「TWO NIGHTS」、「涙のティーンエイジ・ブルース」、「浮気なロンリーガール」といったザ・グッバイのなつかしいナンバーに、10年に発表したユニットテーマ曲(!?)「ONとOFF」も織り交ぜて披露した2人。浜崎あゆみのギター演奏で紅白歌合戦に出場した野村は、「演歌界の大御所3人に声をかけられた!」という裏話を明かしたり、翌7日に誕生日を迎える曾我にプレゼントを贈ったりと、開始直後からトークも大サービス。曾我が「義男との付き合いは30数年になるけど、プレゼントをもらうのは初めてかも!」と大喜びする場面もあり、楽しく温かなムードでライヴは進行した。
84年発表曲で曾我がメインボーカル担当の「グローイングアップ・デイズ」を今回は野村が歌ったり、突然ステージに登場したザ・グッバイのメンバー衛藤浩一が、急きょ「僕色に染めて」でボーカルを任されるなど、ファンにはたまらないサプライズもあった。
ソロ曲を作る時も、度々詞を野村に頼んでいた曾我は“作詞家・野村義男”を大絶賛。2人が究極のラヴソングと認める「~15才~」の完成エピソードなどを語り、「新曲を作ろう!」という宣言も飛び出した。またアイドル時代を思い起こさせるキュートなラヴソング、「Misty Night」を歌う曾我の甘い声とアクション付きでボーカルをはさもうとする野村の姿に、「かっこいい!」「かわいい!」という歓声も飛び交い、“やっちん! よっちゃん!”という愛称で呼びたくなるシーンも。
ザ・グッバイは80年代、テレビやコンサートが主な活動の場だったが、デビューシングル以外の曲はすべてメンバー4人で手がけ、音作りにこだわってきたバンド。この日のON & OFFライヴでも、メンバーが大切にし続けてきた曲の数々が披露された。
ラスト曲は初期を代表する「TAKE OFF」で、歌い終わると「アンコールは受け付けていません!」と野村が笑いながらギターを置き、曾我もステージを去った。だが、鳴りやまない拍手と歓声を浴びて再び登場。唐突に演歌風のメロディをギターで弾いたり、「ビバノン音頭」を歌い出したりとおふざけモードたっぷりの野村に、つっこんだり笑顔で見守ったりと楽しんでいた曾我。30年に渡ってミュージシャンとしてのパートナー関係を築き続ける中で生まれた、信頼感や友情の深さを所々でのぞかせていた2人が、アンコールに応えて歌った曲はミディアムバラード「のぞいてFeel Me Touch Me」と、ロックナンバー「Hong Kong Blues」。トークに笑い、魅力あるギタープレイと名曲であふれた極上のライヴだった。(取材・文責:饒波貴子)