〈花見の名所で女性にガブッ〉「歯がなかったので大きなケガはなく…」かみつき男(89)がパトカー連行中に突然死亡「ツバも吐きつけてきた」…司法解剖の結果は?
〈花見の名所で女性にガブッ〉「歯がなかったので大きなケガはなく…」かみつき男(89)がパトカー連行中に突然死亡「ツバも吐きつけてきた」…司法解剖の結果は?

兵庫県川西市にある桜の名所「エドヒガンの森」で5日、女性(49)の腕に噛みついたとして、無職の男性(89)=大阪府池田市=が暴行の疑いで逮捕された。ところが、逮捕された男性の容態は連行中に悪化し、搬送先の病院で約1時間半後に死亡したという。

一体何があったのか。関係者を取材した。

「ツバ」を飛ばしてきたりするなどかなり反抗的だった

事件が発生したのは、4月5日午後1時過ぎ。事件の舞台となったのは、兵庫県川西市水明台1丁目にある「エドヒガンの森」。春になると斜面一帯が淡い桜色に染まり、川西市も景観ビューポイントとして紹介している桜の名所だ。

川西市役所の担当者が語る。

「エドヒガンの森には、桜が全体で約250本あり、民間団体が維持管理しています。毎年10日間ほど一般公開されており、市民がウォーキングや桜を楽しめるスポットという位置づけになります。今年の公開期間は3月27日から4月5日までで、人出は例年になく多く、4000人を超える来訪がありました。事案は一般公開の最終日に起きました」

同日午後1時23分、署に「70代から80代くらいの男と子どもがモメていて、噛みつくようなことをしている」との110番通報が入った。署員らが急行したところ、実際にモメていたのは子どもではなく、川西市内に住む49歳の女性だった。

目撃者も多く、警察官が状況を確認したうえで、午後1時53分に男性を暴行容疑で現行犯逮捕した。逮捕時の状況について、捜査関係者は次のように説明する。

「被害者の女性は右の前腕部を噛まれていました。ただ、男性には歯がほとんどなく、歯茎で噛んだような状態だったため、赤みはあるもののケガはなく、傷害ではなく暴行での逮捕になりました。もし歯があって出血していれば、傷害になっていました」

逮捕後、警察官は男性をパトカーまで連行しようとしたが、現場は谷のような地形で、パトカーが待機する道路までは約200メートルの山道のような散策路を登る必要があった。当初、署員2人が両脇を抱えて歩かせようとしたが、男性は拒否する姿勢を見せた。

そして、施設管理者が貸し出した担架を使用することになったという。担架にはおとなしく乗ったため、警察官ら計6人がかりで担ぎ上げた。

「すぐにしゃがみ込んでしまい、動こうとしませんでした。体調不良で座り込んだというより、連行を嫌がっていたとみています。どういった言葉を署員とやりとりしたかは不明だが、拒否する姿勢は明らかだった。担架で連行中もツバを飛ばしてきたりするなど、かなり反抗的だったとも聞いている」(捜査関係者)

運搬中、男性は意識もしっかりしていたという。捜査関係者によれば、当時の様子は「拘束は手錠のみで、ベルトで固定したり、身体を押しつけたりといったことはしていない」としている。

後部座席に乗せた際に顔色が急に悪くなって…

異変が起きたのは、山道を登り切り、パトカーの後部座席に乗せた直後だった。

「担架から降ろし、警察官2人が両脇を抱えて後部座席に乗せた際に、顔色が急に悪くなっていました。呼びかけても反応がなく、明らかに意識レベルが低下していた」

署員はその場ですぐに119番通報を行い、救急車を要請した。救急車の車内に収容された段階で釈放の手続きを取り、手錠を外した。男性は病院へ緊急搬送されたが、同日午後3時28分に死亡が確認された。

男性の死を受け、兵庫県警は司法解剖を実施。川西署は、その結果を次のように述べた。

「司法解剖はすでに終わっており、結果として事件性はなく、内因性のものに起因する死亡という判断でした。外傷や外からの身体的圧迫など、外的要因によるものではないということです」

警察側は、過度な制圧や身体への圧迫はなかったとの認識を強調している。

「特に制圧行為をしたわけではなく、担架で運搬し、触れたとしても両脇を抱えて車に乗せる程度であり、被疑者に対して圧をかけたり押しつけたりした事実はないと認識しています」

男性の持病や病歴についてはプライバシーの観点から公表されていない。川西署は「目撃者がいて事実関係も明確であり、適法に対応した」としている。同署は今後、さらに必要な捜査を進めた上で、容疑者死亡のまま暴行容疑で書類送検する見通しだ。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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