
伊調馨選手に国民栄誉賞! 姉・伊調千春との最強の姉妹愛エピソードまとめ
9月13日、政府がレスリングの伊調 馨(いちょう かおり)選手へ国民栄誉賞を授与することを決定したというニュースが報じられた。前回のブラジル・リオネジャネイロオリンピックにて女子レスリングでの4連覇を達成した伊調選手の立派な功績が称えられての授与決定になった。そこで今回のニュースだけでなく過去に授与を受けた選手についてもまとめた。
オリンピック4連覇達成! レスリング伊調馨選手に国民栄誉賞授与決定
2016年夏のリオネジャネイロオリンピックで女子レスリングの種目で4連覇を達成した伊調馨(かおり)選手(32)へ国民栄誉賞を授与すると、13日に政府が閣議を経て決まった。この4連覇は女子の個人種目では世界初の快挙で、世界中から称賛の声が届いていた。
政府は13日の閣議で、リオデジャネイロオリンピックのレスリング女子で金メダルを獲得し、オリンピック4連覇を達成した伊調馨選手に、国民栄誉賞を授与することを決めました。
出典:五輪4連覇の伊調馨選手に国民栄誉賞決定 -NHK NEWS WEB
2013年に長嶋茂雄さんと松井秀喜さん以来3年ぶりとなる国民栄誉賞の授与決定ニュースともあって世間からの注目が高まっている。
史上初の五輪4連覇!伊調馨選手のこれまでを振り替える
今回の閣議決定で国民栄誉賞が授与されることになった伊調馨選手。ここで彼女の経歴を振り返ってみよう。
■伊調馨選手の経歴まとめ
名前...伊調 馨(いちょう かおり)
生年月日...1984年6月13日
出身...青森県八戸市
主な戦績...女子レスリング日本代表として、63キロ級で2004年アテネ五輪、2008年北京五輪、2012年ロンドン五輪と三大会連続で金メダルを獲得。そして2016年リオネジャネイロ五輪では58キロ級に階級を変えて挑んだがここでも見事に金メダルを獲得した。その他これまで通算10回世界大会で優勝している。
伊調馨選手は技術が長けているだけの選手ではなく、リオ五輪の決勝で試合終了間際にポイントを奪い鮮やかな逆転勝ちを収めたように、どんな展開でも諦めない粘り強さや精神力も兼ね備えていて、心身ともに他を圧倒できる強さがある選手だと言われている。
4連覇の裏側 共に戦った姉、千春さんとの感動的な姉妹愛とは?
伊調馨選手が4年に1度の大舞台であるオリンピックで成し遂げた4連覇はまさに偉業だと世界中から称えられてる。 この4連覇までの道には数々の困難があったが、伊調選手は負けずに乗り越えてきた。そこには様々な人の支えがあったが、特に同じレスリング選手でもあった姉の千春さんの存在は大きかったよう。
馨選手の3歳年上である伊調千春さんは、レスニング女子48キロ級の選手としてアテネ五輪と北京五輪に出場し銀メダルに輝いた実績がある。しかし、どちらの大会でも当初は「金メダル候補筆頭」と評されていたため、本人にとっては非常に悔しい結果に終わってしまった。
それを見ていた妹の馨選手は「千春のためにも必ず勝つ」と奮起し、金メダルへと繋げている。
今大会ではオリンピックの前に母親を亡くしており、更に絆が深くなった二人。
母が亡くなった時は、全日本選手権まで1か月もなかった。あの時は「試合どうしたらいい?」とは相談されませんでした。馨が自分で考えて、自分で決断をして、出場した試合です。私としても、よく出たなあって。もし私だったら出られなかったです。父も兄も私も馨も悲しくて泣いていたけど、一番泣いていたのは馨じゃないかなっていうくらい、ずっと泣いていた。精神的なショックも一番大きかったと思います。
それでも出たっていうのはすごいですよね。馨は2階でずっと泣いていました。人前で話せる状態じゃなかった。どういうふうに考えて、どういうふうに決断をして、出たのかも分からない。お母さんがもし、言葉をかけてくれるなら「出ろ」って言ったと思います。勝った時に「良かったね」と言ってくれる母だから、多分出たんじゃないかなって思います。
昔から家族思いですね。子供の頃から優しい。東京へ行って一人暮らしするようになってから、また優しくなりました。食事が終わると、私や兄はリビングのソファへ行ってテレビを見る。でも父がまだ食事している時は、馨は父の前に座って父の話を聞いてあげる。「3人ともそっち行ってテレビ見ちゃうと寂しいじゃん」と、父の前で話している。母がいたときは母が父と話をしていたけど、今はいないですから。あとは「ありがとう」っていう言葉がすごく多くなった。別れる時も「ありがとう。気をつけてね」って。
出典:【レスリング】姉・伊調千春さん手記「馨はずっと泣いていた」 -スポーツ報知
生みの親である母親を亡くして悲しみに包まれながらもレスリングを続ける妹を支えた姉の愛情が伝わってくる。
千春さんがスタンドで見つめる中、馨選手はリオの舞台でも金メダルをつかみ取った。今回の伊調馨選手への国民栄誉賞の授与が決まって千春さんも喜んでいることだろう。
「他の選手にもあげるべきだ」伊調選手への国民栄誉賞授与決定にネット上からは意外な声が
偉大な記録を成し遂げ、国民栄誉賞も受賞する伊調馨選手。ネット上からは「おめでとう」という祝福の声とともに「あの選手にはあげないの?」といったような声もあった。
伊調さん美しい
— 美人化してもらったしょう (@showvoid) 2016年9月13日
国民栄誉賞おめでとうございます!!!
