〈本人インタビュー〉「阻止するの何回目やねん」兄のかまいたち山内健司も驚いた、ファミマ店長の弟の振り込め詐欺阻止の技 被害に遭う人は「ちょっと頼まれて」と言って送金
〈本人インタビュー〉「阻止するの何回目やねん」兄のかまいたち山内健司も驚いた、ファミマ店長の弟の振り込め詐欺阻止の技 被害に遭う人は「ちょっと頼まれて」と言って送金

SNSや電話を使った特殊詐欺と投資詐欺、ロマンス詐欺の被害額は昨年、警察庁が把握しただけで前年の1.6倍の約3241億円にのぼり、最も身近な犯罪として猛威をふるっている。そんな詐欺にかかり送金しようとする人に声掛けし何度も被害を防いできた“達人”がいる。

島根県にあるファミリーマート松江学園南店の店長で、人気お笑いコンビかまいたち」の山内健司さんの弟でもある山内剛さん(38)がその人だ。被害を少しでも減らすことができるならと、詐欺師の手口や注意点を教えてくれた。

被害阻止は10回、コンビニ店長が見抜く詐欺のサイン

剛さんは、振り込め詐欺の被害阻止で有名で、その実績は警察から感謝状を贈られた回数がなんと9回。

2024年9⽉には島根県警松江署が剛さんを初めての「阻⽌の匠」に認定し、昨年3月には警察庁の「特別防犯対策監」を務める歌手・俳優の杉良太郎さんが激励に店を訪れたほどだ。

すごい実績だが、どうやってだまされそうな人を見分けているのだろうか。

――初めて被害を防いだのはどういう状況でしたか?

山内剛さん(以下同)
 最初に表彰されたのは平成30年(2018年)です。高齢の方が5、6万円の高額な電子マネーを買われようとして「これは大丈夫ですか」みたいにお声がけしたら、お答えできなかったんです。そこで(異変に)気づきました。

これまでの経験から、被害に遭う前の方は8、9割が「ちょっと頼まれて」みたいにお答えになります。

――「頼まれた」と返事する人の送金をどうやって止めるのですか?

「今こういう詐欺が増えてますんで、交番にちょっと話を聞いてもらって、それから買ってもらってもいいですか」という感じですね。

「警察」と言うと、悪いことしてないのに自分が警察呼ばれる、みたいな感覚に(お客さまが)なっちゃうので、ちょっと丸くして「交番」と言うようにしています。

――詐欺はどんな手口なんでしょうか?

コンビニでは電子マネー(カード)を購入させる方法がほとんどです。

ファミリーマートなら「POSAカード」を買わせたり、マルチコピー機で発券依頼をしてレジで受け取った番号をSNSで送らせる、という方法です。

以前は電話も使われましたが、最近は送金要求もカード番号の連絡もSNSですね。最近多い警察官を名乗る手口は電話を使うんでしょうけど、コンビニを使って狙われるのはほとんど(電話の)やり取りはないみたいです。

あと、女性が男性をだますケースは要求額は高いですが、最近は3000円とか5000円という少額を何かの手数料名目でし、それに応じて送ってしまうとまた次も要求してきて、という手口が多くなっていると感じます。

「いやもう何回目やねん」兄・山内健司さんからツッコミも

――「交番に相談してみては」とアドバイスすれば、みなさん我に返りますか?

大体は聞いてくれるんですけど、「急いでるから」とか、うちで買わずに他店で買うから、みたいな感じで帰られる場合もあります。

その場合は警察の方に「こういうお客さんが来たので、注意してもらっていいですか」って伝えます。

でも、買わないでくださいねっていう言葉を聞いて帰ったけど別の店で買って、またうちに買いに来たりとか。同じ人がいろんな手口で何回もだまされるケースもあります。

うちでは最高で、同じ方に3回声掛けしてその都度阻止したこともあります。

――同じ人ですか。一度被害に遭った人がその後もカモにされているんでしょうか?

正直、そうだとは思いますね。その方のLINEを見せてもらったんですけど、日本語がちょっと怪しい、多分外国からきた“それ系”のメッセージがもう20件とか30件とかありました。

多分(詐欺グループに)横のつながりがあって、1回だまされた人(のSNSアカウント)が出回り、「どれか引っかかればいいや」みたいにメッセージを集中的に送り付けて狙われているのだと思います。

私だけでなく店舗のスタッフさんが被害を防いだこともあり、警察を呼ばなかったこともあるのでこれまで接したのは20人は超えていると思います。

――それだけ実績があって、警察から10回も感謝状を受けたり激励されたりしているので、地域の方も店長さんをよくご存じでしょうね。

普通の人よりは知られていると思いますけど(笑)。

兄さん(山内健司さん)からも、表彰されるたびに「いやもう何回目やねん」とか「もうもらわなくてええやろ」とか「全国で1番ちゃう?」とかツッコまれてます。

――――

昨年激励に店を訪れた杉良太郎さんは「山内店長の意識の高さはコンビニ店長とは思えない、まるで担当の警察官と話しているようです」と絶賛したという。

後編では、詐欺集団の巧妙な手口や、コンビニ店長として防犯にかける思いを聞いた。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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