ホーム全体がカレンダーになっている不思議な駅
(上)こんな感じで12月まで延々続く(中)日付タイル。休日マークがあるってことは毎年かえてるのか!(下)反対側は24の「節気」が描かれている
先日、東京メトロ千代田線の「新御茶ノ水駅」のホームに降り立った私はその光景に目を奪われた。壁面に「1月 January 睦月」と鮮やかなモザイクが施されており、「1、2、3」と数字の描かれたタイルが並ぶ。
そして2月、3月と続き…、つまりこの「新御茶ノ水駅」、ホームの端から端までがカレンダーになっているのだ。

日付のタイルを見ると、日曜祝日にはちゃんと赤いマークがつけられていて「なるほど、俺の誕生日、今年は日曜日かー」などと便利ではあるのだが、そもそも一体なぜこんなことを?

ホームを歩いていると、柱に答えが書かれていた。
“暦の駅 
ホームに立ち、電車を待つひとときにも自然は少しづつ、その姿を変える
人の営みなど、少しも気にする様子も無く 太古から綿々と繰り返す、色彩のドラマ
時の移ろいと共に自然が織り成す鮮やかなシーン
色褪せることの無いガラス、そのモザイクで作られた暦が都会の地下深いプラットホームで一服の清涼剤になる
そして、2000年という大きな時代の変わり目を機に新御茶ノ水駅が「暦の駅」として人々に親しまれ、新たなコミュニケーションの場となることに期待しています”

なんだか乙女なポエムみたいでちょっとよくわからないが、「新御茶ノ水駅」は2000年から「暦の駅」としてこういうことになったらしい。

他の柱にも「睦月」「如月」など、旧暦の月名についての解説が書かれていたりして面白く、読んでいるうちに何本も電車を乗り過ごしてしまった。駅のホームで、まだ始まったばかりの一年のことをぼんやり考えてみるのもいいかもしれない。(スズキナオ)