
なんのデータも説明もなく、サラリと書かれてたけど、アイスは夏だろう。
そこで、冬のアイスといえば、なんといってもコレ、「雪見だいふく」でおなじみのロッテに聞いてみた。
「アイス全体で言えば、やはり夏の方が売れてますよ」
なんだ、やっぱり夏かよ!? ガッカリした私に、担当者はこう続けた。
「ただ、レディボーデンなどの“プレミアムアイスクリーム”や雪見だいふくなどは、冬の方が売れていますね」
たとえば、雪見だいふくがいちばん売れているのは、11月。レディボーデンは12月にピークがくるのだとか。やっぱりちゃんと「冬のアイス」なんですね。
ところで、これらが「冬のアイス」になったのは、いつからなのか。
「プレミアムアイスクリームに関しては、クリスマスなどのパーティシーズンにアイスを食べることが定着するようになってから」
とのことなので、結構歴史が長いようではある。
また、「冬にアイスを食べる」というイメージを作り出すために、CMなどで、例えば“こたつに入って雪を見ながら食べる”、という状況を伝えようとしてきたのだという。
ちなみに、雪見だいふくが生まれたのは、1981年。この「餅でアイスクリームを包む製品・製法」は同年に特許出願し、取得に至ったのは、なんと89年。実に長い道のりを経たわけだが、特許を境に、それまで市場に多く出回っていた他社の類似品が姿を消すこととなったようだ。
この雪見だいふく、どうせなら"冬"感たっぷりに味わいたい。
「きな粉をまぶす、チョコレートをかける、コーヒーやあったかいココアに入れるなどというお手紙をいただきますよ」
さっそくコンビニで買った「雪見だいふく おいしい苺」をコーヒーに浮かべてみた。まず一口すすると、トロンととろけた餅が口にどっと流れ込み、あとからバニラアイスの甘さが広がる。さらに、中のイチゴペーストが溶け出すと、ほろ苦い複雑な味わいである。
大人なイチゴ雪見だいふくコーヒー、夜のひとときにホッとさせてくれます。
(田幸和歌子)