関空はしか35人感染 はしか(麻疹)の集団感染、なぜ起こったか

関空はしか35人感染 はしか(麻疹)の集団感染、なぜ起こったか

麻疹ウイルスによる感染症はしか(麻疹)の集団感染が相次いでいる。去年WHOからはしかが排除状態にあると認定されたばかりであったが……。なぜ現在はしかが国内で集団感染しているのか、かからないためにはどうするべきかの予防対策などまとめてみた。

そもそもはしか(麻疹)ってどんな病気?

麻疹ウイルスによる感染症で、感染すると10~12日の潜伏期間を経て熱やせき、鼻水など風邪のような症状が表れる。目やにや目の充血が多くみられ、発熱から2、3日後に顔や体に発疹が出ることが多い。重症化すると肺炎や脳炎などの合併症を起こし、死亡することもある。感染力が強く、空気感染のほか飛沫(ひまつ)や接触によっても感染。免疫を持たない人が感染するとほぼ100%発症する。特効薬はないが、日本では昭和53年から定期接種となっている予防接種で、発症や重症化を防ぐことができる。
はしか、感染拡大の恐れ 1週間で患者27人…関空から関東へ?封じ込め急務-livedoorNEWS

推定感染地域が共通の場所と考えられた麻しん報告例について-NIID国立感染症研究所

止まらないはしか(麻疹)の集団感染… 関空では感染者は報告されているだけでも35人、音楽フェスでも…

そんな感染力の強いはしか(麻疹)だが、現在日本各地で集団感染が相次いでいる。報道によると、7月下旬に関空利用者6人がはしかに感染し、そのうちの一人が千葉で行われた大規模なコンサートに参加。その後、関西空港で最初に感染していた20代の職員から感染が広がり、9月4日現在では感染者は35人にも及ぶと言われている。


過去にはWHOから「はしかが排除状態にある」と認定されたが… なぜ集団感染につながったのか?

日本は世界保健機関(WHO)から昨年、土着のウイルス株がない排除国として認定を受けたばかりである。なぜ今回このような集団感染につながったのか……。それは旅行先の他国で感染したといわれている。特にインドネシアやモンゴルなどアジアの国々に渡航暦のある患者が目立っているという。毎日新聞社の報道によると、最初に感染が発表された患者の男性は、発症の10日以内にインドネシアのバリ島を訪れていたそうだ。

更に、高い感染力を持つはしか。くしゃみや咳などで感染する「飛沫感染」とは異なり、「空気感染」であるため、小さく軽い粒子が浮遊している状態の中で感染する病気であり、非常に感染しやすい。更には、はしかを発症した1人ははしかに免疫のない12~18人もの人たちに感染させてしまう恐れがあるという。
空港で起こった麻疹の集団感染…その対策の難しさ - ヨミドクター

はしか(麻疹)になりたくない! 予防対策ってあるの?

はしかはマスクや手洗いだけでは予防するのが難しく、ワクチンが有効な予防法だといえる。ワクチンは原則として定期接種の対象となる1歳児、小学校入学前1年間の幼児、中学1年生、高校3年生相当年齢の人だが、それ以外も麻疹にかかったことがなく、ワクチンを1回も受けたことのない人は、かかりつけの医師に相談すべきという。また1990年4月2日以降に生まれた人は、定期接種として2回のワクチンを受けることになっているが、それ以前に生まれた人は1回で済ませている場合が多く、免疫が弱まっている恐れがあるそう。なお、すでに妊娠中の人はワクチンを受けられない。麻疹流行時には外出を避け、人ごみに近づかないようにするなどの注意が必要だ。

厚生労働所による麻しん(はしか)に関するQ&A

「はしか(麻疹)をなくすために…」 世界で取り組まれていること

ユニセフ・WHO・米国赤十字社、米国疾病予防管理センター(CDC)、国連財団などが2001年から「はしか対策キャンペーン(はしかイニシアティブ)」が行われてきた。これは、はしかによる死亡を世界的に減少させることを目標にしたもので、現在でも世界各地で特定の年齢層の子供たちすべてを対象に予防接種が行われているそうだ。
はしか予防接種キャンペーン-unicef

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