今では誰でも知っているカプセルホテルだが、当時はそんな言葉もなく、小さなカプセル型の個室の空間に冷暖房はもちろんのこと、テレビ、ラジオを完備した新しい概念のホテルに世間はびっくり。テレビ、ラジオ各局が取材に訪れ「カプセルホテル」オープンのニュースはあっという間に日本中に広まったという。
このカプセルホテルを考案したのはサウナや飲食店を経営するニュージャパン観光株式会社。当時の開発スタッフの一人、加納礼二さんは「カプセルホテルはサウナと同じ低価格の料金でホテル並のサービスを目差した結果生まれたものだった」と言う。
経済成長の時代にあった70年代後半、サウナは連日仕事帰りのサラリーマンたちで満杯。
このカプセルホテル、ドイツやアメリカからの視察もあったそうだが、やってきたのは軍関係や船舶関係の人々だったとか。それだけカプセルホテルは画期的なものだったのだ。そして、現在。カプセルホテルは日本全国に広まり、女性専用フロアーができたり、エステ、マッサージ、レストランなどの他、大浴場やプール、サウナ、などの施設が利用できたりと新しいくつろぎの場所として様々に進化し続けている。(こや)