
最近のババシャツは、厚着をせずにすっきりと見せることができるとあって、おしゃれを楽しみたい女性たちに人気だ。
ところで、女性にとって冬の定番となった「ババシャツ」。もともとは長袖の肌着はちょっとオバサンくさい、という意味から生まれた言葉で、特に高校生や若い女性たちが使うようになって一般化したといわれている。では、一体いつから「ババシャツ」なる言葉が受け入れられるようになったのか。
ワコールの広報に問合せたところ興味深いお答えをいただいた。
「一般的な用語として認知はしてますが、当社ではババシャツという言葉は商品などに一切使用していません。他のメーカーさんも同じだと思いますよ。実は4、5年前に一時、洗濯指数のような形でババシャツ指数というものを出したことがあったんですが、ババ(婆)とは何事かというクレームがございまして……すぐにやめました。当社では「あったか研究所」として冬のインナーを展開しています」
では、一般的な用語として使われるようになったのはいつ頃からか? これはやはり社会の窓、新聞で調べるしかないと検索して調べてみた。
全国52紙、収録期間が長いのは1985年1月1日から朝日新聞。「ババシャツ」のキーワードで検索してヒットした一番年代が古い記事は1994年8月19日の読売新聞の夕刊。「よみうり寸評」の記事中に「娘よ! お母さんはババシャツ着てたって、心は十代のままよ……」という一文が。
次に古いのが、1995年2月20日の産経新聞。
こうやって見てみると新聞には、10年以上前に何と言うことはなく登場。ババ=婆に触れることなく、さらりと使われていたことになる。意外と女性たちはこの言葉に寛容なようである。
次にネットで「ババシャツ」を検索。おおっでるわ、でるわ、たくさんのサイトが。
通販大手の千趣会のベルメゾンネットでは、思いっきり「優秀ババシャツ」なる特集ページが。アウター対応型ババシャツ、温湿度調整機能付きババシャツなどババシャツのオンパレードである。
さっそく、ベルメゾンネットの広報担当の有江さんにお伺いすると
「いつからババシャツという言葉を使っているかはわからないのですが、インターネットはスピード感が大事ということで商品のキャッチコピーも分かりやすくインパクトのあるものをということでババシャツという言葉を使っています」
とのこと。
「カタログではこの言葉は使っていません。ネットだけですね。やはり特定の商品名よりもババシャツとした方が検索でヒットするのでそれを狙ってあえてババシャツという言葉を使っています」
女性の下着を扱うメーカーさんはやはり微妙なオンナ心をよくつかんでいらっしゃるようです。
(こや)