これは日本が誇るファンクバンド、SUPER BUTTUR DOGの名曲『サヨナラcolor』と同タイトル。というのも、監督自身がまさにこの曲を想起して、脚本にアイデアを織り込んだ作品なのだ。
主人公、佐々木正平(竹中直人)は、海岸沿いの病院に務める医師で、高校時代の同級生、及川未知子(原田知世)のことを20年も一途に想い続けている。そしてある日、未知子が正平の病院に患者として入院してきて……。
とにかく、この映画の楽しみのひとつが、“あんなところに、こんな人が”という豪華キャストたち。ちょこっとしか出てこないとはいえ、女医を演じた中島みゆきの存在感、内気な医師役が超ハマり役のウッチャン(内村光良)、正平の同級生役、忌野清志郎の目立ち度もすごい。
ちなみに、正平と未知子の同窓会シーンには集まったのは竹中監督の実際の同級生たちで、撮影現場はなんと母校の図書館だとか。さらに、正平の高校時代のエピソードはほとんど全部、竹中監督の実話だというからビックリ! (それは観てからのお楽しみ!) そして、忌野清志郎は、同級生役なのに、患者としてもエキストラで出ようと病院まできたという裏話も(しかも都内から100キロ近くある久里浜まで自転車で来てたらしい)。でも、さすがにカットされてしまったとか。
また、ミュージシャンたちの出演も多数。スチャダラパー、田島貴男、北川悠仁(ゆず)など、まだまだたくさん。そんなキャストたちの名前も最後のテロップで流れるので、「自分はどれだけ見つけられたか?」という楽しみ方もあり。
だからといって、決してお友達映画なんかじゃない。
『サヨナラcolor』は8月13日よりユーロスペース、MOVIX本牧にて公開、他全国順次公開予定。