一日一本の一つ、小湊鉄道バス極東石油線
(上)その路線の途中バス停のたたずまい(下)そのバス停の時刻表
昭和59年3月末日。当時国鉄の、清水港線が廃線になりました。
この路線は、鉄道マニアのみなさんの間で、特に有名でした。一日に、たった一往復しか走っていなかったからです。

残念ながら私は、存在を知りつつも乗ることができませんでした。ああ、もうこんな超がつくようなローカル線は出てこないだろうなあ、と思っていたのですが、ふとバスの世界に目を向けると、あらら、あるわあるわ。
一日一本だけ、どころか、一週間に一本とか、あるんですね……。

理由はそれぞれに違います。
単純に乗客が少ないために一本で足りてしまうケース。将来の開発を見越して、免許を先に取得し、それを維持するために、乗客がいないことを知りつつ走らせているケース。などなど。
中には自治体のコミュニティバスで、Aコースは月曜日、Bコースは水曜日……などの「一週間に一本」というものも存在しています。試験的ではあるのでしょうけれど。

そんな一日一本! の一つ、千葉県の小湊鉄道バス極東石油線を見てきました。

JR姉ヶ崎駅を朝の7時28分に出発です。ちなみに、土日祝日と、8月13日から15日は運休します。
バスは工業地帯に沿って、車どおりの激しい国道16号線を走ります。ちゃんと途中のバス停には、専用の切り込みが設けられてて、バス停ももちろん立っています。
この路線、昔は本数も多かったようですが、今ではこの一本だけになってしまいました。そう、一往復じゃないんです。
駅からの片道だけで、終点からバスは回送となり別の路線や車庫に向かってしまうのだそうです。

時刻表を見ると、ぽつり一つだけ数字が書かれていました。こういうのを見るだけで、私はなんだかわくわくしてしまいます。
ほんとは、乗ってみたかったのです。でも、姉ヶ崎駅についた頃には、もうとっくに「終バス」が行っちゃった後……でした。
(谷和原のぞみ/お気楽ステーション)