「ついに不動産バブル崩壊か――」。そんな見出しが飛び交う中、東京の中古マンション価格が37カ月ぶりに下落した。
5億円で売り出されていた部屋が3億3000万円に
「ついに不動産バブル崩壊か――」
不動産シンクタンクの「東京カンテイ」が3月24日に発表した、東京の中古マンション価格が話題となっている。
東京都心6区(千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・渋谷区)の中古マンション価格が前年同月比0.2%減となったのだ。マイナス幅は小さかったとはいえ、下落は37ヶ月ぶりのこととなる。不動産業界のみならず、大手メディアにも取り上げられ、業界内外で大きな波紋を呼んだ。
都心の不動産価格のバブルの崩壊の兆しだとして象徴として取り上げられるのが、三井不動産と三菱地所が25年に分譲した超高級マンション「三田ガーデンヒルズ」(東京都港区)だ。
70平方メートルあたりの換算価格は前月と比べて10%(約5100万円)下がったとされている。不動産仲介サイトに掲載された物件では、5億円で売り出されていた部屋が3億3000万円と、一気に1億7000万円も下げられたというのだからおだやかではない。
東京の不動産ブームを盛り上げた、東京五輪の選手村跡地、晴海フラッグでも怪しい気配が漂っている。
5億円で売りに出されていたタワー棟のペントハウスが4億4900万円と、こちらも5000万円引きとなっているのだ。不動産仲介サイトでは、晴海フラッグの部屋の価格改定が相次いでおり、さながらバーゲンセール会場のようになっている。
東京カンテイは「流通戸数が直近の最多を更新し続けており、価格改定シェアも直近のピーク目前まで迫りつつある」と指摘。在庫が積み上がり、売れないことで値下げをしているという、パニック状態が浮かび上がる。
値下げの大波は郊外にも波及している。
価格差の広がりを生み出している売り主の強欲な姿勢
2月に竣工したばかりの「幕張ベイパーク ライズゲートタワー」(千葉県千葉市)も、高層階の部屋が次々と数百万円の値下げとなっている。
新築マンションでも、「ヴェレーナシティ相模原」(神奈川県相模原市)がファミリータイプで5348万円から約4300万円となり、既に購入した人は1000万円を損した形となっている。「不動産相場は右肩上がりで、二度と価格が下がることはない」という、アベノミクス以来の常識は覆されつつある。
都心から郊外まで一斉に始まった値下げラッシュは、不動産バブル崩壊の兆しなのか。もっとも、不動産のプロの視線は冷静だ。大手不動産デベロッパーの社員であるA氏は「バブル崩壊は騒ぎすぎだ」と断言する。
一体、どういうことか。データをつぶさに見ていくと、不動産市場の現状が浮かび上がってくる。東京カンテイのデータはあくまで「売り出し価格」をもとに計算したもので、実際の売買に用いられた数字ではない。
実際の売買に用いられるデータを見ると、まったく違った景色が広がる。
首都圏の中古マンションの「新規登録価格」は2月までの1年間で5037万円から6294万円へと約25%上昇しているが、「成約価格」は4985万円から5458万円と、上昇幅は9%程度にとどまる。
新規登録価格と成約価格の差は、1年間で52万円から836万円と、実に16倍に増加している。これは2月だけが特殊だったのではなく、1年間かけてジリジリと広がっていたのだ。
「ワニの口」とも呼ばれる、価格差の広がりを生み出しているのは、売り主の強欲な姿勢があるとA氏は説明する。アベノミクス以降の長年にわたる右肩上がりの不動産相場の中、都心部では買った価格よりも高い価格でマンションが売れることは当たり前となった。
特に新型コロナ禍以降は、「今買わなかったらもっと上がる」という先高観が浸透し、買いが買いを呼ぶ展開が続いた。こうした状況が続く中、「欲をかいた一部の人々が相場よりも高い強気の価格を提示するようになった」とA氏は話す。
例えば、前述の晴海フラッグ。かつて本コラムでは最上階の部屋が8億円で売りに出されていたことを伝えたが、A氏は「『こんなに価値が高いマンションですよ』と宣伝するための値付けで、本気であの価格帯で売ろうと思っていたとは考えにくい」と話す。
「相場に合っていない物件は売れなくなっただけ」
今回の5000万円引きとなった部屋も、「港区や千代田区の都心ならともかく、中央区と言っても駅から徒歩20分の埋立地のタワマンに4億円や5億円なんて価値があるわけない」(A氏)。
転売目的で購入した人や業者が、右肩上がりの相場に乗じて実際の価値よりも高い価格を提示し、在庫となったので徐々に売値を切り下げているとみるのが自然だという。
これは郊外でも同様だ。幕張ベイパークは販売当初、ファミリータイプでも5000万円台からという割安感のある価格からマンション系の有名インフルエンサーがおすすめしたことで人気が出た。
もっとも、京葉線の海浜幕張駅から徒歩15分程度と離れており、都心で働く共働き世帯にとっては少しクセのある物件だった。「80㎡の部屋が7000万円で買えるから割安なのであって、9000万円出して買おうという人はなかなかいないのでは」とA氏は指摘する。
相模原の新築物件も、駅からは徒歩13分と距離があり、周辺相場から乖離していた。「不動産の情報が素人でも簡単に手に入るようになった結果、情報の非対称性が増え、中古・新築問わず相場に合っていない物件は売れなくなっただけ」(A氏)。
もっとも、足元では「成約事例」を人工的に作り出す業者も出てきているから油断がならない。3月、日本橋のマンション「ザ・パークワンズ日本橋人形町」の80㎡の部屋が3億6500万円で売れたという事例は、不動産業界を超えて大きな話題となった。
同物件は賃貸用であり、設備も投資効率を抑えるために最低限となっており、一般的にイメージされる「3億円超の高級マンション」とは雲泥の差だ。実際に取引を行ったのは法人であり、成約事例を作って相場を引き上げたいという狙いがあった可能が指摘される。
「ここまで目立つのは珍しいが、過去には晴海フラッグや湾岸エリアでもこのような取引形態がよく見られた」とA氏は話す。
正しい価格が読めない狂乱相場の中、これからマンションを買おうという人々はどうすれば騙されずに済むのか。こう悩む人は多いだろうが、A氏は「多少割高であっても、買ってくれる客がいれば成立するのが相場だし、いちいち指摘することはない」と話す。
誰も信じられない世界だが、A氏がおすすめするのが、「相場感」を磨くことだという。買いたいエリアの物件がある場合、不動産ポータルサイトの新着情報を毎日チェックしていれば、高いか安いかがわかってくるという。
もっとも、「誰の目から見ても割安な物件なんてものはない」というのもまた事実。金利上昇や中東情勢の混乱といった不透明な情勢でも、価格相応の物件は順調に売れているという。
強欲な売主に騙されないぞと力んでばかりだと、さらに買い時を逃してしまう可能性は高そうだ。
文/築地コンフィデンシャル

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