Jリーガーからオリンピック選手まで、神田古書街の店主事情
(上)元浦和レッズのJリーガー、厳南堂の3代目・西塚定人さん、(左下)西塚さんイチオシの本名、福田定一で出した無名時代の司馬遼太郎のエッセイ初版(30万円なり)、(右下)こちらは東陽堂、元オリンピック選手が三代目。
神田古書街に行ってきた。稀少本をあさるおじさま方の遊び場というイメージの強い場所で、いまダイナミックな世代交代が起きているという情報をキャッチしたからである。


たとえば写真の西塚定人さん(31)は、元浦和レッズのJリーガー。その後横浜マリノスでマネジメント業務などを経験したという異色の経歴の持ち主で、現在古書店「厳南堂」の三代目。父上からお店を引き継いだ1999年から、徐々に店内を法律専門書から近代文学と戦記関係の本へとリニューアルしてきた。
しかし、古書店の息子というと文学青年のイメージだが、なぜスポーツの道へ? あまり本は読まなかったのかと尋ねると、
「ええ、あんまり好きじゃなかったです(笑)」と正直なお答え。が、今は司馬遼太郎のファンで、『燃えよ剣』がお気に入りだとか。ちなみにサッカー関係者達が訪れることもあるのか? と聞いてみると、「いやぁ、本が好きな人はあんまりいないんで」と笑う。今後は司馬遼に加えて松本清張にも力を入れていく方針で、客層もずいぶん若くなったらしい。

西塚さんのような若い店主は増えているのか?と聞いてみると、
「すごく増えてますよ。2〜30人はいるんじゃないかな。若い世代で交流もありますし、僕より若い人も多い」とのこと。

なお、この日はお会いできなかったが、仏教書専門店の東陽堂書店3代目・高林孝行さんは、野球選手としてアトランタ五輪で銀メダルを獲得していたりする。

銀行マンから転進した明倫館書店の3代目やら、住宅金融専門会社から泰川堂の4代目となった人やら、バラエティに富んだ若手店主が増えている神田。

プランタンボーイズを擁したプランタン銀座よりも、実は渋い古書街のほうがイケメン狩りの要チェックスポットかもしれない?
(エキサイトニュース編集部みと)
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