伊調馨選手、国民栄誉賞おめでとうございます。先日℃-ute武道館で見た伊調選手の私服姿に惚れました←
— F・マサヤン (@MA_SAYA_N) 2016年9月13日
国民栄誉賞って内村貰えなかったのか…
— かねぴよ (@Mr_piyopiyo) 2016年9月13日
パラリンピック 金メダル10個以上 そのほとんどが世界新記録 成田さん 当然国民栄誉賞で文句ないよね? https://t.co/661nkj6zSJ
— おひるねちゃん (@chihoyann) 2016年9月13日
リオパラリンピックの結果次第では国枝慎吾にも国民栄誉賞をお願いしたい。伊調さんはもらって当然だけどさ、国枝慎吾がもらえればとんでもなく素晴らしい事だと思うんだよね。
— 杉 りょうた (@ryowta6982) 2016年9月13日
伊調選手だけではなく、中には男子体操の個人総合や団体で金メダルを獲得した内村航平選手や、車いすテニスで世界ランキング1位に君臨する国枝慎吾選手やこれまでパラリンピックの水泳種目で15個の金メダルを獲得した成田真由美選手といった選手にも国民栄誉賞にふさわしいとする意見も多く見られた。
超豪華! 歴代の国民栄誉賞主な受賞者まとめ
伊調馨選手が今回受賞する国民栄誉賞にはこれまで、22個人と1団体が輝いてきた。
一体どのような方々が受賞してきたのだろうか。
主な歴代受賞者たち
・王貞治...記念すべき国民栄誉賞の第1号として1977年に受賞した。プロ野球選手として通算本塁打数で世界最多記録を達成したことが理由である。
・美空ひばり...スポーツ選手だけではなく芸能分野で輝いた方々も受賞している。美空ひばりさんは1989年に7人目として真摯な精進、歌謡曲を通じて国民に夢と希望を与えたことを理由に受賞した。
・高橋尚子...Qちゃんの愛称でも知られる陸上競技のマラソン選手だが、2000年のシドニー五輪で日本女子初の陸上競技優勝を果たして受賞した。
・2011 FIFA女子ワールドカップ日本女子代表...なでしこJAPANは、2011年に日本が3.11の大地震のニュースで暗いムードの中見事に女子サッカーワールドカップで初優勝を成し遂げ明るい話題を提供した。初の団体受賞となった。
・吉田沙保里...伊調馨選手と同じくレスリングの選手だが、一足早く2012年に受賞している。世界大会13連覇という未だに破られていない大記録達成が決め手となった。
このように芸能やスポーツなど多岐にわたる業界でそれぞれ偉大な方々が受賞してきた国民栄誉賞だが、実は過去に受賞を拒絶した方々がいる。特に有名なのはイチロー選手だ。日米両方で次々と偉大な記録をたたき出す野球界のスーパースターだがなんと2度も国民栄誉賞受賞を打診されながら、それらを断ってきた。
本人は断りの理由として「国民栄誉賞をいただくことは光栄だが、まだ現役で発展途上の選手なので、もし賞をいただけるのなら現役を引退した時にいただきたい」と語り話題となった。
さて、団体も含めると23人目の国民栄誉賞受賞者となる伊調馨選手。授与式でのコメントに注目が集まっている。
