「大金を稼げる」セレブ系インフルエンサーがカンボジアで変わり果てた姿に…拉致、拷問、売春強要で薬物も…犯罪組織は皮肉にも「中華系」の闇
「大金を稼げる」セレブ系インフルエンサーがカンボジアで変わり果てた姿に…拉致、拷問、売春強要で薬物も…犯罪組織は皮肉にも「中華系」の闇

ブランド品を身にまとった豪華な生活を公開していた中国のセレブ系インフルエンサーが「大金を稼げる」と誘われて渡ったカンボジアの路上でぼろぼろの身なりで発見され中国で衝撃が広がっている。特殊詐欺などを扱う中国系の犯罪組織が拠点を置き、「犯罪インフラが産業になっている」とまでいわれるカンボジアで、若いインフルエンサーに何が起きたのか。

本人は「高収入の仕事」に誘惑されてカンボジアに来た

インフルエンサーは中国のSNS「抖音(ドウイン)」で2万人以上といわれるフォロワーを持ち「Umi」の名で活動していた女性。

福建省出身の2005年生まれで20歳と伝えられ、タトゥーを入れた細身の体にブランド品を身に着けた優雅な生活ぶりを売りにするショート動画で人気を集めていた。

「中国のSNSなどによればUmiさんは昨春カンボジアに入国しています。その後、昨年末になって路上でボロボロになったUmiさんの姿やパスポートの写真が拡散し、今年になって中国政府が保護したと国営通信社、新華社が報じました」(社会部記者)

写真のUmiさんは全身がやせ細り、レントゲン写真のようなものを持って長い髪を振り乱し路上に座り込んでいる。ジャケットを着て下半身は短いパンツ姿で、脚やひざには内出血していているのか黒ずみが確認できる。

サングラスを上下逆さにかけてうつろな目をしており、精神的に不安定な状況にあるようにも見える。動画の中で輝くUmiさんとはかけ離れた姿になっていた。

新華社によれば、在カンボジア中国大使館は1月3日にシアヌークビルの病院にいたUmiさんを保護し、別の病院へ移送する手続きを取った。本人は「高収入の仕事に誘惑されてカンボジアに来た」と話したという。

「彼女はカンボジアから家族に送金を何度も頼み、Umiさんが中国内にいると思っていた家族は応じていたそうです。

中国メディアによると父親は昨年12月26日にもUmiさんと連絡を取り、『足が痛い』と言われて治療費を送金しました。しかしその日に親族がSNSに投稿されたUmiさんの変わり果てた姿に気づき、両親に連絡したといいます」(同)

逃げようとすれば鉄パイプで殴られたり電気ショックも…

Umiさんは保護された後、薬物検査で複数の陽性反応が確認され、さらに肺疾患を患っていると報じられている。この間の経緯については謎が多いが韓国紙、中央日報は「Umiさんが現地の犯罪組織に拉致されて暴行や拷問、性売買を強要された末に脱出し精神に異常をきたした状態で路上をさまよっていた」と報じている。

これを受け、中国大使館は自国民に、高額報酬をちらつかせる求人は「オンラインギャンブル、電信(特殊)詐欺、ポルノ、ギャンブル、麻薬などの違法性があるものが多く、暴力的虐待や命に関わる危険性が非常に高い」との警告を出した。

中国がこうした警告を出す背景には、カンボジアが政府の黙認や支援の下、特殊詐欺などを手掛ける多くの犯罪グループの拠点になっているという疑惑が次々明るみになっていることもある。

「日本の警察も最近、カンボジアで日本人の詐欺グループメンバーの逮捕を繰り返していますが、これは氷山の一角で、カンボジアには各国から特殊詐欺の“掛け子”など犯罪に従事する人間が約10万人も集められているとの推計もあります。

特にUmiさんが保護されたシアヌークビルのある地域は“コールセンターシティー”と呼ばれ各国から送り込まれ監禁されたまま電話をかけまくる掛け子が暮らすマンションが並ぶ地域です。

“成績”が悪かったり逃げようとしたりすれば、鉄パイプで殴られたり電気ショックによる拷問が常態化しているとみられています。死なせてしまった掛け子の遺体は焼いて消されるとの情報も伝わっていて、もはや犯罪はカンボジアの国家産業となっていると言えるほどです」(全国紙海外部記者)

皮肉なことに、カンボジアに進出した最大の犯罪組織は中国系だ。

「首都プノンペンに本社がある中国系企業プリンス・ホールディング・グループは不動産開発などの複合事業を謳っているものの、特殊詐欺や人身取引などに関与したとしてアメリカ政府が制裁を科しています。

このグループは“アジア最大級の国際詐欺組織”と見られ、トップであるチェン・ジー会長について、カンボジア政府は1月7日、中国当局の要請に基づいて拘束し、身柄を既に中国に引き渡したと公表しました」(同)

SNSの人気者が悲惨な姿で見つかったことに大きく動いた国際的な捜査。カンボジアの闇は解明されるだろうか。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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