたAさん。
晴れてクリスマスツリーにシールを飾り、それをTikTokに載せたところ大バズリした。寄せられたコメントには、「うちは偽物しか来なかった」「いっぱいって言ったけど1枚しか来なかった」など、子どもたちの悲痛な叫びがあふれたという。
「子どもの話を聞く限り、今回のクリスマス、小学生は結構な割合でサンタにシールを頼んでたみたいです。でもほとんどの子が持ってきてもらえなかった。『偽物だった』とか『数枚だった』とか」
なぜここまでブームが過熱しているのか。Aさんいわく、ボンボンドロップシールの「ブランド」としての価値が背景にあるのではないかという。
「数ある『ぷくっとしたシール』の中でも『ボンボンドロップシール』は“ブランド”なんです。ボンボンドロップが1番です。その下に『うるちゅるポップシール』というのがあって、もう一個が『プチドロップステッカー』。この三つがシールの“御三家”っぽいんですよ」
さらに、手ごろな価格帯もブームの要因のひとつではないかと話す。
「コレクションってだいたいお金がかかりますが、シールは500円。趣味で集めるにしてはかなりライトな価格で、子どもだってお小遣いで買えます。
「2024年9月に『もちもちBIGおしりキーホルダー』という商品を発売し、おしりスクイーズが好評でした」
前出の「おしりシール」についてAさんに尋ねると、次のように分析した。
「1枚のシートにくっついてる『おしり』は大体2個なんです。だから友達とシール交換をする際のレートは高いです。ただ、おしりシールは『ボンボンドロップシール』のような特定のメーカーに対する“ブランド力”はなくて、基本的にそのへんで売られている海外製のものがメインという印象です」
「ボンボンドロップシール」を企画・販売する文具メーカー「クーリア」の担当者に話を聞くと、「おしりシール」は昨年5月に発売したという。
「韓国系の文具でアクリルにおしりがついたアイテムが当時人気だったので、当社でも2024年9月に『もちもちBIGおしりキーホルダー』という商品を発売しました。おしりスクイーズ(おしりの部分)が好評だったので、それをシールに落とし込み、2025年5月に発売しました。おしりシールは国内ではクーリアが初です。海外では先行品があるかもしれません」
見た目のインパクトから、「発売当初からおもしろ可愛いシールとして人気がある」という同商品は、シールブームの影響も相まってSNSでも投稿をよく見かけるようになったという。もともと人気の商品だったが、ブームの影響で在庫なしの状況が続く。
海外の模倣品が多く出回る状況については、次のように話した。
「当社のデザインを模倣した著作権侵害の疑義品に関しては見つけしだい対応しており、今後もそうしていきます。
新たなフェーズに入った“令和のシールブーム”からまだまだ目が離せない。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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