なぜ「ブランドもの」は高くても人気があるのか…ただの「目印」から、特別な価値があるという「信頼」へと変化したブランドビジネスの背景
なぜ「ブランドもの」は高くても人気があるのか…ただの「目印」から、特別な価値があるという「信頼」へと変化したブランドビジネスの背景

「なぜこの商品はこんなに人気なのか?」「どうしてこんなに高いの?」そんな疑問を感じたこともあるだろう。その答えは「ブランド」の力にある。

牛への焼印とされているブランドの起源から、誰もが知るナイキの魅力まで、マーケティング領域における、ブランドが持つパワーについて解説する。

本記事は書籍『13歳からのマーケティング』から抜粋・再構成したものです。

商品・サービスは「ブランド」になりたい

商品やサービスには名前があります。それは、ただの1つの名前ではなく、「ブランドの名前」になっていることが多いでしょう。ブランドは、ビジネスでとても大事なものです。

ブランドは、どうして大事なのでしょう?

そもそも、ブランドって何でしょう?

これらの答えを見つけるために、ブランドについて学んでいきましょう。

ブランドを知ると、「どうしてコレの値段はこんなに高いの?」や「なんでそんなに人気なの?」の理由もわかります。

ブランドは目印

「ブランド」という言葉は、さかのぼってみると、もともと「誰がつくったものか」を明らかにする“目印”のことでした。いろいろな説がありますが、大きな牧場で何人かの人たちが牛を飼っていたとき、どの牛が誰のものなのかわからなくなることがないように牛のお尻に焼き印を入れたのだそうです。

その焼き印を入れる「バーンド」という単語から「ブランド」という言葉が生まれたと言われています。

ブランドは、誰がつくったものかを一目でわかるようにするものです。さらに、ある焼き印の目印が入った牛が、特別に美味しいミルクをつくれたり、美味しいお肉だったりしたら、その目印は「これは品質が良い」という信頼の証になっていきますよね。

そうして、ブランドのロゴやマークは「良いもの」であることを保証したり、アピールしたりする役割を持つようになっていきました。

商品・サービスは、多くの人に「ブランド」として認められ、「良いものだよね」「他とはちがう特別な価値がある」と信頼されることを目指している、と言えます。

ブランドにはメッセージが込められている

意識して見てみれば、私たちの身の回りにはブランドのロゴやマークがたくさんあることに気づけるはずです。机の上も、カバンの中も、家も、駅や電車も、街中も、ブランドだらけです。

「ブランドもの」という言葉があることから、ブランドと聞くと高級品のことだけのように誤解しやすいですが、ブランドはもっと幅広くあるものです。高級なブランドもあれば、コスパに優れていてお得なブランドも、日常や生活を助けてくれる便利なブランドもありますよね。

アメリカの「ナイキ」は、世界で1番有名なスポーツブランドであり、スポーツだけでなくファッションブランドとしても、私たちの日常を支えてくれています。

ナイキがどんなブランドなのか、は「Just Do It.」という有名なメッセージに表されています。これは1988年のテレビCMから、いまでもずっとブランドを象徴するメッセージとして、広告やお店、商品のパッケージなどで使われています。

挑戦する人を後押しするメッセージ

「Just Do It.」には、「やってみよう」「完璧じゃなくていいから、とにかく行動してみよう」「小さな勇気を持ち、一歩を踏み出してみよう」など、挑戦しようとする人の背中を押す意味がこめられています。人の挑戦を応援して支えていくブランドが、ナイキになるわけです。

だから、スポーツの場面はもちろん、勉強や仕事など、私たちの日常生活のさまざまな場面でもサポートしてくれるブランドになっているのです。

ナイキという大きなブランドの中には、いろいろな小さなブランドがあります。「バスケットボールの神様」と呼ばれたマイケル・ジョーダン選手の名を冠したブランド「エア・ジョーダン」は、ナイキを代表するブランドですね。

また、アメリカの大統領が乗る飛行機の呼び名に由来している「エア・フォース1」は、ナイキの歴史上1番売れているスニーカーのブランドです。こうしたさまざまな小さなブランドから、具体的な商品がつくられています。

文/永井竜之介

マーケティング用語と解説

【パーパス】
会社や商品・サービスが「何のためにあるか」や「何を目指しているか」など、ビジネスの存在意義・目標・志を意味します。このパーパスをもとに、ブランドはつくられます。

【ブランド機能】
ブランドには、商品・サービスをつくったのは誰かを明らかにし、優れたものであると保証し、魅力を発信する、といった機能があります。

【親ブランド/子ブランド】
会社全体や複数のカテゴリーにまたがるような大きなブランドを「親ブランド」と呼び、その一部として、限定された商品・サービスを展開する小さなブランドを「子ブランド」と呼びます。子ブランドは、親ブランドの知名度や信頼を活かしながら、ターゲットに合わせた商品・サービスをつくって届けます。

人の“行動”と“心理”が見えてくる 13歳からのマーケティング

永井 竜之介
なぜ「ブランドもの」は高くても人気があるのか…ただの「目印」から、特別な価値があるという「信頼」へと変化したブランドビジネスの背景
人の“行動”と“心理”が見えてくる 13歳からのマーケティング
2026/1/261,650円(税込)236ページ978-4868380306

「つい買っちゃうってどういうこと?」
「スマホを見ていると、どうしてこんなに広告が流れてくるの?」

みんなが商品を買ってしまう行動、逆に商品を買わせる戦略、そしてそれらを含めた大きなビジネスの仕組み=“マーケティング”をやさしく、わかりやく、イラストと事例を交えて紹介しているのが本書です。
「どうしてポケモンは親子でハマるのか?」「考察で盛り上がり視聴率や売り上げが伸びるドラマやマンガの仕掛け」「安さよりも楽しさでお金を使う心理」など、言われてみると気になる人や世の中のカラクリが見えてきます。
子どもも大人も知っておきたい、ビジネスにも使えるお金・欲求・面白さにまつわる人の行動と心理の話が満載です。

【目次】
第1章 マーケティングってなんだろう?
第2章 ビジネスの種をつくろう
第3章 商品を売るために何をする?
第4章 商品はどうやって広める?
第5章 ブランドはどうして大事なの?
第6章 人の「つい買っちゃう」心理を知ろう

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